ちょっと思うところがあって、ずいぶんと古めのデジタルオーディオプレイヤーを買った。
新品での入手は現実的ではない物なので、オークションで入手した。
改造前提だから、起動しないとかはあまり問題ではなく、致命的な物理的破壊さえ無ければよいと思っていたら、無事に動作品を手に入れられた。
たとえ昔の製品であったとしても、これまで所有していなかった物が手に入ると、なんだか嬉しいもの。「へー、こんな物だったんだ…」と思って起動させてみると、動作確認用という意味でなのか、数曲分の音楽データが入っていた。
何気なく再生させてみたら、どこかで聞いたことのあるメロディーがヘッドフォンから聞こえてきた。
瞬間、記憶が検索されて答えにたどり着く。
「ああ、これだったのか…」という、溜め息まじりの言葉が思わず口からこぼれた。
高校のお昼の校内放送のオープニングで流れていた、あの曲の原曲だったのだ。
25年経ってやっと判ったのは、その曲が「こころは気紛れ」という「オフコース」の曲だったということ。私が聞いていたのはそれのインスツルメンタル•アレンジだったのだ。
私はオフコースにはまったく興味がなく、だからこの曲のことなど全然知らなかった。こちら側が、対象に知らず興味を持たない以上、ある曲に触れるのはチャンスは偶然しかない。
だから、今回こうやって判明するのでなければ、判るのは今以外のいつかのことになる。もしかすると、ずっと判らないままだったのかもしれない。
このデジタルオーディオプレイヤーに内蔵されているハードディスクは換装してしまうので、このデータは使えなくなる。けれど、曲名などが判れば、収められているCDを買うことができる。
そうだな、早速注文しようか。
それにしても、ずっと喉に刺さった魚の小骨のように、ずっと心に引っ掛かっていた疑問の答えを得ることが出来てよかった。やっと、この件についてすっきりとした気分になれた。
こんな風に謎が解けることもある。知りたがり屋の私にはまだまだ沢山の疑問がある。それらにも、いつか答えが見つかると良いのだけれど。