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2018年11月3日土曜日

「げんきッズシアター」?


 今、ちょっと旅先に滞在してまして、帰国前最後の荷造り中の為、前回予告した「ペンギン・ハイウェイ」の感想記事は、次回とします。

 今回の記事は、本来ならば「気がつけば、常滑」の次の記事になるはずだったのですが、余談記事を2回続けるのもどうかと思って保留していたものです。
 その為、記事の主な内容の一部が、今となっては少々古いのですが、御容赦くださいませ。



 【こんなシアターは初めてですねー。】

 子連れのお客さんが気軽に楽しめるよう、上映開始まではシアター内の遊具で遊べたり、子供の面倒が見やすいようなシートと広めの配置になってます。




 シートというか、ほとんど床置きのソファ。
 

 おっちゃんには、座りにくいったらありゃしない。姿勢が決まらないんすよね。


 それに、シートとスクリーンの位置関係が悪いので、すごい見上げになるんですよ。


 本来ならば、スクリーンを下向きに傾ければ良いのでしょうが、いつか普通のシアターに戻す際に壁を改修する(=費用が余計にかかる)ことになるし、動画としての出来や見やすさにこだわって映画を見に来るお客さんを対象としている訳ではなさそう(お母さんたちからすれば「他の客に気を遣わずに見られれば、充分」でしょ?)でしょうからね。角度がどうとかなんて、ほとんど問題にならないのだろうと思います。

 おっちゃんとしては、いっそフェリーの大部屋席(雑魚寝部屋)のようにシート無しの床にしてくれた方が、ごろんと寝っ転がったり、胡座をかいたり出来て良いような気もしますが。

 あ、あと、今回だけなのかどうかは分かりませんが、この「げんきッズシアター」、本編の上映が始まっても完全には暗くなりません。子供連れのための配慮なのでしょうが、間引いた天井の照明が点灯します。
 そうやってシアター内が明るくなってしまうことへの対策なのか、投映される映像が見栄え(明るさ・彩度・シャープさ等)良く濃いめに調整されているように思います。これまでに「若おかみは小学生!」を観覧した中では、「動画」を見るという観点に於いて、今回が抜群に綺麗に見えたように思います。それだけに、シートが惜しいです。


 現地に到着して気づいたのですが、ここ(イオンシネマ常滑)では、夜に「ペンギン・ハイウェイ」をやってるんですよね(※)。
 「ペンギン・ハイウェイ」、良い作品だと思うのですが、観に行ったタイミングが通っているシネコンでのスケジュール末の最終上映回だったので、見直せていないんです。「観たいなあ」と思わなくはないのですが、この「げんきッズシアター」では、ちょっと厳しいかな。
 確か、この「げんきッズシアター」は定員43名なので、集客が見込めないアニメとかを押し込むにはちょうどいいのでしょうが、もう少し検討してもらいたいものです。

 残念ですが、来月導入する予定の「暫定設備マイシアター」でBlu-ray版をゆっくり観ることにします。

 まあ、「ママさん達の映画を見る機会を増やす」ことを通して、映画業界の未来を模索するためには、こういうシアターを作る取り組みも大切なことだと思います。
 今後どうなっていくのか、引き続き観察していこうと思います。

 ※:
 この記事の内容は、11月3日時点のものです。
 既に、11月8日で終了しています。



 そういえば、キネマ旬報シアターで「若おかみは小学生!」を上映しているそうですね。
 徐々に上映館が減っていますが、逆にこれから上映が始まる館(※)もあります。これまで身近で上映していなかった地方の方も、楽しめると良いですね。

 ※:
 例えば、函館の「シアター太陽函館」は、先週23日から始まって今日29日で終了。スクリーンの数も限られている中、1週間であっても、掛けてくれただけ偉いと思います。
 話題になった映画だし、パチンコ屋さんの系統だから、賭けてくれたのかも。(^^*)
 ここ(「シアター太陽函館」)では、「君の名は。」を観たことがあります。懐かしいなあ。

 函館だと、私は行ったことがありませんが「シネマアイリス」がありますね。凝ったプログラムのようですので、その内に掛けてくれるかもしませんね。
 まあ、「太陽」さんでやった作品は、難しいのかもしれませんが。

 公式サイトから劇場情報を見てみると、まだまだ、これから始まる所もありますね!
 旅行がてら、どこかへ見に行こうかしらねえ。
 

気がつけば、常滑。


 今週、水曜日(10/31)午後のこと。

 月1の通院があり、普段は月初めの土曜の朝に行っているのですが、今週末は文化の日と重なっていて、かかりつけのお医者は休みになりました。
 慌てる必要がないので、いつもなら1週間遅らせるところですが、来週末は出掛ける予定が入っているのでそうはいきません。
 さすがに2週間遅れると、ちょっとまずい気もしますので、金曜日に1日休暇(※)を取って午前中にお医者は済ませ、昼からは映画でも観に行こうと今どこで何をやっているかをチェックしてみました。

 すると、イオンシネマ常滑でちょうど手頃な時刻に「若おかみは小学生!」を上映するというのを見つけました。
 「んー、でも、まあ、8回目になるしなー。さすがに、もう良いんじゃなかろうか。あとはBlu-ray買って、お家でゆっくり楽しめば」と思いつつ、他には何かめぼしい映画はあるかなと、館のニュースのページを見てみると、「11月3日から先着順で、プチョン映画祭でダブル受賞したのを記念して、特製のポストカードを配布します」というおしらせが。

↓↓ イオンシネマ常滑さんの当該記事のスクショです ↓↓

 うーん、あのイラストは素敵なヤツだからなあ。
 どうしようかな。
 でも、イラストを見るという点では、既に見ているし、その時に画像も保存しておいたしなあ。
 うーん…。




 ということで、イオンシネマ常滑、行って来ました。
 ポストカード、無事にいただいて来ました。



 上映開始直前まで私一人しかおらず、秘めたる野望「結果的に貸し切り」がついに実現かと思っていたのですが、あら残念、開始寸前に親子連れ2名様登場。やはり、マイシアターを実現するまでは、簡単には野望は叶わないようです。
 貸し切りなら、思いっきり涙腺を開放しようと思っていたのですが。


 まあ、復活といっても、そろそろ終息しそうなので、ポストカード貰いがてら「若おかみは小学生!」を観に行くのも良いんじゃないでしょうか。

 記事中のポストカードの写真、当分の間自分のスマホの壁紙にしようと思っとります。
 記事用のは、秋っぽく電灯の下で見るような色合いに加工したし、画像の大きさも小さくしてあるのですが、元々のはすっきりしたのも撮ってありますし。

 クラスメートバージョンとかも欲しいですよねー。私、よりこちゃん気に入ってますので…。


 ※:結局、朝イチから2時間の時間休暇にして、医者に行き、いつも通りお仕事してました…。(´д`)エェェー

2018年11月2日金曜日

5回観た「リズと青い鳥」おまけの話


 3日間連続更新のつもりだったのですが、続けて寝落ちしてしまいました…。
 まあ、前回の記事までで、作品について言いたいことは書ききっているので、今回はおまけみたいな内容になってしまいますが。


【いけない本屋さん】
 「若おかみは小学生!」の期間限定の帯を手に入れておこうと思って、次の上映開始までの時間潰しがてら、シネマ・ツーのお隣にある「オリオン書房 ノルテ店」に行ってみました。
 訪れる度に無駄遣いしてしまうので、あんまり来たくないという、自分の中では矛盾した存在の本屋さんなんです。ホント、ここは良いものが多すぎます。無防備&軽い気持ちでは近寄ってはいけない所なんですよね。

 でも、今日は頑張って自制しました。
 控えめに、

 ①青い鳥文庫「若おかみ~」第1巻
 ②青い鳥文庫「若おかみ~」映画ノベライズ
 ③講談社文庫「若おかみ~」映画ノベライズ
 ④・⑤某社のラノベ文庫本2冊

 と、5冊に抑えました。
 でもねえ、「①は、ほぼ初版のを昔買って既に持っている。②・③も持ってて既読ですけど、それらはKindle版なので、まあ許容範囲かな」と、結局5冊中3冊が重複購入なので、本当に「自制」と言ってよいものかどうかは疑問符が付きますけど。


 会計を済ませてから、気になってた本の表紙写真を撮って(※)、帰ろうとエスカレータに向かって歩いてたら、喫茶コーナーで「リズと青い鳥」の原画展をやってました。
 コーナーの外には、普通の原画が何点かサンプル的に飾られていたみたいで、あまりまじまじとは確かめませんでしたが、喫茶コーナー内にはいろいろと大事なシーンとかのものも展示されてたようです。
 それだけなら、喫茶コーナーの販促のためだけのよくある企画と思ってしまいますが、一味違って「すごいなあ」と思う所以は、喫茶コーナー営業終了後は、スペース内の原画が見られるように開放してくれるところ。

 ノルテ店さん、実によく分かってらっしゃる。この気遣いが良いのです。
 やっぱり、僕はこの本屋さん大好きです。先述したように、危険なお店ですけど。

 グッズも幾らか売ってましたけど、ここはババンと宝島社文庫の本も「これがリズと青い鳥の原作の収録されてる巻です」とやっても良かったのでは?

※:最近は、本屋さんで気になる本を沢山見つけた時は、とりあえず表紙を撮影して、Amazonで検索→欲しいものリストに登録してます。
 気になる本が1冊や2冊なら、書名を覚えておいて、帰途にバスの中とかで思い出してメモするんですけど、平積みに何冊もあったりすると、とても覚えておけないので…。
 メモした本は、その時に買えず後日になったとしても、なるべく見つけた本屋さんで買うようにしてます。表紙を写させてもらった御礼です。
 なので、オリオン書房ノルテ店さんでもいろいろと買ってますよー。
 衝動買いもたくさんしてますしね。
 先年、確か「フレームアームズガールのフィギュアだかプラモデルだかが付録になってるムック(※)」を店頭で見かけたとき、つい購入したんですけど、それも含めたその時のお会計、一瞬「んえ?(確か35,000円位だった)」と思う額でしたもん。あの月は、図書費の合計がとんでもないことになったものでした。
 ノルテ店さんは、寄る度に大量に本を買わせる、本当にイケナイ本屋さんですよねー。


※:調べてみたところ、「フィギュアJAPAN 『フレームアームズ・ガール』編」で8,800円位だったようです。苦労して買って帰った割に、未開封のまま書庫部屋のどこかで眠っています。プラモ、作りそうもないし、売るかねえ?

 その時の写真は ↓↓ これ ↓↓




 
【念願の「公式設定集」を手に入れたぞ!】

 午前中の上映が終わってシアターから退場する際に、劇場スタッフから「公式設定集の在庫が復活しました~!」とのお知らせがありました。な、なんですってー!!

 この「公式設定集」、春の本来の公開の際に、少し出遅れたため既に売り切れで手に入れられず、「ヤフオクとかAmazonの転売の人から買うしかないのか…」と思っていたものなのです。
 前日、シネマ・ツーの物販コーナーでこれを見かけた時にも売り切れになっていて、やっぱり転売屋さんから買うか」と腹を括っていたところでした。

 少し行列して自分の番になった時に、「2冊ください」と頼んだのですが、「お一人様につき1冊でお願いします」と言われて、ちょっとしょんぼりです。
 転売とかが目的ではなくて、閲覧用・保存用の2冊のつもりだったんですけどねえ。

 ひと休みして、「若おかみは小学生!」を観るためにシネマ・ワンへ行こうとして外に出たら、少し寒かったんでコートを羽織ったのです。それで見た目の印象が別人のようになったせいもあってか、途中で再度立寄ったシネマ・ツーのショップで、なんとか設定資料集をもう1冊手に入れることができました!

 とりあえず2冊あれば、もう安心。
 これで、転売の人から買わずに済むというものです(※)。
 当方のように「転売する気が全く無い人」にはまとめて売って欲しいと思うのだけれど、見た目ではそれは分からないですから、「お一人様1回につき1冊限り」も仕方がないよなとは思いますが。

 そう言えば、待ち時間にスマホでちょいと京アニショッブ見てたら、まだミニアクリルスタンドは結構買えるんですね。
 「ここで現金で買う必要は無かったのかなぁ」なんて風に少々後悔しなくもないけれど、まあ、お布施ですからねぇ。
 何点か買ったけど、どうせ立てないしなあ。


 あ、この記事をアップする直前に、もう一度京アニショッブ見てみましたけど、公式設定集在庫有りですね。
 もう1冊買っとくか…。3冊あれば、布教用も確保できますし(布教はしませんけど)。

 でも、ひそかに悩んでいた「サマーアンサンブルアクリルチャーム」のみぞれと希美が売り切れてました。「迷ったら、とりあえず買っとけ」という、恩師の言葉を実践しておくべきだったか。



※:転売者を通したとしても、エコシステム的には「お金が回る」ので、必要悪とは思うのです。私個人としては、なんでもかんでも全否定はしませんよ。
 転売屋さんだって、売る素材を入手する時には「なんとか手に入れるために、努力して」ますし、お金も使っている訳ですからね。
 でも、あからさまにボり過ぎてるのは、あまり気分の良いものではないですよね。
 今回の公式設定集のように、しかるべきタイミングでメーカーが再販してくれるというのが一番良いのですが。


【決めました!】

 12月には「リズと青い鳥」のBlu-rayとかが出るじゃないですか。
 各種ディスクソフトが発売されれば、そうそう映画館で掛かることも無くなるでしょう。でも、じっくり、大画面で楽しみたいじゃないですか。

 ということで、この冬、どーんとそれらしい設備を導入することに決めました。
 まあ、自己満足の世界なので、ひとまずはこじんまりしたのを入れるつもりです。
 どんなもので、どんな風に見えたかは、乞うご期待ということで。

 ということで、「リズと青い鳥」についてはこの辺で終わりにします。

 引き続き、「若おかみは小学生!」編に突入する予定です。
 

2018年10月29日月曜日

5回観た「リズと青い鳥」の補完 その2

 前回に引き続き、今回の記事も映画を観ている前提で書いています。
 当然ネタバレあり。そもそも、観てる人じゃないとわからない話ばかりです。
 思い込み垂れ流しなのも、ごめんなさい。
 ではでは、始めましょう。
 

【みぞれのオーボエがすき】
 理科室の告白で、みぞれが希美の好きな所を網羅的に上げていくのに、希美の答えは「みぞれのオーボエがすき」なんですね。
 あの一言で、一旦は、言外に「私の好きは、みぞれのそれとは同じじゃないんだよ」って伝えちゃってますよね。
 でも、一体「好き・すき」ってなんでしょうかね? 何度か希美の目を中心とした表情のアップがあるんですけど、あの時浮かんでいた思いとか考えとかは一体なんだったんでしょうね。

 でも、「みぞれのオーボエがすき」って、よく考えれば、全肯定なのかも。
 オーボエを奏でているのは一人の人間であって、それがどんなものでも、その人が抱いている感情を込めているわけでしょう。
 ただ「上手だから」なのではなく、込められたみぞれの想いも含めて、みぞれのオーボエがすきなんでしょ?

 みぞれの精一杯の告白だった「大好きのハグ」に、あの時に、簡単に「あたしも」とかって「も」で答えてしまうと、ただの百合(※)に落ちてしまうと思うのだけれど、あそこを「みぞれのオーボエがすき」としたことで、遥かに高いレベルまでいっちゃったんだと思います。即答ではない、「溜(ため)の威力」ですかねえ。

※:ここでの「ただの百合」とは、ちょっと色物的な、なんていうかな、「よくある百合」とでもいうか…。いや、それはそれで良いのですけれど。


【咄嗟のポーズ】
 みぞれに「ごめん、もう、よく覚えてないんだ」って答えてしまったのは、ポーズですよね。
 希美の回想の中では、「吹部に入らないか」と言われた時の驚いた表情のみぞれが描かれているし。思い出せないはずがないのです。
 
 何かは分からないけれど、自分もみぞれに心惹かれるものがあったからこそ、中学のあの時、みぞれに声をかけた。

 だから、あの「ごめん、もう、よく覚えてないんだ」の時には、まだ、答えを見つけられてなかったというのもあるけれど、100%の自分を晒せなくて、咄嗟にごまかしたんですよね。


【少しだけ待ってて】
 ラスト前、階段の所で希美が伝えた結論が「少しだけ待ってて」なんでしょうから、それもこれも超えた上での「受け入れ」「答え」にたどり着いたのだと思います。
 そうでなきゃ、エンディングに向かって下校の様子を描くシーンでみぞれが微笑まないでしょ?
 悩み苦しんだ末に、二人共、二人のこれからが見えたんじゃないのかな。

 「リズ」と「青い鳥」は、どうしても一緒にはなれない異類同士だけど、二人は頑張ればどうにでもなるんだもの。


【最後のひとこと】
 これは、こうあって欲しいという私の願望だけれど、みぞれのことを、自分のことを、もう一度、深く考えて、確かめて、希美が最後に出した答えは、「私もみぞれが好き」だと思う。
 そして、それを振り返りざまにみぞれに伝えたからこそ、最後の最後のワンシーンで、みぞれが嬉しそうな驚きの表情を浮かべたのだと思う。


【まとめ】
 いやー、アラフォーどころか、アラフィフのおっちゃんがマジに語り印すような内容ではないんですけど、一度観てしまうと、ついつい深読みしたくなってしまう映画なんですよ、この「リズと青い鳥」って。

 今回の立川シネマシティでの上映も含めて、新千歳空港国際アニメーション映画祭にキネマ旬報シアターと立て続けに上映がされるというのも、そんなこの映画の魅力が呼び寄せているのかもしれませんね。

 キネマ旬報シアターかぁ……。
 行って行けないことも無いんだけど、上映が1日1回で、それも夕方以降というのがなあ…。ハードル高いんだよな。



2018年10月28日日曜日

5回観た「リズと青い鳥」の補完 その1

 こんな辺鄙なとこで適当にやっているブログでは、たまたま目にしたような人はいないでしょうから、今回の記事は映画を観ている前提で書いています。
 当然ネタバレあり。そもそも、観てる人じゃないとわからない話ばかりです。

 不幸にして、この映画を知らず・観ずにここに来てしまった人は、直ちにページを閉じて、年末に出るDVDかBlu-rayで観てから、又おいでくださいまし。あるいは、行ける方は、上映している劇場へ(←これが一番のおすすめ)。

 とりあえず、この記事ではメインヒロイン「鎧塚みぞれ」と、彼女の思慕の対象である「傘木希美」の関係について考えます。

 元々はメモ書きベースなので、散漫なまとめ方です。すみません…。



【二人の秘密の物語】
 みぞれが希美に依存しているのは、少なくとも同級生たちは、みんな知っている。
 きっと、危うく見えていて、みぞれのことが心配で仕方がない。

 でも、みぞれにとっては単なる依存等ではなく、本当に本当に本当に希美を好きなのだということは、みんな知らない。
 みぞれが希美を本当に好きなのは勿論、希美もみぞれが本当は好きなのだということは、二人だけの秘密なのだ。
 
 「理科室での告白」以降のことは、二人以外に知る人はいない。だから、「どうやって『答え』を出した」のか、「どんな『答え』」なのかも知られない。

 この一編は、そういう二人だけの秘密の物語を、観客がそっと覗き見た、そんな作品なのだ。
 大袈裟なものは何もなく、ただただ秘やかに時が進んでいく。
 誰かに見せるものでないからこそ、小さな機微も伝わってくる。
 みぞれの純粋な一途さが、もう、痛いほど画面から伝わってきて、苦しいくらいである。

 それを煩わしいと思わない人にとって、これはとても心を掻き立て、そして染み込んでくる作品である。


【望む結末】
 なんとなく、吹っ切れたような日常を見せることで、「すべては終わった」かのように映画は終わるのですが、私は悲しい結末を得たくないのです。
 なので、以下は私なりの考察と脳内補完です。合っているとかではなく、私にとっては「こうであって欲しい」と望む答えなのですよ。
 

【希美の嫉妬】
 オーボエ担当の1年生・剣崎梨々花と少しずつ心を通わせていくみぞれ。
 黄前ちゃんとあすか先輩のように、梨々花とみぞれの関係もぎこちない。やっぱり同じパートの上級生は、気を遣う・やりづらい存在なのだ。それでも梨々花は、慕う心でみぞれに認めてもらっていく。

 「オーディション、落ちちゃいました。先輩と一緒に吹きたかった」と感情を吐き出した梨々花に接して、自分からは優しくしてこなかったけれど、それでも自分を慕ってくれる彼女に対して、不憫さと後ろめたさを感じたのかもしれない。
 
 それもあってか、希美からプールに行こうと誘われた時、みぞれは梨々花も一緒に連れて行きたいと告げるのだけれど、その時に「え? 一緒に行きたいのは私とだけじゃないの?」と微妙な表情を浮かべてしまう希美には、きっと嫉妬が湧き上がっていたはず。みぞれの心の中に、いつの間にか自分以外の誰かが入り込んでいることが許せなかったのだろう。

 それを思うと、その時点では気づいていない&表現しないだけで、無意識の内に、やっぱり希美もみぞれのことが好きなのだと判る気がする。


【ハッピーエンドがいいよ】
 「ハッピーエンドがいいよ」とは、希美が劇中で何気なくみぞれに話す言葉なのですが、これは大切な暗示なのではないかと思います。
 それぞれの進路を選んで別れてしまっては、全然ハッピーエンドじゃない。それは、バッドエンドでしょ?

 「みぞれのオーボエ支えるから」からの「今は少しだけ待ってて」は、きっと受け入れなんだろうと思います。
 ‎そうでないと、「ハッピーエンド」にはならないもの。

 さてと、では、このお話は、結局ハッピーエンドなのでしょうか?
 
 ても、ある種のハッピーエンドなのは、冒頭で「disjoint」だった手書きの文字が、最後で「joint」に書き直されたことでも示されているし…。
 それは、これまでどこか遠慮がちで、深いところまでは理解し合えていなかった関係を超えて、本当の意味で二人の心が繋がったということなのかも。

 二羽の鳥が空を飛んでいるシーンが挿入されるんだけど、あれはきっと「比翼の鳥」のイメージですよね。最後で離れ離れにならなかったのも、ハッピーエンドの暗示だと思う。

 なので、ハッピーエンドということにしておこうと思います。



 文字ばかりで長いのもどうかと思うので、続きは、また次回。
 同じような、願望含めた感想が続くので恐縮ですが…。(^^;

 そう言えば、デウス・エクス・マキナ的にハッピーエンドを作り上げた作品が、最近もありましたっけ…。私はあの終わり方、嫌いではありませんけど。やっぱり、物語はハッピーエンドが良いよね。