当然ネタバレあり。そもそも、観てる人じゃないとわからない話ばかりです。
不幸にして、この映画を知らず・観ずにここに来てしまった人は、直ちにページを閉じて、行ける方は、上映している劇場で観てから、又おいでくださいまし。
元々はメモ書きベースなので、散漫なまとめ方です。すみません…。
この「若おかみは小学生!」は現時点で8回観ており、いろいろとメモも溜まってましたので長いです。
今回の記事は、主に1〜3回目辺りまでの時のメモをまとめています。
【前書き的な】
本当は封切りの日(9月21日)に観に行きたかったのですが、お仕事の都合で行けず、翌22日の朝一上映を観に行きました。
小さいシアターだったのですが、それにしても、土曜日の割に客の入が良くはないんですよね。朝早いからかもしれませんけど。
まあ、ちょっと、軽く思ってたんです。
児童文学書が原作だからと言っても、小学生の主に女児をドッと集められるような作品ではないだろうと思われ、だから夏休み中に大々的に上映する作品でもなく、「そこまで力が入ってないのかな」って。
でも、何度か予告編を見て気にはなっていたので、前売り券をちゃんと買ってはおきました。
もっとも、Loppiの特典(※)が欲しかったという説も有力ですが。
ところがですよ。観てみると、ぎゅぎゅっと濃縮された、とても良く出来た映画だったんですよ。
お話的には、「加害者の人がそんなに都合良く来るわけないじゃん」とか、「おっこちゃん、その人のせいで人生が全然変わってしまったはずなのに、割り切れ過ぎでしょ」とも思うけど、ほら、これ、元が「青い鳥文庫」ですから。
児童に、可能ならば良い方向へのインスパイアを与えるヤツに、正しくても過剰な現実は要らんですもの。
まあ、そこら辺を差し引いても、原作を尊重しつつメリハリのあるストーリー。
これは、「さすがは吉田玲子さん」ってとこでしょうか。
もちろん、「これを伝えたい」「ここを拾いたい」という高坂希太郎監督の取捨選択・着眼点も効いているのですけど。
※:「劇場版『若おかみは小学生!』 Loppi限定A4クリアファイル4枚セット+まるわかりブック引換券付前売券」ってやつです。
【前書き的な】
本当は封切りの日(9月21日)に観に行きたかったのですが、お仕事の都合で行けず、翌22日の朝一上映を観に行きました。
小さいシアターだったのですが、それにしても、土曜日の割に客の入が良くはないんですよね。朝早いからかもしれませんけど。
まあ、ちょっと、軽く思ってたんです。
児童文学書が原作だからと言っても、小学生の主に女児をドッと集められるような作品ではないだろうと思われ、だから夏休み中に大々的に上映する作品でもなく、「そこまで力が入ってないのかな」って。
でも、何度か予告編を見て気にはなっていたので、前売り券をちゃんと買ってはおきました。
もっとも、Loppiの特典(※)が欲しかったという説も有力ですが。
ところがですよ。観てみると、ぎゅぎゅっと濃縮された、とても良く出来た映画だったんですよ。
お話的には、「加害者の人がそんなに都合良く来るわけないじゃん」とか、「おっこちゃん、その人のせいで人生が全然変わってしまったはずなのに、割り切れ過ぎでしょ」とも思うけど、ほら、これ、元が「青い鳥文庫」ですから。
児童に、可能ならば良い方向へのインスパイアを与えるヤツに、正しくても過剰な現実は要らんですもの。
まあ、そこら辺を差し引いても、原作を尊重しつつメリハリのあるストーリー。
これは、「さすがは吉田玲子さん」ってとこでしょうか。
もちろん、「これを伝えたい」「ここを拾いたい」という高坂希太郎監督の取捨選択・着眼点も効いているのですけど。
※:「劇場版『若おかみは小学生!』 Loppi限定A4クリアファイル4枚セット+まるわかりブック引換券付前売券」ってやつです。
↑↑ こんなのです。 ↑↑
【素人目線の考えですが…】
素人が言うのはおこがましいけれど、見せるべき所はちゃんと分かっている作り手のメリハリに感心します。
「神田親子の反応から、旅館のお仕事の手応えを掴むところ」~「終業式の日の帰り道」の辺りまでで、ちゃんと、物語後半に必要な「医食同源」を仕込んでたり、真月がただ高慢なだけではない努力家であることも同級生達とのやりとりの中に示してるし。それに、いずれは温泉街を継いでいく仲間になる同級生たちとのワンシーンも大事な一コマですしね。
原作に比べて「スズキ君」のキャラクターがすっかり後味悪くなってしまっていた「ペンギン・ハイウェイ」との差が、こういう所に感じられるような気がします。
最後の山場に向けての大事な仕込みである水領様とのドライブ途中の過呼吸発作のシーンからの切り替えでは、「車でドライブしている」という設定を使って、商業的に組み込まざるを得ないのであろう、主役を演じている子が歌っている曲をドライブのBGMとして流し、ちょっと重くなっていた雰囲気を切り替えます。
その時に、オープンカーのルーフを開けて明るい太陽の光を感じさせ、沈んだ空気を流しちゃうなんて、実に「巧み」だと思います。
ラスト前のクライマックスとのギャップのためにも、一度、観客に華やかな見せ場を与える「気晴らしショッピング」のシーンでは、小説では絶対に出来ない(だって、本は活字だもん。いくら素敵な挿し絵であったとしても、この高揚感は出せないでしょ?)ファッションショーっぽい展開をポンと出してきます。
ここは、「夏の春の屋 ゆかたコレクション」の浴衣ファッションショーとの関係もあるんですかね。本当に水領様がファッションショーやってくれるんですから。
途中には萌え風味濃厚な美陽ちゃんのショットを入れたりして、遊びとサービスも織り込んで、お上手だと思います。
ここで「明るく楽しく切り替わった」「もう大丈夫」と感じたからこそ展開に濃淡・メリハリが付き、クライマックスのおっこの深化(生まれ変わり)に深みが出てくるんじゃないかな。
【「立派やなぁ」】
大丈夫になったはず(=大丈夫なように見える)のおっこに突きつけられる過酷な展開。
立ち直れたのは、危機を感じて駆け付けてくれた水領様のおかげだけではないと思います。
水領様の「あなたは一人なんかじゃないわ」という言葉には、おっこを見守っているたくさんの存在を伝える心が込められている。そんな存在達から受けた精神が「春の屋旅館の若おかみです」で昇華するのだと思います。
正直、「そんなに簡単に、切り変われるものなの? 言わば親の敵(かたき)だよ」とは思います。
思いますが、まあ、そこは「物語」なので。
素直に、「成長した」おっこちゃんの姿に、その心意気に感ずることとします。
【完璧なラストシーン】
ラストで、お話は冒頭部分と交錯します。
「小さな頃には、神楽を舞うことに憧れたもんだよ」
「今でも舞ってみたいわ」
「おっこちゃんが神楽を舞うのを見たいわ」
と語っていた父母の想いが、神楽の舞台に立つおっこに繋がるのです。
神楽を舞うおっこを見守る沢山の温かい存在。
この世にいる人・いない人、登場したキャストが総登場して、これまでとこれからを結びます。
「一人だけじゃないんだ」と、自分を包んでいる沢山の温かい存在を確かに感じるからこそ「この瞬間がずっと続けばいいのに」とおっこは願ったのかもしれません。
自分自身の成長と、それを見届けに来ることの約束。それを信じて、楽しみにして、頑張って…。
おっこの新しい時間は、この時から始まるのでしょう。
いやいや、この「若おかみは小学生!」についての記事でも、アラフィフの妄言が溢れてきましたね。我ながら困ったもんです。
長いので、続きはまた次回で。