
そんな訳で、今回はkindleとは全然関係の無い、あんまり嬉しくはない話題です。
やっぱり幾つか四十を過ぎてくると、若さで補えていたであろう部分が、綻びて参りますね。
無芸大食な私なものですから、お酒なんぞは飲まなくても全然苦になりませんが、出来ればご飯は腹一杯食べたい。夏バテもクソも無く、年がら年中白米を食べたいんですな。決して上等なお米ではありませんが、様々なご飯のお供と共にたくさんのご飯を食べて来ましたよ。
そんな日々を過ごしている内に、すっかり尿が甘くなりまして。
それでも、病を得た端は、ちょっと節制すれば正常な範囲に戻れた筈なんですが、忠告•警告どこ吹く風と、相変わらず大盛りのご飯を食べていたら、限界点を超えてしまったらしく、掛かりつけの医者からは半ば匙を投げられてしまいました。
てな訳で、追加で新しいお医者に掛かるようになったらば、着々とお薬が増えて参りました。お医者曰く、「あー。いきなりガツンと血糖値下げると、眼に負担が掛かってしまうので、徐々にいきましょうや。まずは1つお薬の種類を増やしますから、処方箋持って薬局へどうぞ。忘れずに服用なすってくださいよ。では、またひと月後に」とのこと。
しおしおと調剤薬局に行き、受付に処方箋を出して待っていると、暫くして名前を呼ばれました。
「どうも、お待たせいたしました。本日のお薬はこちら。こっちは前と変わらないので、1日1回朝食後」
「はあ」
「で、今回から増えたこちらは1日2回。朝食と夕食のそれぞれ30分位前に服用してください。いいですか、『1日2回、朝食と夕食の前、30分位前に』ですよ」
「はあ」
「ところで、これまでに血糖値が下がり過ぎて倒れたりしたことってあります?」
「いやー、幸いにしてありませんね」
「これからは、場合によってはそういう事態が起こり得ます」
「そうですか」
「そうなったらどうするか、御存知ですか?」
「糖分を摂る…ブドウ糖が望ましいんですよね?」
「そうです、ブドウ糖です。ブドウ糖持ってますか?」
「前にどこかで試しに買ったような気もするんですが…。今は持ってはいないですね」
「じゃ、これ差し上げます。万一に備えて一服か二服持っているとよいでしょう」
「あ。ありがとうございます」
そんなやりとりをして、薬剤師の方はブドウ糖の粉末が入った白い箱をくれました。ほー、非売品ですか。これはありがたい。
でも、調べてみると、これは無料でもらえることが多いもんなんですね。へー。
「ところで、運悪く、ブドウ糖を持っていない時に低血糖になってしまったら、どう対処します?」
「んー、どうですかね。次善ではありますけど、飴玉かな。なるべく人工甘味料とかの少ないヤツですかね?」
「いやー、飴とかでも、無いよりはマシですが、ダイレクトに有効な量のブドウ糖って訳ではないので、時間が掛かっちゃうんですよ」
「そうですね」
「そう。ブドウ糖なんです」
血液中の糖分はブドウ糖。
それが、脳の主たる栄養源 - これは、習ったことがある。
「でも、肝心の粉末なり錠剤なりのブドウ糖が手元に無いんでしょ? じゃ、どうすれば?」
「いいものが身近にあります」
「え?」
「コーラです。コーラの成分表示に『果糖ブドウ糖液糖』ってあるでしょ。あれ、相当のブドウ糖ですから」
「あ。言われてみれば!」
「『赤い自販機』なら、割と身近にありますからね。でも、赤いコーラにしてくださいね」
「コーラはコーラでも、黒いコーラは人工甘味料ですもんね」
「そう。黒いコーラでは、こと低血糖にはほとんど効果がありません。助かりたかったら、赤いヤツですよ。500mlのペットボトルで、半分飲めばひとまず大丈夫でしょう」
「なるほど。切羽詰まったら赤いコーラを飲めと」
「そうです。黒ではなく赤いコーラですよ! 忘れないでくださいね」
「わかりました。よく覚えておきます」
赤いコーラね。勉強になるなあ。
「でもね、そんなことにも使えるってことは、逆に赤いヤツは普段あまりたくさん飲むべきではないってことでもあります。そういう側面も忘れないでくださいね」
「わかりました」
ということで、出掛ける時は個装されたブドウ糖粉末を御守り代わりに持ち歩く生活が始まりました。
でも、忘れちゃう時もあるでしょうから、そんな時は黒ではなく赤のコーラのことを忘れないようにしますかねぇ。
元はと言えば「自業自得」なので、病に対してどうのこうの言う気はありません。まあ、なっちゃった以上は、ぼちぼちと付き合っていくしかありませんなァ。
皆様も、こうならないようにお気をつけあれ。