「東北」と言っても涼しい訳ではなく、「名古屋よりも割とマシ」という程度。夏だから、まあ、そんなもんか…。
暑さに心が折れそうになったけど、せっかくここまで来たので、覚悟を決めて「弘前城本丸石垣修理事業」の夏の現場見学会に行ってきた。
今、車に戻ってきてエアコン全開で涼んでるとこ。
現場見学会は、
①石割体験 ②石垣積直し工事現場説明 ③裏込石へのメッセージ記入 の3つからなるイベント。
クソ暑い中石割り体験する気にはならなかったので、②と③をやってきた。
メインは③だったので、受付で参加したい旨を告げる。「どこから来たか」に回答すると、早速、メッセージ記入用の石を選ぶ所に案内される。
ボカシ→消しゴムマジックの為、謎空間が発生中。
サンプルの中から好きな石を選んで、メッセージを記入すると、それを裏込め石として埋めてくれる。
なお、本人・家族の名前等は削除しております。
いい歳のオッサンなのに、筆跡が中学生の頃から進歩のない状況なので、恥ずかしい…。
天守閣自体の耐震化と、石垣に天守閣の荷重が直接掛からないようにするため(※)、天守閣の下には耐圧盤を構築し、それを長さ35mの場所打ち杭4本で支えるのだそうだ。
写真真ん中の奥に見えているコルゲートパイプは、場所打ち杭打設用。杭打設→耐圧盤構築→天守閣移動は、来年度予定とのこと。工期は、最初からだと約11年か。長いなあ。
自分の裏込め石が、この現場の何処かに埋まるのかと思うと、胸熱ですな。
意地悪く「今回修理した訳ですけど、何年くらい持つ想定ですか?」と聞いてしまった。そしたら、「僕ら、『何年』とは想定してないんですよ。『少しでも長持ちしてくれたら良いな』って思ってやってます」と、素敵な笑顔で答えてくださった。
裏込石にも書いたけれど、本当に、長持ちしてくれることを余所者ながらお祈りしている。
ヘルメットに被せる津軽家の旗印入りのカバーが良いですな。雑兵になった気分。
この卍は、弘前市の市章としても知られてますな。
ごく最近まで、現場に携わっていた者としては、場内のあれこれが気になる。
足場もきれいだし、良いですなあ。
足場の昇降階段を昇り降りすると、なんか懐かしい。
前の見学者がガンガン頭ぶつけてたけど、こういう足場(階段含む)は猫背姿勢で通ると、いいんですよ。豆知識ということで。
それにしても、他人の現場を見るのは、気楽で良いですな。
「秋にもイベントをやる予定です。よかったらご参加ください」と案内があった。
また来ることにしよう。
現場からは以上です。
※:
石垣が崩れるのは、上からの荷重と、内部に浸透した水の排出不良が主な原因。
なので、上からの荷重に対しての抜本的対策として、天守閣の下に杭基礎を設けて独立させるようだ。
今回修理している部分は「打込み接ぎ(うちこみはぎ)」という積み方で、大きな石と石の間に隙間があり、排水はそれで出来る。