これで、ひとまず妄想を綴る記事は最後です。
いろんなところで、妄想の輪を回しております。
もしかすると内容がダブってしまっているかもしれませんが、そこは、ばらばらの日記メモからまとめる宿命ということで御寛恕くださいますように。
ネタバレがあります。
映画を未見の方は、本記事はお読みにならない方がよいと思います。
あくまでも、私個人が、「劇場版」と「テレビシリーズ」を見て感じたことをまとめたものですので、誤認や知識不足があると思います。御容赦くださいませ。
今回は雑多な内容なので、まとまりがありません。
それなのに、最後なので長文です。
ごめんなさい。
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【今までとは違う】
少佐に抱き止められて、少し安堵したような表情をする幼いヴァイオレット。
きっと、これまでとは違う何かを感じたはず。
純粋に抱きしめてくれた人は、居なかったのかもしれませんね。
そして、それが、「今」につながるのですね。
【二度目の「はい」】
ブーゲンビリア家の船の上でのやり取り。
二度目の「はい」のところで、ヴァイオレットの視線が下を向くんですよね。
「あれは、なんでかな?」と思っていたのですが、大佐の言葉への同意があるのかなと思うようになりました。
大佐の「話したいことも」への同意なのでしょう。「最後の話の続きがしたいです」と繋がっている自分自身の「話したい」という思いと、大佐の「話したい」という思いに、同じものを感じ取ったのではないでしょうか。
だから、一度目の時とは違い、「頷いた」というわけではないのでしょうが、顔が下を向いたのかなと思います。
表情も、一度目とはきっと異なっていると思います。
一度目の「はい」は、どちらかというと大佐の悔やみの言葉への対応だから、そこに感情は込められない。相槌としての「はい」かな。
【唇】
「この次にリュカへの手紙を書こう」と約束した時の発作で、ユリスの容態は決定的になります。
その後の看護師さんとの立ち話の時にも「あとはいつになるかという、時間の問題だ」と言われたのだと思います。
その発作以降、ユリスの唇にはカサカサに荒れた様子を示す毛羽が描かれますね。あのあたり、クドい説明はしない代わりに、わかる人にはわかる描写だと思います。
【先生はお元気ですか?】
ホッジンズ社長をカマキリで驚かせた少年達が、門の所でヴァイオレットとやり取りをする場面。
「前足が」~「右の目も」~「先生はお元気ですか?」に続く、涙を浮かべたヴァイオレットの表情。
ここは、「生きておられた」ということを、心の底から実感するところ。
ほっとしたとかどうとかではなく、心の底からの「よかった」という想いの現れだと思います。「二度と会えないかもしれない」と思っていた人が生きていてくれたことの、なんとありがたいことか…。
大喜びするよりも、心にしみる表現だと思います。
ここでの想いは、灯台の最後のシーンである「私には、もう、それだけで十分です」に繋がると思ってます。
【皆さんの先生なのですか?】
「皆さんの先生なのですか?」というところは、もしかすると、「先生」という仕事が、ギルベルトに本当に向いているもの(=天職)だと思っているところなのかもしれません。
かつて自分を教え導いてくれたことと、重ね合わせているのかな、と。
郵便社を辞めて島へ渡った後、ヴァイオレットは郵便局の業務を受け継ぎ、ギルベルトは引き続き先生を続けたのでしょう。
町の郵便局の庭木と、学校の門に、元はヴァイオレットの物だったであろうリボンが結ばれているのを見ると、2人のその後に思いが少しだけ及びます。
【歳月と共に】
デイジーがエカルテ島を訪ねた際の1カット。
少佐の人力ロープウェイが背景に見えてるんですね。
撤去された様子は無いので、今でも使われているのでしょうか。
もう、ヴァイオレット達は世を去っているのでしょうけれど。
時を経て、風景の中に溶け込んでいるのですね。
2人にも、時の流れと共に、いろんなその後の物語があったのでしょうね。
【すまなかった……。さようなら…。】
ヴァイオレットからの手紙を読んだギルベルトへ言葉をかけるディートフリート。
その回想の中の優しい微笑みが、兄の受け取ったギルベルトの真の姿なのでしょうね。
嫌な(鼻持ちならない)態度をとっている自分にも、フランクに接した心優しきギルベルトへの謝罪。
その上で、罪滅ぼしではないんだけれど、これまでギルベルトが甘んじて受けていてくれていたことへの恩返しということなのかな。
ユリスがシオンに真意を伝えたように、ディートフリートも、真意を伝えて、清算したということなのかな。
【「想いが届いた」ということ】
浜辺での告白。
ヴァイオレットを抱きしめたギルベルトの掌から、ギルベルトに宛てたヴァイオレットの最後の手紙が離れ空へと舞い上がっていきます。
その後、テレビシリーズ第1話で包帯に包まれて書いていたヴァイオレットの最初の手紙も、舞い上がり飛び立ちます。
月光の下、2通の手紙は1つになって、高く高く舞い続ける。
未だ、「想い」を、「想いを伝える」ということを知らなかったヴァイオレットが、それでも「少佐に、何か伝えなくては」と一生懸命に書いた「状況報告」。
そして、「少佐を愛しています」と自分の心を綴った「手紙」。
その2つが最後に1つになったということは、ヴァイオレットがずっと抱いていたギルベルトへの想いが、形になって、相手に伝わりきったということを表しているのでしょう。
【素直な気持ち・本当の想い】
素直な気持ちを伝えられないのは、ずっと見てきたデイジーも同じでした。
ヴァイオレットの生き様を辿って、デイジーにも「想いを伝えること」が届いたのでしょうね。
「あいしてる」
たった5文字なのです。
けれど、その5文字には、相手への様々な想いが込められるのですね。
慈しみ・愛しさ・喜び・感謝…。
相手を思う心を込める言葉。
大切にしたいですね。