先日誕生日を迎え、また1つ歳をとった。
まあ、まだ「アラフィフ」側なので、安心だけれど。
これまでは、当たり前のように「歳をとるというのは『成長』だ」と思っていたのだけれど、五十代にもなると、成長などではなく劣化・老化なのだなと思う。
これまで大丈夫だったことがダメになり、出来ていたことが出来なくなる。毎日、新たなる自分の劣化を味わい始めたところである。
さて、もともと、服には興味も関心もあまりなかった。裸では生きられないから服を着ているだけで、なので、デザインとかよりも、「吸湿速乾」とか「保温性能が高い」「風を通しにくい」等々、機能・性能を重視している。
そんなタイプの人間にとって、UNIQLOは案外興味深い製品が多く、気になる存在だ。
エアリズムやヒートテック等、インナーはこれまでもちょこちょこ買って着ていたし、フリースのジャケットも、高価な他のメーカー・ブランドのものよりも気を使わなくて済む分、長年愛用している、
それに、旅先で手軽に「いつもの衣料」が買えるというのも良いところだ。そこそこの規模の町には、UNIQLOの店舗があることが多く、いつも着ているインナーと同じ物が買えるのは便利でいい。
今、北海道周遊の車中泊旅の真っ只中なのだけれど、自宅付近ではスケジュール的に間に合わなかったので、通販した品物を途中のお店で受け取りしたし、別途、足らなくなったTシャツを買ったりもした。
足らなくなって困ったと言えば、下着とズボンだ。
慌てて出発したこともあって、下着とズボンが着替え1回分と最低限度しかなく、「どうしたもんか」と。
店舗受け取りした時に、イオンモール盛岡南店の店内で見かけたら安くなっていたので「エアリズムメッシュシームレスボクサーブリーフ/前閉じ」を何枚か買った。
不摂生な生活をしてきたので、当方、樽体型のため、普通のサイズの既製品ズボンはフィットせず、選べなかった。しかし、最近は加齢と伴にサイズが小さくなってきており、伸縮性のあるタイプのズボンならば履けなくもない気がして、一般店にある最大のサイズの物を買ってみた。「サイズが合わなくて失敗したとしても、まあ、さらに年取って痩せてから履けばいいか」と思えたし。
ということで、期間限定で安くなっていた「ウルトラストレッチドライEXジョガーパンツ」のXLを、通りかかったフレスポ中標津店で買った。
さて、その後道内をふらふらし、すっかり髭も延びたので、髭を剃ってさっぱりすべく、風呂に入ろうと道内ではお気に入りダントツ1位の「道の駅 かみゆうべつ温泉チューリップの湯(「北の道の駅」の紹介ページ)」にやって来た。
着替えを手提げ袋に入れて、車を降りる。
「大人一回650円はちとお高い。500円だと嬉しいな」とは思うけれど、慈善事業でやっているのではなく、施設を維持し人を雇用するための利益を出さなければならないのだから、まぁこんなものなのだろう。おかげで、開業以来結構年月が経っているのに、手入れが行き届いていて綺麗だし、スタッフも親切だ。納得、納得。
いざ、入浴。
難しいことは分からんけれど、ここのお湯は浴槽につかると肌がなんとなくぬるぬるする。
他にも同じような性質の温泉はあるのだろうけれど、個人的にはここのお湯が1番好きだ。天然由来の温泉の場合、「全く同じ」ものは無く、そもそも、他で「この湯」には入れないけれど。
営業開始から早々の時刻ということもあって、洗い場もガラガラ。のんびりと心ゆくまで髭を剃り、洗髪をする。
ここは、洗い場周りのまとめ方(鏡の位置、棚の高さ・幅、床から1段上に洗面器を置ける棚がある、排水溝も適切・仕切り板もちゃんとしている。カランもシンプルで扱いやすい。床の水勾配がちょっと緩いのだけが、やや気になるくらい)が上手く、何をするのも楽ちんでいい。
すっきりしたあとは、数日間の運転の疲れを癒すべく、いつもより長めに湯舟に浸かる。
肌のぬるぬる感を楽しみながら、ゆるゆると。
滅多に来られる所でもないしねえ。
心なしか、ここ半年以上悩まされている五十肩も楽な気がしないでもない。
ほかほかに温まって、脱衣室に戻る。
ロッカーの扉を開け、体の隅々まで乾いたタオルで拭きながら、着替えを取り出して順番に服を着ていく。
パンツはUNIQLO。インナーシャツはUNIQLO。その上のロングTシャツもUNIQLO。ズボンは買ったばかりのUNIQLO。
靴下はUNIQLOのものではないけれど、それ以外はUNIQLOの衣料を身に付けている。
ドライヤーで髪を乾かそうと洗面台の鏡を見たら、上から下まで全部UNIQLOでまとまったおじさんが写っていた。
うん、なるほど。「ユニクロおじさん」爆誕だ。
そういえば最後に羽織るウィンドブレーカーもUNIQLOだな。完璧だ。
まぁ、いい年になったのだから、そろそろそれなりの服を着たほうがいいのかもしれないけれど、怪しいおじさんには、こういうのでも十分である。
天気予報によると、今夜の北海道は大荒れなのだとか。道央以北では初雪になるかもしれないそうだ。
今夜、どこで寝るかはまだ決めていないけれど、愛用のUNIQLOのフリースに、UNIQLOのウィンドブレーカーを着込んで、暖かくして眠ることにしよう。
足元の寒さ対策は、使い捨てカイロとブランケットかねえ。
〈余談〉
昨日の夕方、チューリップの湯について、晩ごはんを食べようとして、駐車場にクルマを止めてレストランへ向かって歩いていたら、どこかで聞いたような大声が聞こえてきた。
この道の駅には隣接して鉄道資料館と旧中湧別駅の遺構の一部があり、ちょっとした施設になっている。
それを見て「おいおいおいおい、聞いてないよ、こんな施設があるなんて。ちょっとちょっとすごいじゃないの〜」等と話しているようだ。直接顔を見た訳ではないのだけれど、「あれだ、こりゃあの人だわ」と脳内に答えを得た。タレントの石原良純氏だ。横にいるのはマネージャーさんなのかな。それにしても、氏は結構背が高くてがっちりしてるのね。
建物の入口で一緒になり、私はロビーでチラシやパンフレットを集めていたのだけれど、彼らは入浴施設の受付のところで「おー、温泉かあ。良いねえ。でもなあ、これから講演会なのに、一風呂って訳にもいかないし…。明日は10時からやってるの? じゃ、明日、帰る前にでも来るか」等と話していた。
レストランの17時からの営業開始には少し早かったので、駐車場の車へ戻って調べてみたら、なるほど「令和6年度第48回湧別町民大学」の第3回目の講師として石原氏が招かれており、「石原良純流人生の楽しみ方 」という演題で講演するのだそうだ。
本人さんを知っている訳ではないけれど、この人は屈託のなさそうな所に好感が持てて、嫌いではない。
講演会には町外の人でも参加できるそうなのだけれど、事前の申し込みが必要とのこと。空きさえあれば飛び入りでも見させてもらえそうだけれど、どうだったんだろうか。どんな楽しいお話が聞けたのか、ちょっと気になるところである。
知ってたら、絶対に申し込みしたんだけどなあ。いつ、どこに立ち寄るか決めてない、気まぐれ車中泊旅行ではどうしょうもないやね。