野付半島から標津へと戻り、本日の第二の目的地「知床半島」へと向かいます。
道は標津の市街を抜けた所で、知床半島をショートカットして斜里町に向かう国道244号線と、知床半島の東側・羅臼へと向かう国道335号線に分かれます。私は右手の国道335号線の方へと進みます。
所によっては小雨模様の空の下を淡々と走り続けて、羅臼市街にたどり着きました。ちょっと残りの燃料の量が気になりますが、エコランに徹すれば網走迄は十分にたどり着けるでしょうから、そのまま知床半島東海岸の「普通に行ける最先端を目指すことにします」。
道道87号知床公園羅臼線を走って行くのですが、進むに連れてなんとも言えない景色になっていきます。

僅かばかりの海岸にへばりつくように番屋が存在し、それがほぼ途切れなく続いていきます。水産業に就く人達の、生活の厳しさを思わずにはいられません。
天候が悪く肌寒い日が続いたこともあるのでしょうが、まだ午後の早い時刻にもかかわらず、煙突からは煙が上がっている所も見掛けます。
途中、環境省の知床世界遺産ルサフィールドハウスに立ち寄ります。

「知床世界遺産ルサフィールドハウスは、知床半島先端部に徒歩やシーカヤックなどで行こうとする方々に、ルールやマナーのレクチャーを行うとともにリアルタイム情報を提供し、先端部での事故防止と環境保全を図ることを目的とした施設です」とのこと。
完全循環式トイレは凄いですね。
でも、トイレ以外にもお水は要ると思うのですが、そこら辺はどうなってるんですかね?


展示は先端部に行く人用のとても親切なものでしたけれど、これだけ見ても、まだ行きたいもんですかね?
私は、いいや。ヒグマ怖いですもん。それに険しい所は歩けないもん。
ルサフィールドハウスの先に看板があって、「ココから知床国立公園です」とあります。

なんか、感慨深いですね。
相泊という集落が、一応の最先端になります。この先は、道無き道を突き進むか、海路を行かないと、本当の先端部・知床岬には行けません。

行き止まり感が、本州の山岳部のものとは少し違う気がする。この世の果ての入り口みたいな感じ。たまらんですな。「この先、人外境」って感じです。

海の、すぐ先には北方領土・国後島。背後の山は名だたる秘境・知床半島の脊梁山脈。
海が荒れたら洒落にならんだろうし、雪が降ってもたまらない。真っ暗な晩は、心細かろうと思います。
でも、暮らしている人は居て、相泊温泉に入っていた内の半分くらいは地元の人だったみたいです。歩いて帰る人もいたようですからね。


入浴してみたい気もするのですが、今日の行程はまだまだ長いし、今回は後ろ髪引かれるのですが、パスですね。
もうしばらくここにいて、空想の世界を彷徨っていたい気もしますが、そろそろいかなくっちゃ。

羅臼の市街まで戻って方向を変えて、知床峠を越えることにしましょう。