「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観てきました。
封切りの日と今日(2020年9月25日)で、合わせて2回です。
本当は、封切りの日にまずは感想を書いておきたかったのですが、どうしてもうまくまとめられなくて。
2回目を観終えて、少しだけ落ち着いたので、ちょっぴりですが書いています。
そのため、いつも以上にまとまりがありません。
【まとまりの無い感想ですが…】
考えないようにしているけれど、やっぱり、考えてしまう。
「今の京都アニメーションの答えがこれなんだろうな」と。
「作品の解釈に時代性・話題性を持ち込むのは、あまりよくない」と学生の頃に教わったけれど、なんといっても、この作品の作り手達は「当事者」なのだから。
どうしても様々なことを投影してしまいます。
作品の存在自体は、KAエスマ文庫での刊行開始の頃から知っていて、かなり早期に書籍(原作ですね)も買っていました。
買いはしたものの、私「ハッピーエンド至上主義者」ですから、悲しい物語っぽいこともあって読みませんでしたし、その後のテレビ版も観てはいませんでした。Blu-rayも買ってはいないんですよね。録画データは、家のどこかに有るはずですけれども。
そんな訳で、自分は昨年観た「外伝」からの組なのですけれど、あれも実をいうと「寿美菜子さんが、ゲストヒロイン役で出演しているから」というのが、鑑賞に出かけた理由の内のそこそこの部分を占めていまして…。
あの「外伝」は、もちろん、全体を貫く「イザベラとテイラーの『姉妹の物語』」も良いのですが、前半の全寮制上流階級向け女学院でのお話も大変良かった。まるで姫騎士のようにイザベラを守り導くヴァイオレットの姿、それはそれは美しかった。
前半クライマックスの舞踏会デビューのシーンは、見惚れたことを思い出します。
話が逸れてしまいましたね。
本作は、一応、主たる物語に決着をつけるもので、本来ならば、テレビシリーズ完結後に適切なタイミングで製作・上映されるべきものであったと思います。そうすれば、もっともっと感動は大きかったのかもしれません。
でも、諸々の事情から、少し間が開いてしまった。
しかし、それによって、むしろ、独立した1本の映画としても、含まれるメッセージが広がり、強まったのではないかと思います。
あらすじは、公式(http://violet-evergarden.jp/)等で御覧いただきたいのですが、突き詰めれば、本作の主題は、
具体的に表現しなければ、明確には伝わらない。
伝えたいと思わなければ、伝えられない。
伝えたいと思った時に伝えないと、手遅れになってしまうことも多い。後悔したくなければ、時を逃さずに伝えなさい。
ということになるのではないかと思います。
ちょうど、ユリス少年とのやりとりで触れられた内容です。
いろんな作品で何度も使われた主題なので、改めて新鮮な驚きのある物語ではないのです。
しかし、丁寧に積み重ねたことによって、心に染みるものになったのではないかなと思います。
あの時に「少佐」が伝えてくれた「想い」の意味を知るために重ねた日々、そして、「ヴァイオレット自身が『変わった』ことの価値・意味」の大きさ。
彼女がゴールに辿り着くことを支えた「一途に想う心の美しさ・気高さ」も、観る者の胸を打ちます。
残念ながら、途中から観ている人なので、これ以上細かにどうのこうの言うことは出来ないのです。
うん、とても良い映画でした。
ベタな感想ですけれど。
これでは感想文以下ですけれど、最初から最後-エンドロール、エンディングテーマ曲-まで、すべてが渾身のメッセージであるものを、サラサラと綴って伝えられるものではありませんから、致し方ありません。
それに、枝葉末節をいじくりまわしてみたとて何にもならない。それくらいの出来上がりだと思うので、現時点ではこれ以上書くことがないのです。
【「客の入り」のこと】
封切りの日はすごい人出で、久しぶりに映画館が賑わう所を見ました。
それに比べて、2回目の今回(2020年9月25日)は、公開2週目に入った平日、しかも、中途半端な時刻の上映だったからか、客数が少なかったです。どう大きく見積もっても、50人まではいかないような。
大きなシアターが割り当てられていたので、客の少なさが尚更感じられてしまいました。
基本的には、「どの映画も、すべて映画館の大きなスクリーンで観るべき」と思いますが、そうはいっても各人の時間やら場所やらの都合もあるので、実際に見ることのできる映画は限られますね。
でも、本作は絶対に映画館で観ておくべきです。これは、自宅のテレビで見て「良し」とすべきものではありません。様々な「水のシーン」の美しさは、絶対的な大画面で観ておかないと、もったいないですよ。
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【越えられない先人の壁?】
不謹慎かもしれませんが、 美少女-保護-育成-成長-思慕 という流れを見て、私の脳裏には「源氏物語」のヒロイン「紫の上」が浮かびました。
「育成」という概念に1000年も前に到達していた紫式部の恐るべき慧眼に、驚嘆して言葉をなくしてもいます。(←大袈裟)
え?「お前は、何を言っているんだ?」ですって? 本作を見れば、分かりますよ。
あれだけ慕ってもらえるのなら、少佐も、本望でしょう。
という訳で、この点でも、是非是非「劇場へゴー!」ですよ。
【KAエスマ文庫って難しいよね】
ところで、「本家・京アニショップなら買えるだろうから、余裕っしょ」と思っていたのですが、当の京アニショップでも「外伝」以外の原作本が在庫切れなのですね。
うーん、イロの付け方に疑問を感じたので、今回は転売屋さん達からは買いません。その内に、補充されるのを待ちます。
それにしても、劇場版が公開されるのですから、もう少し在庫を潤沢にしておいて欲しかったですねえ。
「KAエスマ文庫」は取扱店も限られるし、そもそも部数刷らなさそうだし、なかなか難しいですね。少し前の作品だと、古本でしか手に入らないんですよね。
今回、ちょっと欲しい物があったので京アニショップの通販を使ったのですが、「ある時に買っておかなければ」ということで、「外伝」の他に「ロボット・ハート・アップデート」シリーズとかも買っておきました。
でもなあ、「ロボット・ハート・アップデート」って、確か過去にも買っているような…。
京アニショップのマイページで観てみると、2016年の購入が最初の履歴だったようですが、それ以降の全購入履歴を見てみても「ロボット・ハート・アップデートシリーズ」は見当たらないんです。他にも何点かKAエスマ文庫の本買ってるはずなんだけどなあ。アカウントが違うのかしら…?
とりあえず、本格的に秋になり気候が良くなったら、在庫を発掘してみます。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の上下巻は、多分2セットはあると思います……。見つけたら、映画も観たことだし、そろそろ読んでみようかな。
読まないと、どれくらい原作と差異があるか分からないし。
差異が判明しないと、この作品に込められた京都アニメーションの意図が読み解けないでしょうからね…。