わ~い、5巻が出たぞっと。
ということで、「瑠璃の宝石」待望の5巻配信記念に、昨年の今頃、4巻が出た際に下書きしていた内容をサルベージ。
瑠璃ちゃんの表情にピントを合わせてます。加工ですけど…。
明日からの三連休。
まだまだ残暑が厳しいので、お外に出かける気はさらさら無い。まあ、毎日が日曜日だしね。
エアコン効かせた部屋で、のんびりと5巻を堪能することにします。
きっと、5巻を読んだら遡って最初から読み返したくなるはずだから、いっそのこと、1巻から通して読むとしましょうか。
5巻を読んだ感想は、また今度。
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やっと4巻が配信された。
連載が遅い作品だと、単行本の刊行ペースが遅いのは致し方ない。
本作「瑠璃の宝石」も、概ね1年に1冊ペース。
第1巻2020年10月
第2巻2021年8月
第3巻2022年10月
第4巻2023年8月
まあ、練りこまれた内容もそうだし、描き込み密度が高いので致し方ないか。
第1巻のKindle版を買ったのが2020年11月23日。
わりと発売日から時間を経ずに買っている。
きっと直前に買った何かからのサジェストだったのだろうけれど、具体的には思い出せない。
コレクションビューでまとめて表示しております。
その後は各巻配信日前に予約購入しているくらいにお気に入りのシリーズとなったので、今となっては「この本はいかが?」という提案は有り難かったことになる。
まあ、それもAmazonの商売だけれども…。
既刊の単行本版に収められているのを、あまりネタバレせずに書くのは難しいけれど、だいたい以下のような感じだ。
1巻は、「自力で宝石を手に入れれば良いんじゃね?」と思い至った主人公・瑠璃(るり)の暴走から始まり、良き先達である大学院生・凪(なぎ)に導かれて少しずつ鉱物採集に惹かれていく過程を描く。
2巻では「サファイアの産地を自分で見つけたい」という瑠璃の願望実現のための、「地味な活動」が丁寧に描かれていく。
この巻では、もう一人の先達である大学生・伊万里(いまり)が登場し、学究としてかなり先を行く凪と、多少鉱物に興味を持つものの普通の女子高生である瑠璃との間を補う役割を担う。
3巻では、「シーグラス(ガラスが海の波などの影響で変化したもの)」を希少な宝石と勘違いした瑠璃の一騒ぎから、以降でライバル(というよりは同好の士)的存在となる同級生・瀬戸が登場。
後半では2巻で探求したサファイアの産地の「過去」をめぐる物語が展開する。
現時点で最新の4巻は、3巻の最後で予告されていた、瑠璃・凪・伊万里・瀬戸たちの夏休みの鉱物採集旅行が語られる。
「石の研究者になる」という確固たる希望を持つ瀬戸に対して、そこまではっきりとは考えていなかった瑠璃だけれど、瀬戸が「凪・伊万里(=研究者達)の世界」に属するイメージを浮かべた時に胸中に現れたモヤッとした想いから、そしてトパーズ採取の現場で知らないおじさんからかけられた一言から、瑠璃のこれからの進路について薄っすらと示される。
「綺麗なものが好き」という感情が根本にある瑠璃は、理屈ではなく感情・行動が優先するタイプ。なので、瑠璃は「感覚」で綺麗なものを求めていく。
1巻では欲望に忠実で、時には禁止されていることをもしようとするのだけれど、凪の導きで知らず知らずの内に「科学的なものの見方」を身に着けていき、「感覚」+「理屈」で動き始める。
私的には、2巻での「サファイアの産地探求」の過程が丁寧にロジカルに描かれていて、だから結果に納得できてとても気に入っている。
地味な調査(多少なりとも効率化しつつ)を積み重ねて足元を固め、現地ではこれまでに得た知識とデータから狙いを定めて成果を追求していく。
科学研究の真髄・醍醐味をわかりやすく伝えてくれる、佳編だと思う。
単行本における各話の扉絵が、その回の内容を踏まえたジオラマ風のものになっているのも芸が細かくって楽しい。
「サファイアの産地探求編」の総まとめとなる3巻収録の第18話「サファイアのゆりかご」は、「綺麗なものが好き」の、「その先」を導く物語。
「このサファイアは、どうしてココにあるのか」を知りたくなった瑠璃が、凪不在の中、伊万里・瀬戸と共に現場での調査と想像力を基にして、長い時間をかけて繰り広げられてきた地球のダイナミックな活動の一端を垣間見る。
2巻(190〜192P.)で「ナギさんはなんでちょっと見ただけですぐにわかるのかなぁ」と思っていたのに、とうとう同じような境地にたどり着いたのだ(感覚としてだけれど)。
「ずっと見ていたからだよ」という凪の言葉通りで、単にサファイアを見つけて終わりではなく、心のどこかに「どうして?」を持ちながら鉱物を見続けて来たからだろう。
繰り返しになるが、この「サファイア探求編」は本当によくまとまっていると思う。産地の地元の伝承とも絡められていて、完璧だ。
私も、いささかながら地学を愛好するものなのだけれど、他の図書等ではなかなか実感しづらかった地中でのマグマの挙動等が、漫画だからこそ出来るイメージ化の力で、「そういうことか」と感じることが出来た。
漫画と地学・地理学ってきっと相性がいいんだろうな。本作以外にも、この分野の作品が続くことを願いたい。難しいけど…。
Amazonのレビューでも散見するのだけれど、最初の頃にちょくちょくあったサービスシーンは、本当は不要だろう。
瑠璃のそういうシーンを見て興奮するのは、何か筋が違う気がする。
せっかくの好内容なのだから、そういった所を整えて動画工房あたりの製作でアニメ化したりしないもんですかね。「放課後ていぼう日誌」のように。
「宙のまにまに」とか「恋する小惑星」のような、ライト寄りな感じではなく、ガチな科学系女子高生ものとして。
まあ、でも、きらら系の1作である「恋する小惑星」も営業成績的にはパッとしないから、ガチな科学系女子高生ものでは爆発なのでしょうけれど。
連載誌「ハルタ」は構成が複雑。
毎号載るのと、年6回載るグループとに分かれ、後者は更に2つに分かれる。
「瑠璃の宝石」は年6回載るグループということもあってか、単行本はおよそ1年に1冊ペース。
今回、4巻を読めたのは嬉しいことだけれど、次の5巻は、また約1年後なのよね。
瑠璃が高校のどの学年なのかは明確には明かされないけれど、進路のことに関連して、今後、瀬戸と勉強会をする話から考えれば2年生っぽい。子供っぽい思考を考慮すると1年生と思えなくもないけれど、1年ではそれほど進路のことが身に迫って来ないだろうし。
そう考えると、瑠璃の進学が多分作品の区切りとなるのだろう。
瑠璃・瀬戸共に前芝大学に合格して、凪(博士課程か、大学の講師やってるかも)・伊万里(修士を終える頃?)たちと笑ってるくらいで終わるのかしらん。
となると、あと1〜2年のお付き合いかな。
長いような短いような…。
単行本が2冊出て、「全6巻完結」かなあ。
個人的に好みの作品は1年1冊ペースのものが多く、「ふらいんぐ・うぃっち」も「ハクメイとミコチ」も、単行本のお楽しみは概ね1年おき。
週間誌掲載の作品の単行本がガンガン刊行されるのを追いかけるのも辛いけれど、1年待たされるのも辛いものがある。なかなか、難しいねえ。
「ふらいんぐ・ういっち」なんて、物語の進み具合考えると、あと20年くらい必要な気もするけど、20年経つと私は古希超えてるもんね…。(^_^;
さて、そろそろ最新刊を期待したいのは同じく「ハルタ」で連載の「山を渡る -三多摩大岳部録-」かな。
前巻の刊行からそろそろ1年。単行本で「夏休み北アルプス大遠征」編が読みたいところである。