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2020年12月1日火曜日

ちゃんと物語があります 「フード・ラック! 食運」


 私の中では「ネイチャージモン」な、寺門ジモン。あとは「取材拒否の店」シリーズとか。
 氏のこだわり-特に食、それも肉-については、いくらかは知っていました。

 でも、少し疑っていたのです。
 「ネタに走った映画じゃないの?」、と。

右上「もし、焼肉が最高の演技をしたらどうなる?」とありますが、
そこまでではないです

 すみません。
 それは、先入観による思い込みでした。
 結論から言えば、「良い映画」でした。
 「相当に良い映画」と言ってもいいかな。
 もちろん、「個人的には」ですが。


 あらすじは公式サイト(※1)や予告編(※2)を見ていただくとして、


 「食べること」の意味を、考え直させてくれる。
 「伝えること」の責任と意義を、考えさせてくれる。
 「関わること」の大切さを、思わせてくれる。


 そんな映画でした。

 寺門ジモンの原作が良かったのか、脚本家とのやりとりの中で練り上げられていったのかは分かりませんが、ちゃんと伏線を張って、それを回収し、物語としてまとめられていました。

 先日見た「君は彼方」とは、そこが根本的に違うのです。


 不満は1点。
 撮影上の問題なのでしょうが、肝心の肉を焼いているシーンの中に、解像度というか色味というか、動画の質が少し違う個所があるんです。YouTubeで例えるならばHD動画の中に、一部SD相当の部分が有るような感じ。
 焼肉の美しさを味わうはずの本作ならば、焼肉のシーンは統一的に美しくないといけないと思います。
 ディスクメディア化される時にはどうにかならないでしょうか?



 「あと20年位、この世に居たいな」と思ってます。
 単純に掛け算すると、

 20×365×3=21,900

 欠かさずちゃんと毎日三食を食べたとして、残りはおよそ22,000回弱。
 食べない時だって、食べられない時だってあるだろうから、正味は20,000回ってところかな。

 せっかく食べるのならは、ちゃんと食べていきたいですよね。

 そんな事に想いが及ぶ、佳作でした。


 あ、過去にも記事にしたような気がするのですが、人生の残り時間とご飯の事については、山田風太郎のエッセイ集「あと千回の晩飯」も秀逸です。
 淡々と風太郎先生は書いていますが、自分の残りが「あと千回」になったら、そんな風には書けないや。 



※2:YouTube上の予告編