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2014年10月19日日曜日

「Kindle買ってみた。」その4


 前回は、「天文台日記」「あと千回の晩飯」を読んでみた感想について書きました。いずれもテキストデータとなっているものでした。その為、表示のフォントの種類や大きさを変更することが可能でした。

 サイエンス・アイ新書の「数字のウソを見抜く」というコンテンツを購入してみました。
 本当は店頭で見かけた別の本が欲しかったのですが、新しいものだったせいかkindle版が無く、「数字の~」を購入したという、かなり消極的な選択です。

 こちらも、最初は等倍で見ていたのですが、ちょっと読みづらいなと思い、メニューからフォントサイズの変更を探してみたのですが、該当するものは見当たらず。とりあえず画面をダブルタップしてみたら、ポンと拡大されました。よくよく見てみると、文字の端っこが「シャギシャギ」している感じがします。



 そうかと思って、画面をダブルタップしてみると、ポンと元の大きさでの表示に戻ります。その画面では、特にシャギシャギは感じません。



 ということは、テキストデータ+αとして構成・配信されている訳ではなく、画像か解像度のステップが限定されたPDFかXDWっぽいものではないかと思えます。なるほど、だから表紙もちゃんとあったし、挿絵などの画像も普通に散りばめられています。本文と挿絵の位置関係等に拡大・縮小等による変化が見られません。

 つまり、自分で本を解体しスキャナで電子データ化する、いわゆる「自炊」とあまり違いがなさそうです。
 でも、自炊と根本的に異なるのは「自分で作業しなくてもよい」という、簡単ではありますが重大極まりないこと。

 自炊してみたことのある人ならば「分かるよ」と同意してもらえるのではないかと思いますが、実際に作業してみると、その面倒くさいことったらありません。
 単に、普通の本を対象として、背表紙の境目辺りで裁断し、スキャナで読み込むだけならば簡単と言えなくもないのですが、現実はそんなに簡単ではありません。よくある中綴じ(※)の雑誌等の場合は、綴じている針金等を予め除去しておかなければ裁断機の刃を痛めてしまうことがあります。刃その物も徐々に摩耗して切れなくなっていきますし、刃を受ける「盤木」等と呼ばれる部品も消耗するのでメンテナンスが必要です。工夫しても、紙は歪んでしまいやすいので、どうしても形が少し整わないこともあります。
 裁断した紙には細かな紙の屑がまとわりついて、スキャナの読み取り部を汚し、場合によってはスキャンした成果の画像にも影響を与えることがあります。スキャナの紙送り機構の部品も消耗品です。
 そうした器具や機器等の「面倒」に、画質調整やまとめ直し等、取り込んだデータの処理、最後にどう出力するかまで、「自炊」には「面倒」が無くならないんです。

 それに対して、販売されている電子書籍としてのスキャンデータ的なものは、自らが手を汚す実働が全くありません。
 調整された後の成果物を、労無くして入手出来る価値は大きいですね。


 ということで、テキストデータ+αとして配信される電子書籍に比べれば、若干不便な部分もありますが、画像的にに配信される電子書籍にも書籍としてデザインされた時点での紙面の構成を崩さない等の利点もありますから、どちらが良いという訳ではなく、どちらでも、電子書籍として存在すること自体に意義があるのではないかと思います。

 「kindle(というか「電子書籍そのもの」)も、なかなかどうして、悪くないなあ」という気分になって来ました。

 そんなことを思いつつ、ふと他の端末での様子をみてみると、更に「なかなか良いじゃないか」と感想が変わりました。

 以下、次回へ続きます。


 ※ 注記:

 「中綴じ」というのは、週刊誌等の雑誌によくある、印刷した紙が二つ折りになっていて、ホチキス状の金属で綴じられているスタイルのことです。