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2020年10月27日火曜日

「予告編」同士にも差があるような


 「予告編は凄い」作品の話をしました。
 予告編がらみでいくと、気になる作品があります。

 以前の記事で年末公開の「ジョゼと虎と魚たち(https://joseetora.jp/)」が気になるという話をしたのですが、それは、予告編の出来が良くて「これは、面白いかもしれん」と思ったから。

 先々週(10月16日)くらいまで上映前の予告編タイムで流れていたのは「特報(60秒)」というやつ。それが、先週(10月23日)くらいから「本予告(60秒)」というやつも流れるようになりました。

 YouTubeでも、公開されてます。

  特 報(60秒):https://youtu.be/P5LLhoKfI1E
  本予告(60秒):https://youtu.be/sw07I2OH4Ho

 せっかくなので見比べてみてくださいな。


 情報解禁の進展に応じて、特報→本予告と変化した訳ですが、個人的には「特報」の方が出来が良いと思うのですよ。

 「特報」の方は、主人公達に絞り込んでいて、それでも、1分間の中で上手にピークを作り、余韻の中で「あ、これ、面白そう」と引っ張るまとめ方になっていたと思うんです。
 音楽とも、ばっちり合ってますよね。映画を見ても見なくても、Eveの「蒼のワルツ」はCDを買うと決めたくらいに。

 「本予告」の方は、主人公達以外の登場人物や舞台・背景についての情報が増えていたりしますが、1分間の映像にどこまで詰め込めるのかなんて、所詮は限界があると思うんですよね。あまり盛っても、散漫になるだけ。

 仮に、「本予告」の方が先に公開されていたら、冒頭で書いたように「面白いかも」と興味を持てたかどうか。「ややこしそうだな」と思っていた可能性が高いです。

 同じ映画の予告編であるにもかかわらず、「どこを」「何を」「誰を」見せるかで全然出来上がりが異なるのは、興味深いですよね。まあ、当然ですけど。



 予告と言えば「演者が顔出しして『お楽しみにー』とか言うやつ」もありますね。
 ことアニメに限って言えば、「予告編」としては個人的に好きじゃないです。広報企画の一環としてYouTubeやニコニコ動画とかで配信とかするのなら、歓迎しますけどね。
 実写ならば、それもアリでしょうけれど、自分は「当てている人達(特に声優以外の人達)の姿」が見たい訳じゃないのです。一般の俳優を使う時って、そもそも、配役に難があることが多いのだし。


 実写映画だというのならば、気になる「キャストが顔出しする予告編」はありますよ。それは、来年1月公開の「さんかく窓の外側は夜(https://movies.shochiku.co.jp/sankakumado/)」の、メインキャスト4人が、映像を見ながら感想などを話しているやつ。

 YouTubeへのリンクはこちら

『さんかく窓の外側は夜』特別映像<どのシーン見てるでしょう?編>: 

 これは、客に興味を持たせつつも、嫌らしさを感じさせない。実写だから。彼らが出てると承知で見るからですね。

 曲者の滝藤賢一が「悪い顔するよね~」と話してると、「滝藤賢一に『悪い顔』と言わせるとは、作中の平手友梨奈の悪い顔って、一体どんなだろ?」とかって、素直に思えますからねえ。
 「あ、でも、2018年の映画『響-HIBIKI-』の予告編でも「悪い顔(?)」を見たような気もするけど…。もっと悪い顔なのかな?」等と、気になりました。
 あ、個人的に耐えられなさそうなお話っぽいので、申し訳ないですが、見には行かないと思いますけれど……。(^^;


 たかが予告編。されど予告編。
 「お客をどれだけ引き寄せられるか」を司っているだけに責任重大ですよね。
 「予告編詐欺」みたいな作品は勘弁して欲しいけど、それでも、日本人好みな「凝縮の美学」を感じさせる予告編を、これからもたくさん見られると良いなと思ってます。

 本編を見る前に、どうせ強制的に見せられるのなら、面白い予告編が見たいですよね!

どう思う? どう思った?「どうにかなる日々」


 「予告編の力って偉大だな」って思う作品がある。
 「こ、これは、観るしかない」と思って、封切りの日にいそいそとシアターに足を運ぶのだけれど、実際に観てみると「ううん?」となってしまう。そんな作品。



 本作「どうにかなる日々(https://dounikanaruhibi.com/)」も、自分にとっては、ややそんな感じに思えたかな。



 オープニングの絵の感じ、音楽、そしてそれらが合わさって醸し出される雰囲気は凄く良かったから、期待は高まったんだけれど、短編4話(第3話と第4話は繋がっているので、正味は3話オムニバスと言えなくもない)の内の2話目後半あたりから「ううん?」と思ってしまった。

 「原作=アニメーション作品」という訳ではないから、別途、原作コミックを読まないと作品(物語)そのものの評価は出来ないのだけれど、「本作を観る限り」においては、2話目の言いたいことがよくわからなかった。
 3・4話目も、「なるほどねー」とは思うけれど、たどり着いたのは「うーん。それで?」という感じ。

 1話目は、はっきりと決着が着くこともあって「ほほう」と思えて、解決した満足感があるのだけれど、2・3・4話は「もやもやする感じ」がまとわりつく。
 もっとも、3・4話は主人公達2人のその後のイメージがうっすら湧くので、まあ、解決した満足感が無い訳ではないのかも。

 その、「『もやもやした感じ』こそが、我々が普段実際に過ごしている日常生活と相似通ったものなんでしょ?」ということ、なのだろうけれど。
 まあ、現実の世界では「思っても口に出さないこと」も多いし、明瞭なストーリーや結末がある訳でもないから…。


 週明けの今朝、「『これが現実だよ』と言うことなんだろうけれど、妙に生々しくてね。どうせなら、もう少し夢が見たいんだけどねえ」と、一言感想を職場の後輩に話していたら、「あー。現実は、嫌でも自分自身が見ますもんね」とのコメントをいただきました。
 うん、でも、僕は清い方だけどね…。
 「夢見るおじさん」ですしね。



 結構、ほんわりした絵柄なのですが、内容がそこそこエロいシチュエーションを扱っているので、そこが「PG12」たる所以ですね。

 どうせエロいのならば、パキーンと突き抜けてしまう方が納得出来るものがあるのですが、「そこそこエロい割に、寸止め」というところも、前述の「もやもやした感じ」に繋がっているような気がします。


 佐藤卓哉監督の作品としては、昨年の「フラグタイム」の方が、メッセージが明確で、見終わってすっきりしたように思います。主人公達(美鈴と遥)の「これから」が感じられましたから。


 まあ、このまま終わるのも何なので、年末にでも原作コミックを読んでみます。

既に買ってはあるんですけどね…


 作品の嗜好というか、志向というのも、なかなか難しいものですねえ。