今日(2020年9月25日)は、1日休暇を取りました。
午前中に持病関連の通院を2連発こなして、午後は映画三昧を目論んだのです。
「どうせなら大きなシアター(スクリーン)で観たいから」と「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の上映回を絞り込んだら、気になっていた「宇宙でいちばんあかるい屋根」が観れそうな感じ。
確か、いつものシネコンでは、来週の木曜(2020年10月1日)で上映終了なので、観られるのならば観ておきたい。サクッと、ネットからチケットを購入しました。
以下、いつものように、取り留めもなく綴っていきます。
そこはかとなくネタバレがあるので、「今は知りたくない」という方は、作品をご覧になった後で、また後日お読みくださいまし。
書いている内にどんどん伸びたので、今回の記事は少し長めです。
何も無しでは寂しいので、公式さん(https://uchu-ichi.jp/)のスクショを貼っておきます。
せっかくなので、「クラゲ水槽」の方です。
感想記事を投稿する時には、いつも、シネコンに掲示されているポスターなんかの画像を貼っているのですが、本作の場合見つられず、撮影出来なかったのです。
あれかな、新型コロナウイルスのせいで、上映スケジュールがグチャグチャなので、普段なら掲示されるのが、出来ないのかしら?
【配役、良かったです】
「主演が清原果耶」という予備知識しかなかったので、期待も何もなく、「観とかなくっちゃ」という思いで見始めたのですが、これが、大変面白かった。
どうでもいいのですが、当方、どうやら「清野菜名」と勘違いしていたようでした。まあ、年齢的に、清野菜名では、ちょっと中学3年生役はきついかな?
中学3年生といわれれば「うん、そうですね!」と思えたので、ヒロインは清原果耶でバッチリ。
芦田愛菜では、いろいろと整いすぎていて現実味がないけれど、清原果耶は現実にいそうなヒロインっぷりなので、よかったっすよ。
「背景になんやかんやある思春期真っ盛りのヒロインが、放課後に通っている書道教室のビルの屋上で出会った謎の老婆と交流していく内に、精神的に一回り大人に成長する」という、まあ、よくあるお話。
「ほほう」と思って調べたら、原作者は児童文学方面の著書もある方なんですね。それに、そもそも、原作の最初の出版はポプラ社か。だから、少しだけほろ苦くて、けれど、より良い未来を目指すっぽい、どちらかというと中高生向けと感じる、ほんわりとしたストーリーなんだろうな。
桃井かおりの味のある演技が「星ばあ」に実に妙な雰囲気を持たせていて、清原果耶演じるヒロイン・つばめの「思春期+バックグラウンド由来の暗い感情」を、優しく受け止めています。決して、急かしたりどやしたりせず、じわりと誘導して影響を与えるってのは良いですね。口は悪いけど。
個人的に桃井かおりは「不思議な魅力を感じるけれど、生々しくて何か落ち着かない」と思っていたけれど、歳をとって少し枯れてきたからか、本作の老婆役はなんだか素直に見られました。
この作品についてならば、作品の深さの65%は桃井かおりが支えていると思いますね。それくらい見ていて味わいのある演技でした。
ヒロインのお父さん役の吉岡秀隆・お母さん役の坂井真紀も、落ち着いた演技で、ヒロインを支えていました。この2人がいるから、ヒロインの悩み苦しんでいる姿に説得力がでるのだと思います。
ヒロイン・つばめが片想いしているお向かいのお兄さんの伊藤健太郎は、「今日から俺は!」で主役コンビの片割れをやってた子ですね。
どうでも良いですが、職場の後輩男子がほぼレプリカ状態にそっくりなので、画面を見ていて、なんというか落ち着きませんでした。肌が白いか焦げ茶色かの違いだけで、ホント、そっくりなんですよ。
書道教室の牛山先生役の山中崇といい、全般的に当方の好みの配役で、個人的には「上手くハマってる映画だな」と感心しました。
【こんなに違うの?】
あまりにも感心したので、帰宅して、即、原作を購入。冒頭をほんの少しだけ読んだら寝落ちしたようです。
翌朝、目覚めてから一気に読み切りました。
そこで理解したのですが、映画は、原作小説ををかなり変えているのですね。エピソードの順番を変えたり、強化してみたり、付け足したり、と。
個人的には、原作の方が、より淡々としていながらも深く、読後、爽やかに心に残ると感じました。
ただ、決して改変が悪い訳ではなく、「1本の映画として纏めるためにはああいう形になる」ということなのでしょう。
2時間の中で、インパクトのある山と谷を作らないといけないし、せっかくならばロマンスも取り入れたいでしょうからね。
そのためには、思春期っぽい両親とのキツメの対立も盛り込む必要もあるし、ご近所のトオル君と一緒に臙脂色の瓦屋根を探す必要もありますね。映画で付加された、「つばめの傷心を強く表す、東京の産みの母親を訪ねた帰り道のシーン」は、印象に残りました。
ただ、マコトくんの飲酒謹慎とかは無理して入れることもなかったのかもしれません。それと絡めれば、冒頭の「クソ○ッチ 裏掲示板騒動」も要らないかな。
そんなの無くても、物語はちゃんと進展するし結末も来る-だって、原作はそうなんです-のだから。
行間を読み、空気を読む。枯淡の域に進みつつある当方は、そう思いますね。
あと、映画だと、星ばあがつばめの妹に生まれ変わるような示唆があるのですが、あれはちょっと…。
「しっかり面倒見て、かわいがるよ」と言っていたつばめの妹の中身が星ばあってのは、ねえ。星ばあが亡くなって、そのまま消滅-人生なんてそんなもの-となるよりは希望が無くはないけれど。
まあ、考えようによっては、そこから、新しいつばめと星ばあの物語が始まるというのも、あるいは興味深いのかもしれませんけれど。
ということで、淡々と積んでいく原作と、メリハリの効いた映画。
どちらもとても面白いです。
映画を見た後で原作を読むのも良いし、既に原作を読んでいる人が映画を見ても良いと思います。
【主題歌・音楽もすごく良いんです】
映画の最後に主題歌(「今とあの頃の僕ら」)が流れるのですが、これが凄く良いのです。
これを歌っているのも主役の清原果耶なのですね。うーん、すごい才能だ。
最近は、上白石萌音といい、森七菜といい、若くて可愛らしくて、演技も上手くて、その上歌も上手な女優さんが多いよねえ。
YouTubeでミュージックビデオが視聴出来るので、是非どうぞ。
清原果耶 - 1st Single「今とあの頃の僕ら 」(Music Video)
https://youtu.be/UHgsxKnhSKs
MVは、映画本編と連動しているので、そこはかとなく映画の雰囲気も感じることが出来ますね。
「つばめと星ばあのお別れのシーン」とかも流れるのですが、3分41秒辺りの桃井かおり、ホントに良い表情なんです。
映画内では中学生らしい「前髪パッツン」だったのですが、MVの中ではちょっと大人っぽくって、なんか (長澤まさみ+松下奈緒)÷2 みたいに見えなくもない気がします。
当方は「あ、これ、買っとかなくっちゃ」と思って、即、CDポチりました。
どうせ買うのならば、ここは、件のMVが収録されたおまけディスクの付く初回盤ですよね。
そうそう、本作は劇伴音楽も素晴らしいのです。
映画が始まった直後からの、浮游感のあるギターのインストルメンタルが心地良いです。
画面は住宅街の上空を漂うように、つばめの家へと進んでいくのですが、音楽と相まって、観ている自分がクラゲにぶらさがって漂っているように感じました。
音楽を担当されたのは大間々昂さん。自分好みのアニメでは「城下町のダンデライオン」の音楽を担当されていたようですね。
あれ、最近AT-Xでやったような気がするな…。録画データ探してみようかな。本放送時の録画データもあるはずだけど。
Wikipediaで経歴を見たのですが、大間々さんはギタリストでもあるそうで、それが本作冒頭の漂うような劇伴に繋がっているのでしょうか。
それにしても、サントラが欲しいですねえ。でも、単体では発売されないんだろうなあ。
【おお、クラネタリウムだ】
作中で「星ばあ」がヒロインに連れて行ってもらう、水族館のクラゲの水槽。
「あれ? これはどう見ても新潟県の鶴岡市立加茂水族館のクラゲ水槽のうちの一つなんだけど」と思っていたら、やっぱりそうでした。
「星ばあ」の心の中が少しだけ見える大切なシーンなのですが、加茂水族館へ行くのって大変ですよねえ? ロケも大変だなあ。
でも、その効果がバッチリ出ていて、とても良い映像、そして良いシーンになっていました。
ここまで、さも、行ったことがあるかのような書きっぷりですが、当方未だ訪れたことがありません。(汗)
横は何度か通っているのですが、何処かへ行く途中だったり、逆に帰り道だったりで、なかなかタイミングが合わなくって。
【本の表紙のこと】
全部、Amazonのスクショで、申し訳ないのですが。
写真撮るのが面倒なのと、手元に無い品物もあるので御勘弁を。
↓これは↓自分も買った、Kindle版の表紙。
個人的には今のKindle版の表紙ではさっぱりし過ぎなので、文庫本版の↓コレが↓良いです。
「星ばあ」がキックボードで空を飛ぶというところよりも、やっぱりクラゲのイメージの方が適切な気がするかな。
なんとなく思春期を感じさせる↓単行本版↓
も、結構良いですよねえ。
【ラスト1】
最初は期待していなかったのでパンフレットのことなんて念頭になかったけれど、見終わったら欲しくなって売店に行ってみました。しかし「完売」の二文字が…。
諦めきれなかったので、近場で上映している所を探すと「イオンシネマ大高」がありました。「いつものシネコンよりは集客も大きいし、それなりに在庫あるやろ」と思って、帰途に寄ってみました。
幸いビニール袋でカバーされていて、客に直接触られていないし、ラスト一点ということならばやむを得ないということで買ってきました。
最近は新型コロナウイルスの影響で上映のスケジュールも入り組んでいて短いし、売り切れる程度の数量というのは適正在庫ではあるのでしょうけれど、買う側からすれば、もう少し多めに仕入れておいてほしいなと思いますね。
そういえば、いつものシネコンでは「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のパンフレットも完売になってましたね。
ロングランした「君の名は」「天気の子」は、上映期間中に別バージョンのパンフレットも出しましたけど、「ヴァイオレット~」ではそこまではいけないかな(※)。
「欲しい時に欲しかった人の手に行き渡らない」って、作品にとっても、相当な「機会のロス」だと思うのですけれど。
※:公式ツイッターによれば「増刷対応中」だそうです。
ついでに、松竹の公式通販サイトで劇場パンフも買えるんですね。最近、知りました。
上の方で書いた、いつものシネコンでは品切れ中だった「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のパンフも、手に入るようでした。
【予告編を観る限りでは】
ヒロイン・つばめを演じた清原果耶は、この後公開になるアニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」でヒロインの声を当てているんですね。
「ジョゼと~」は昔実写映画化されています。個人的には、ヒロインを演じた池脇千鶴が一時的に失速した原因だと思っているので、良い印象が無いタイトルなのです。そもそも田辺聖子先生の小説とか、好きじゃないしねえ。
でも、今回のアニメ映画の予告編を観る限りにおいては、そんなに悪くはなさそう。清原果耶も、結構上手に当てているように思えました。昨年の今頃にみた「HELLO WORLD」の浜辺美波とは、随分違うように感じました。
割引クーポンも溜まっているし、観に行ってみようかな。
そうそう、今秋の映画としては、実写版「とんかつDJアゲ太郎」も個人的に興味深いっすよ。程良く控え目なナンセンス作品って、好きなんです。「結果も出しているし、間違ってはいないんだけど、何か斜め上な発想」って、好きなんですよねえ。
最近読んだ中では「パリピ孔明」が「とんかつDJアゲ太郎」に近いかな。このマンガもオススメです。kindle版の3巻が待ち遠しいです。