ふう。
やっと、昨日(28日)で2021年の勤務が終わりました。
とは言うものの、年明け早々に1本大きな案件を送り出す為にお仕事を持ち帰ってきてますから、あんまり年末年始の浮かれた気分は無いのですが…。
さて、2021年も残すところ3日間。
残り時間があまりないので大して記事を上げられませんが、どうしても今年の内に上げておきたいこともあるので、出来るだけやっていこうと思います。
まずは「ARIA THE BENEDICHIONE」の感想から。
本作の封切りは12月3日でしたので、今更感が強いのですが。
でもねえ、封切りの翌日から書き始めて、その後、「映画の内容について」と「見てからの自分の思い」をずーっと考え続けていたんですよね。なので、時間かかっちやったんですよね。
幸い、年末年始を挟んでまだしばらく上映が続くので、未見の方は是非是非御覧くださいませ。本文中でも書いていますが、過去シリーズを見ていない方でも、まったく問題ありませんよ!
あ、本文にはネタバレを含みますが、観賞には影響は無いと思います。
だって「磨り減らない物語」ですもの。
前作「ARIA the CREPSECORO」についての記事はこちらです。
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そういえば、前作の記事も、作成→公開まで3か月かかってるんだよなあ…。
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見たい映画の封切り日には、万難を排して休暇取得です!
今日(12月3日)は楽しみにしていた「ARIA THE BENEDICHIONE」の封切り日ですから、当然、休暇で朝から見にきました。
残念ながら、私自身はこれまでの「ARIA」シリーズと接点が無く、リアルタイムで視聴していません。前作「ARIA the CREPSECORO」で初めて作品に触れました。
少し前に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」関連の余談記事でも書きましたが、前提となる知識があった方がよい作品は、本当ならば初めから見て備えておくべきだとは思うのです。
とはいうものの、本作(「ARIA」)はアニメ化第1期から16年、テレビシリーズ3作・OVA・劇場作品と膨大。それに、ドラマCDに、そもそもの原点である原作コミックも含めれば、短時間にどうにかできる分量を越えているので、諦めています。
すべてを味わうのは、定年退職後のお楽しみに取っておくことにします。(←そう遠い未来の話ではないのです)
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あ、我慢できずに原作コミックスを読み始めてしまいました。
その内、過去作も全部視聴しそうです。
Blu-ray Boxとかまで、突っ走る可能性大です。
【気持ち良く泣けるのです】
ということで、繰り返しになってしまいますが、本作の主役達のことを細かに知っている訳ではないので、見たとおりの印象しかないのですが、もう、涙腺の崩壊を食い止めるのに困りました。
何故、前知識無しの私が、そこまで泣いたのか?
それは、本作は(前作もですが)「人の成長の物語」だからなのだろうと思います。
ヒロイン(いや、出てくるみんながヒロインなのですが)・藍華(あいか)の憧れる「未来」。夢見る未来に比べた時に感じる「今の自分の未熟さ」。
目を背けたい「憧れと現実のギャップ」の大きさ、そしてその上に「自分の家の持つ伝統の重さ」が加わって、挫折しそう。
そんな藍華を、一歩引いて見守り導くもう一人のヒロイン・晃(あきら)。宝塚の男役のような麗人です。
晃は藍華の家が経営するゴンドラ観光会社を代表するスター水先案内人。
ぱっと見には「才能ある優秀な水先案内人」と捉えられていますが、本当は努力の意味や価値をとてもよく分かっている「頑張り屋」。だからこそ「才能を持っていない」と悩んでいる愛華の悩み、そして苦しみを理解できる人です。
本作以前に語られた様々なエピソードが2人の間の深い関係を作りあげているのですね。晃のフラッシュバックシーンでこれまでの2人の物語が挿入されるのですが、1つ1つが大切なものなのでしょう。
家出した藍華に一晩中付き合う晃。
翌朝の、晃から藍華への励ましに込められた深い深い優しさ。
あのシーンでまずは涙腺が緩んでしまいます。
私思いますに、この世の中、8割位はまあ普通の人であって、だから、藍華と同じように「私には才能なんて無い」と思うような人が大多数だと思うのです。
そんな「普通の人」に、晃さんの励ましの言葉はとても響くと思うんですよ。いや、私自身は「努力を惜しむ人」なので、響くというか、耳に痛いというか、羨ましくなるというかですが……。
「平凡な毎日の努力を積み重ねていけば、それは、いつかその人だけの『非凡な物語』になる」なんて言われたら、そりゃ、グッときますよね。実は頑張り屋の晃さんのいうことだからこその重みがあります。
その後「うるうるうる」っと、我慢しきれずに涙腺が緩むのは、藍華のプリマ昇格試験のラストのところ。
ずっと頑張ってきた藍華が、自らの努力で夢の扉をこじ開けたこと。
そして、かつて自分自身がプリマ昇格試験合格の時に藍華の母であるクイーンに答えたのと同じ言葉を、はからずも藍華が自分に向けて発したこと。
それは、見守り続けてきた晃にとって代え難い喜びであり、幸せであったことでしょう。
「生みの母より育ての母」等と言いますが、晃にとって藍華は「娘」のような存在になっているのでしょうね。親子のような姉妹のような、大切な関係なのだと思います。
あの結末は、何度見ても涙が抑えられません。
派手なことしてるのでもないのに、シンプルな音楽に支えられて、「物語の力」が涙を連れてきます。
なので、サントラ買って「まずはこれから」と思って聴いたのが「冬の世界~Fiocco di Neve~」という、そのシーンの曲でした。
本当にシンプルな曲なのに。なんだろう、あの破壊力の高さは。
私も、すっかり泣き虫セレナーデにされてしまいました。
「劇場でずっと見ていたい」「このシーン、終わらなければいいのに」「エンディングが来なければいいのに」と思うなんて、これまでにほとんど無かったことですねえ。
【そして「磨り減らない物語」】
私事で恐縮ですが、実は先々月(10月)から物凄く本業多忙で、結構残業が続いてます。
本当は年末年始も出勤したいところなのですが、さすがにそれは堅く止められました。
そんな中、毎週金曜日だけは残業せずにいつものシネコンに通ってます。
この記事をまとめている時点で、4回見ました。
上映スケジュールにも助けられて、ありがたいことです。
そうして、4回見ても、新たな気持ちで物語を味わうことが出来ています。
さすがに、初見の時の強烈なインパクトは薄れましたが、代わりに感慨が深まってる気がします。ストーリーがわかっている分だけ、落ち着いて受け止められるかな。
たぶん、この先も何度も繰り返して見るのでしょうが、何度見ても飽きずにウンディーネ達の物語を、水の惑星・アクアでの物語を味わうことが出来るのだろうなと思います。
激しい刺激に満ちた刹那的な作品には無い、ゆったりと揺蕩う作品だからこその「磨り減らない物語」なのだと思います。
そしてどうやら、私はそういう作品が好きなんだろうなと、改めて思いました。「ハクメイとミコチ」「ふらいんぐうぃっち」と、大好きで、何度見ても飽きないのは、そういう「磨り減らない物語」だからなのでしょう。
【余談あれこれ】
「アイスブレイクがうまいなあ」と思います。
ARIAシリーズの締めくくりとなる本作ですから、「何が始まるんだろう」「どうなるのかな」と、ちょっと緊張している観客に向かって「違うところ探しクイズ」を仕掛けるとか。
ほんわかしたムードの中、改めて本編が始まるのは観客の集中力を高めますね。
そして、週替わりで計5問出題とか。
まあ、つまりはリピート客を確保するための仕組みなのですが、こういうのは受け入れやすくて良いです。
そういえば、「7シス」もアバンタイトル凝ってましたねえ。当方は1回しか見てませんけれど。
いつものシネコンでは、今回のパンフも速攻で売り切れたみたいです。
まあ、その内に重版されて公式通販とかで手にはいるようになるでしょうから、未入手の方はそれからでもいいんじゃないかなと思います。まだ手に入る可能性があるのに、プレミアム付いたヤフオクとかAmazonとかで買わなくても…。
ウチは、ちゃんと今回も2部手に入れられました。休暇取って出掛けた甲斐がありましたよ。
パンフといえば、ひょんなことから同じ職場の中に、原作(AQUA時代から)含めて、ずっとARIAシリーズを見ている方がいたことを知りました。
お喋りしていて、「パンフ、単価が高いから、2冊買うとそこそこのお値段になるんですよねー。でも、書き下ろし原作も含まれているから買うしかないですよねー」と話したら、
「え? もしかして予備ですか?」
「そうそう。流石に3冊とはいかないけれど、2冊は押さえてますよ。やっぱり予備がないと、なんか落ち着かなくって」
「あれですよね、『鑑賞用』『保管用』『予備』みたいなやつですよね」
「『布教用』というバリエーションもありますけど、僕は『予備』かな」
「『3冊買う』ってオタクにまつわる都市伝説だと思ってたんですけど、本当にそういう人って居るんですねえ…」
「ARIA the CREPSECORO」のBlu-rayを2セット買ったことも話したら、ちょっと呆れられておりました。まあ、オジサンはお金だけはあるからねえ…。
同僚さんも多忙で、「まだ見に行けていない」と言ってたので、2回目を見に行った時にクリアファイルセットを買い、以前に手に入れていた本作のチラシとまとめてプレゼントしたのですが、とても喜んでもらえて、こちらの方が嬉しくなりました。