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2021年12月31日金曜日

Eテレのチョイスは、センスが良いね


 センス古めのタイトルとなっております…。

 「『魔女見習いをさがして』とかもAT-Xでやってくれればいいのに…」と、先日の記事に書きました。
 まあ、東映は「東映チャンネル」をCSとかで持ってるから、お宝はそちらで放送しますよね。


 などと思いながら「そろそろ、年末年始の番組や年明けの新番組とか、予約し始めるかな」と思って「Foltia ANIME LOCKER」の「アニメ放送予定」を眺めていたら、Eテレで「魔女見習いをさがして」を放送するのを見つけました!




 NHKだから、当然CMは無いし、基本ノーカット。エンドロールまでちゃんと放送してくれます。
 ウォーターマークが有ったって苦にならないので、事実上円盤買うのと変わらないっすよね。「かたじけない」って感じですね。いや、買い忘れている岳なので、買いますけど。


 過去には「劇場版 若おかみは小学生!」を放送してくれてますし、NHK(Eテレ)の長編アニメの選択は、当方の好みによく合っていて、なんか嬉しいです。よっしゃ、稼動中の録画機を全台投入だな。

 Eテレで「魔女見習いをさがして」を放送!
 本日、12月31日16時30分ですよ!
 興味のある方はお忘れ無く!

2021年12月30日木曜日

生まれかわる。歩き出す物語 「フラ・フラダンス」

 昨日に続いては、「フラ・フラダンス」の感想を。

 本文の中でも書いてますが、この作品の封切りも12月3日で、「ARIA the BENEDIZIONE」と同じ日でしたね。作品の伝えたいことを考え込んでいる内に、すっかり時間が流れてしまいました。
 でも、東北地方が好きな当方にとっては、何度も見て、考え込みたくなるような作品でした。

 考え込んでいる分、今回の記事は長めです。


 本作も、「ARIA the BENEDIZIONE」と同様にもう少しだけ上映期間があります。
 上映回数は限られていると思いますが、まだの方はこの年末年始に映画館の大きなスクリーンで是非御覧ください。


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 「ARIA the BENEDIZIONE」の封切り日は、「フラ・フラダンス」の封切り日でもあります。
 朝イチの「ARIA」に続けて見てきました。

いつも以上に無理やり処理したので、正しい色・大きさではありません

 
【初見だけではダメなのですよ】
 初見では「普通だなあ。いわゆる『お仕事系アニメ』みたいな『熱さ』も無いしなあ。控え目なんだよなあ」と思っていました。
 「2回目、どうしたものかな」とも思ってました。

 でも、なんとなく切り捨てがたい気持ちがあって、「ARIA the BENEDIZIONEを見に行くのなら、ついでに見るかな」と思い、2回目を見ました。

 見てみると「相変わらず淡白だよなあ」とは思うのですが、でも、見方が少し変わったような気がして。
 しばらくの間、ちょっとした時間に「物語」について考えていました。考えて、もう一度見てを繰り返して、自分としての答えを得たような気がしました。

 とはいえ、私のように気になってリピートする人ばかりではないはずですから、再見しないとよく伝わらないのではダメだとは思うんですけどね。
 でも、インパクトが強いということは結局「磨り減る物語」になってしまうし…。難しいですねえ。



【芯になる物語はこれですよね】
 本作の核となる物語は、主人公である「夏凪日羽(なつなぎ ひわ)」とその家族の物語であり、つまり東日本大震災で大切な人を失った人達の物語。
 だから、本筋としては、ラストシーンの日羽のセリフがすべてなのだと思います。


 東日本大震災の時、まだ幼かった主人公・日羽は、大好きだったお姉さん=真里を失う。
 幼かったから、自分自身は具体的に強烈な衝撃は受けてはいないけれど、拭いきれない喪失感がいつもどこか身近にある。
 愛娘の内の1人を亡くした両親は、心からの笑顔を無くしたまま。家族としては、日々を暮らしてはいるのだけれど、満たされない思いがある。

 そんな状況の下、ふとしたきっかけで亡き姉と同じフラダンサーになった、ごく普通な女の子である日羽が、苦しみ、悩み、少しずつ成長していく中で、残された姉の想いに触れ、自分の今立っている位置を確かめ、これまでを踏まえた上で、次の世界に向かって歩き出す。


 スパリゾートハワイアンズのゆるキャラ「ココねえさん」のぬいぐるみとして、日羽の前に再び現れた真里を、「封印」してしまった日羽。
 そりゃ、「有り得ない」「ヤバい」と思って咄嗟にそうしてしまったのでしょうけれど、それはいなくなった人たちの「存在」をも封印してしまうことでもあって、「そこにいた人」の側からすると苦しいことだったのではないかと思います。
 だから、「ビニール袋に入れないで」「ロッカーも狭かった」「口にガムテープを貼らないで」等とぬいぐるみの真里は日羽に言ったのでしょう。つまり、「私たちを、無かったことにしないで」と。


 大切な存在を失った人にしてみれば、あの日あの時から時間は止まったままで、何かとても大きなきっかけが無ければ、そう簡単には意識は変わらないのでしょう。
 そう考えると、月命日のお墓参りのシーン、ディーン・フジオカ演じる鈴懸涼太が言う「やっと、止まっていた時間が動き出した」というのも、恋人であった夏凪真里からよく聞かされていた妹=日羽が、社会人として現れるほどの時の流れと、日羽が現れたことの衝撃が、人生の中での一区切りを導いたということで、理解出来るような気がします。


 こうやって考えてくると、過剰な驚きもワクワクもドキドキも必要は無く、普通のお話であることにこそ価値があるのだと思います。

 改めての「追悼」というのではなく、「共にいたあなたたちを忘れない」ということ、「残る私たちは、変わらずここにいるから」ということを伝えるための作品であって、それが、一面のひまわりの花の中で叫ぶ日羽の「ここにいるよ!」の一言に込められているのでしょう。



【夢のステージ】
 ソロダンサーとして「プアラあやめ」を名乗る姉の同期のダンサー。
 「プアラ」には「太陽の花」という意味があり、実はかつて姉がつけていたものでもあります。つまり、「プアラ真里」から「プアラあやめ」へと引き継がれたもの。

 真里とあやめは親しい間柄で、妹の日羽のこともよく話に聞いていました。
 だから「妹がフラダンスに興味を持っていて、仮に同じハワイアンズのフラダンサーになったとしたら、姉妹で踊れることになる。だから、それまで頑張る」という真里の想いも聞いていました。
 そんな真里を震災で失い、あやめにも思うところがあったのでしょう、「プアラ」を引き継ぎ、ダンシングチームのキャプテンとして頑張り続けてきたのです。

 そして、そこへ現れた真里そっくりの日羽。
 それはそれは嬉しかったに違いありません。
 採用試験の面接の時、試験官の1人だったあやめは、日羽の見せた「ひまわりのような笑顔」を見た時、他の3人の試験官とは異なる表情を見せるのです。
 どんな笑顔だったのかは描かれませんが、きっと、かつて真里が見せた笑顔にそっくりだったのでしょう。他の試験官と違い、直接真里と仲間だったあやめには、その笑顔がとても響いたのでしょう。だから、1人だけ表情が違ったのです。

 その後、新人チームの指導者の内の1人として日羽達に接していくのですが、勢いで応募してきた日羽にはダンスの経験が少なく、お世辞にも「上手」とか「将来性に期待」とは言えない状態でしたから、厳しい指導になったのだとは思います。けれど、あやめにとっては「日羽にバトンを渡す」という願いがある以上致し方なかったのかなと思います。
 あやめと真里と鈴懸の関係(=同期入社かつ親しい間柄)を知らなかった頃の日羽には「厳しいなあ」と思えたのかもしれませんが、振り返れば、深い想いがあるからこその特訓だったのでしょうね。「真里の妹だからこそ」なのでしょう。

 「アクアマリンふくしま」での新人チームだけのミニショーを見に来たのも、もちろん後輩5人全員が心配ではあるのでしょうが、特に日羽のことが気になってのことでしょうね。
 だから、査定以降、様々な出来事で成長して「日羽なりのダンス」を踊れるようになったことはとても嬉しかったんでしょうね。
 帰る時の「飲むぞー」は、そんな嬉しさの証かな。


 あやめ先輩の現役最後のステージ。
 先輩の衣装は、映画冒頭、ソロで踊ってたシーンの時の真里の物と同じなのかな。
 マイクを手渡すのは、日羽。
 後輩チームの中で、一番あやめ先輩寄りで踊っているのも日羽。予約席最前列で見ていた日羽の両親からは、きっと日羽と真里が姉妹で踊っているように見えたんでしょうね。
 そう見えたとしたならば、あやめ先輩が日羽に語った「プアラを引き継いだ私があなたと踊れば、真里の夢を叶えられる」という願いが叶った瞬間だったのではないかと思います。



【みんな主人公だから】
 ただ、全面的に東日本大震災の後の物語では重いということもあってか、日羽の他に4人のヒロインが配されます。

 フラ経験が豊富で優秀だけれど、両親とのすれ違いのある「鎌倉環奈」。
 明るく朗らかで踊りも上手いけれど、食欲旺盛でややぽっちゃりなのが悩みの「滝川蘭子」。
 元気がよく本場ハワイ出身らしい踊りを見せるのですが、どこか家族への思いが募る「オハナ・カアイフエ」。
 コミュ障というか、対人恐怖というかで苦労する、根は踊り好きな「白沢しおん」。

 昨今の世相を反映したような4人。
 日羽の物語を核にして、各々の「悩み」も少しずつ乗り越えていきます。
 それぞれの物語があるので、4人も日羽と同格の主人公というところでしょうか。
 だから、エンドロールの時に画面の左側で繰り広げられる動画では、日羽がセンターには来ないのかな。


 そういえば、新人チームのミニショーの後、「アクアマリンふくしま」の中を見学している5人が最後にガラスの展望デッキに行く場面で、環奈が蘭子に怒っているのですが、なんでなのかが初見ではわからなかったんですよね。

 再見でも他の所を見ていたのでよくわからなかったんですけど、4回目の時に注意して見てやっと理解できました。
 環奈はちょっと高所恐怖気味で、下がよく見えるガラスの展望デッキにちょっと尻込みしていたようなのですが、そこを蘭子に脅かされてびっくりしてたんですね。だから「脅かさないでよっ!」とでも言っていたのでしょう。
 新人チームの心が通じ合ったという意味では、この「アクアマリンふくしま」でのミニショーは大きな価値があったんですね。


 免許取り立ての日羽の運転で、みんなで「いわき回廊美術館」へドライブに行ったとこもいい場面でした。
 自然に笑顔を見せられるようになったしおんの独り踊りから、みんな引き込まれるように揃って踊るところ。あれも、「アクアマリンふくしま」の後ですもんね。
 見に来てくれたあやめ先輩の、それぞれへの一言はとっても大きかったんですねえ。



【あそこで「フラガール」はズルいと思うのです】
 スパリゾートハワイアンズのフラダンサーをテーマにするのならば、2006年の映画「フラガール」を避けて通ることはできません。
 「フラ・フラダンス」が「『震災』から生まれ変わる」「一人一人が歩き出す」物語だとするならば、「フラガール」は「一つの時代への挽歌」であり「地域が新たな一歩を踏み出す」「個人が目覚める」物語なのではないかと思います。
 もちろん「登場人物達の生き方・意識が変わる」という点では、本作「フラ・フラダンス」も同じ系列に連なる作品ですよね。


 「フラガール」は映画本編もさることながら、日系5世の名ウクレレプレイヤーであるジェイク・シマブクロが奏でるテーマ曲「Hula Girl」も素晴らしかった。あれは忘れることのできない名曲だと思います。当方、今でも繰り返し聞いている1曲です。

 そして、お姉ちゃんと同期のプアラあやめの引退ステージでの音楽が「Hula Girl」。
 見ていて「ここで『Hula Girl』を使うとは!」と思いました。ズルいですよねえ。知っている人には、響きますよね。
 そして、ステージの最後の一言「Go! Hula Girl」ここは、涙腺が緩みましたねえ。これも「フラガール」のセリフからですよね。

 細かく配慮が行き届いた、吉田玲子さんらしいお話だと思いました。「偉大な先行作品『フラガール』もあるんだし、この作品をどうするのかな」と思っていたのですが、さすがですね。


 そう言えば、「Hula Girl」が収録されているアルバム「GENTLY WEEPS」の帯に「『歌』のあるインストゥルメンタル・ミュージック、ここに完成」という惹句か書かれているのですが、本当に歌詞がついてるんですね。驚きでした。
 Wikipediaだと「ジェイクの作詞」となってますが、どうなんですかね。でも、あの歌詞があるから「想い」が見ている人に伝わるんだろうな。



【キャストとか】
 たまたま「アイの歌声を聞かせて」と本作で、続けて福原遥の声を聞いているのですが、「声が細いなー」とやっぱり思います。
 普通の台詞は良いとして、叫ぶところ・怒るところ等は、ちょっと声が細すぎるかな。声量ではなく、帯域というか周波数というか、何か「太さ」が足りない気がします。それ以外は、普通のおねえさんの声に聞こえて良いんですけどね。
 裏のヒロイン「真里」を早見沙織が演じているのですが、物語最終盤で姉妹2人が直接長台詞をやりとりするシーンで、地力の差がはっきり出てしまうのがちょっと切ないです。

 しかし、でも、ふと思いました。
 「18才のちょっとドジな女の子が、パーフェクトな発声してたら、それは、なんかリアルじゃないのかもしれない」と。
 んー、なんか宮崎駿が言っていた「『声優』の演技はハマりすぎる時もある」というのも、肯けなくもないのかもしれませんな。
 もっとも、観客動員の点で話題が欲しいというのも大きいのでしょうけれど。

 となると、ディーン・フジオカのある種朴訥な喋りも許容範囲に入るか。
 マネージャーである平和人役の山田裕貴は、それを考慮しても微妙に感じたけれど。「アクアマリンふくしま」のショーの時の「みんな良い笑顔になったね」は棒過ぎると…。

 「フラダンス選手権」の司会は大地葉さんなのね。「プリンセス・プリンシパル」のドロシーちゃんとは全然違ったので、気づきませんでした。うーん、精進しなくちゃ…。


【余談いろいろ】
 4週目の入場者特典は「アイカツ!×フラ・フラダンス」のコラボイラストカードだったんですけど、「アイカツとフラ・フラダンスは縁が深いって、何のこっちゃ?」と思っていたんですが、新人チームの声を担当した人たちが過去に「アイカツ!」に出演してたんですね。それにスタッフも「アイカツ!」絡みの人が多いと。なるほどねえ。


 「本作の目玉となるフラガールのダンスシーンは3Dで描かれますが」と公式サイトで言ってます。確かにそうなんですが、「あー……」と思ってしまいました。踊りと表情の動きがちょっとぎこちないんですよね。
 「3Dでダンス」とくると、個人的には「ポッピンQ」です。もう5年前の作品になるのですが、「CG(3D)でダンス」の完成度は段違いでした。まあ、ポッピンQは踊るのが5人、フラ・フラダンスは多数という違いがあるので難易度が違うのでしょうけれど。


 「ずっとおうえん。2011+10…」プロジェクト3作品の内の1つが本作なのですが、残りの2作品は「バクテン!!」「岬のマヨイガ」なんですね。
 「バクテン!!」は野郎中心の作品なのでパス(←オイ)。
 「岬のマヨイガ」は絵柄もキャストも悪くなかったのですが、内容が「………。」ということでパス。見たら面白いのかもしれませんが…。舞台となっている大槌町は、湧水群についての研究が興味深いので、一度訪ねたい所なんですよね。蓬莱島もあるし。

 今回のプロジェクトでは、はっきり「聖地ツーリズム」を狙っていることが示されてますが、どうかなあ。「狙った聖地ツーリズムはコケる」から。
 仙台はそんなことしなくても集客力があるしなあ。大槌町は、地味な気がするんですけど…。
 福島は、私は行きたくなりましたよ。
 もともと、福島県とは少しだけ過去に縁があって、「もしかしたら」の地でもあるし。「フラ・フラダンス」のお陰で良い所をたくさん知ることが出来ましたしね。仕事が一段落したら、是非訪ねてみようと思ってます。
 

2021年12月29日水曜日

磨り減らない物語「ARIA THE BENEDICHIONE」


 ふう。
 やっと、昨日(28日)で2021年の勤務が終わりました。
 とは言うものの、年明け早々に1本大きな案件を送り出す為にお仕事を持ち帰ってきてますから、あんまり年末年始の浮かれた気分は無いのですが…。


 さて、2021年も残すところ3日間。
 残り時間があまりないので大して記事を上げられませんが、どうしても今年の内に上げておきたいこともあるので、出来るだけやっていこうと思います。

 まずは「ARIA THE BENEDICHIONE」の感想から。
 本作の封切りは12月3日でしたので、今更感が強いのですが。
 でもねえ、封切りの翌日から書き始めて、その後、「映画の内容について」と「見てからの自分の思い」をずーっと考え続けていたんですよね。なので、時間かかっちやったんですよね。

 幸い、年末年始を挟んでまだしばらく上映が続くので、未見の方は是非是非御覧くださいませ。本文中でも書いていますが、過去シリーズを見ていない方でも、まったく問題ありませんよ!

 あ、本文にはネタバレを含みますが、観賞には影響は無いと思います。
 だって「磨り減らない物語」ですもの。


 前作ARIA the CREPSECORO」についての記事はこちらです。

↓ ↓ ↓


 そういえば、前作の記事も、作成→公開まで3か月かかってるんだよなあ…。


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 見たい映画の封切り日には、万難を排して休暇取得です!
 今日(12月3日)は楽しみにしていた「ARIA THE BENEDICHIONE」の封切り日ですから、当然、休暇で朝から見にきました。

いつものように、写真映りの関係で「COMING SOON」の写真です。


 残念ながら、私自身はこれまでの「ARIA」シリーズと接点が無く、リアルタイムで視聴していません。前作「ARIA the CREPSECORO」で初めて作品に触れました。

 少し前に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」関連の余談記事でも書きましたが、前提となる知識があった方がよい作品は、本当ならば初めから見て備えておくべきだとは思うのです。
 とはいうものの、本作(「ARIA」)はアニメ化第1期から16年、テレビシリーズ3作・OVA・劇場作品と膨大。それに、ドラマCDに、そもそもの原点である原作コミックも含めれば、短時間にどうにかできる分量を越えているので、諦めています。
 すべてを味わうのは、定年退職後のお楽しみに取っておくことにします。(←そう遠い未来の話ではないのです)

 ↑↑↑
 あ、我慢できずに原作コミックスを読み始めてしまいました。
 その内、過去作も全部視聴しそうです。
 Blu-ray Boxとかまで、突っ走る可能性大です。


【気持ち良く泣けるのです】
 ということで、繰り返しになってしまいますが、本作の主役達のことを細かに知っている訳ではないので、見たとおりの印象しかないのですが、もう、涙腺の崩壊を食い止めるのに困りました。

 何故、前知識無しの私が、そこまで泣いたのか?
 それは、本作は(前作もですが)「人の成長の物語」だからなのだろうと思います。

 ヒロイン(いや、出てくるみんながヒロインなのですが)・藍華(あいか)の憧れる「未来」。夢見る未来に比べた時に感じる「今の自分の未熟さ」。
 目を背けたい「憧れと現実のギャップ」の大きさ、そしてその上に「自分の家の持つ伝統の重さ」が加わって、挫折しそう。

 そんな藍華を、一歩引いて見守り導くもう一人のヒロイン・晃(あきら)。宝塚の男役のような麗人です。
 晃は藍華の家が経営するゴンドラ観光会社を代表するスター水先案内人。 
 ぱっと見には「才能ある優秀な水先案内人」と捉えられていますが、本当は努力の意味や価値をとてもよく分かっている「頑張り屋」。だからこそ「才能を持っていない」と悩んでいる愛華の悩み、そして苦しみを理解できる人です。

 本作以前に語られた様々なエピソードが2人の間の深い関係を作りあげているのですね。晃のフラッシュバックシーンでこれまでの2人の物語が挿入されるのですが、1つ1つが大切なものなのでしょう。


 家出した藍華に一晩中付き合う晃。
 翌朝の、晃から藍華への励ましに込められた深い深い優しさ。
 あのシーンでまずは涙腺が緩んでしまいます。

 私思いますに、この世の中、8割位はまあ普通の人であって、だから、藍華と同じように「私には才能なんて無い」と思うような人が大多数だと思うのです。
 そんな「普通の人」に、晃さんの励ましの言葉はとても響くと思うんですよ。いや、私自身は「努力を惜しむ人」なので、響くというか、耳に痛いというか、羨ましくなるというかですが……。

 「平凡な毎日の努力を積み重ねていけば、それは、いつかその人だけの『非凡な物語』になる」なんて言われたら、そりゃ、グッときますよね。実は頑張り屋の晃さんのいうことだからこその重みがあります。


 その後「うるうるうる」っと、我慢しきれずに涙腺が緩むのは、藍華のプリマ昇格試験のラストのところ。

 ずっと頑張ってきた藍華が、自らの努力で夢の扉をこじ開けたこと。
 そして、かつて自分自身がプリマ昇格試験合格の時に藍華の母であるクイーンに答えたのと同じ言葉を、はからずも藍華が自分に向けて発したこと。

 それは、見守り続けてきた晃にとって代え難い喜びであり、幸せであったことでしょう。
 「生みの母より育ての母」等と言いますが、晃にとって藍華は「娘」のような存在になっているのでしょうね。親子のような姉妹のような、大切な関係なのだと思います。

 あの結末は、何度見ても涙が抑えられません。
 派手なことしてるのでもないのに、シンプルな音楽に支えられて、「物語の力」が涙を連れてきます。
 なので、サントラ買って「まずはこれから」と思って聴いたのが「冬の世界~Fiocco di Neve~」という、そのシーンの曲でした。
 本当にシンプルな曲なのに。なんだろう、あの破壊力の高さは。
 私も、すっかり泣き虫セレナーデにされてしまいました。


 「劇場でずっと見ていたい」「このシーン、終わらなければいいのに」「エンディングが来なければいいのに」と思うなんて、これまでにほとんど無かったことですねえ。


【そして「磨り減らない物語」】
 私事で恐縮ですが、実は先々月(10月)から物凄く本業多忙で、結構残業が続いてます。
 本当は年末年始も出勤したいところなのですが、さすがにそれは堅く止められました。

 そんな中、毎週金曜日だけは残業せずにいつものシネコンに通ってます。
 この記事をまとめている時点で、4回見ました。
 上映スケジュールにも助けられて、ありがたいことです。

色紙は4週目までの入場者特典です
 
 そうして、4回見ても、新たな気持ちで物語を味わうことが出来ています。
 さすがに、初見の時の強烈なインパクトは薄れましたが、代わりに感慨が深まってる気がします。ストーリーがわかっている分だけ、落ち着いて受け止められるかな。

 たぶん、この先も何度も繰り返して見るのでしょうが、何度見ても飽きずにウンディーネ達の物語を、水の惑星・アクアでの物語を味わうことが出来るのだろうなと思います。
 激しい刺激に満ちた刹那的な作品には無い、ゆったりと揺蕩う作品だからこその「磨り減らない物語」なのだと思います。

 そしてどうやら、私はそういう作品が好きなんだろうなと、改めて思いました。「ハクメイとミコチ」「ふらいんぐうぃっち」と、大好きで、何度見ても飽きないのは、そういう「磨り減らない物語」だからなのでしょう。


【余談あれこれ】
 「アイスブレイクがうまいなあ」と思います。
 ARIAシリーズの締めくくりとなる本作ですから、「何が始まるんだろう」「どうなるのかな」と、ちょっと緊張している観客に向かって「違うところ探しクイズ」を仕掛けるとか。
 ほんわかしたムードの中、改めて本編が始まるのは観客の集中力を高めますね。
 そして、週替わりで計5問出題とか。
 まあ、つまりはリピート客を確保するための仕組みなのですが、こういうのは受け入れやすくて良いです。
 そういえば、「7シス」もアバンタイトル凝ってましたねえ。当方は1回しか見てませんけれど。


 いつものシネコンでは、今回のパンフも速攻で売り切れたみたいです。
 まあ、その内に重版されて公式通販とかで手にはいるようになるでしょうから、未入手の方はそれからでもいいんじゃないかなと思います。まだ手に入る可能性があるのに、プレミアム付いたヤフオクとかAmazonとかで買わなくても…。
 ウチは、ちゃんと今回も2部手に入れられました。休暇取って出掛けた甲斐がありましたよ。

いつものように激しく加工しているので、正しい色味ではありません。
なお、ピントは藍華ちゃんに合わせています。

 パンフといえば、ひょんなことから同じ職場の中に、原作(AQUA時代から)含めて、ずっとARIAシリーズを見ている方がいたことを知りました。
 お喋りしていて、「パンフ、単価が高いから、2冊買うとそこそこのお値段になるんですよねー。でも、書き下ろし原作も含まれているから買うしかないですよねー」と話したら、
 
 「え? もしかして予備ですか?」
 「そうそう。流石に3冊とはいかないけれど、2冊は押さえてますよ。やっぱり予備がないと、なんか落ち着かなくって」
 「あれですよね、『鑑賞用』『保管用』『予備』みたいなやつですよね」
 「『布教用』というバリエーションもありますけど、僕は『予備』かな」
 「『3冊買う』ってオタクにまつわる都市伝説だと思ってたんですけど、本当にそういう人って居るんですねえ…」

 「ARIA the CREPSECORO」のBlu-rayを2セット買ったことも話したら、ちょっと呆れられておりました。まあ、オジサンはお金だけはあるからねえ…。

 同僚さんも多忙で、「まだ見に行けていない」と言ってたので、2回目を見に行った時にクリアファイルセットを買い、以前に手に入れていた本作のチラシとまとめてプレゼントしたのですが、とても喜んでもらえて、こちらの方が嬉しくなりました。


2021年12月17日金曜日

「佐藤順一監督特集」の陰であれもこれも

 うーん。忙しさと、内容の微妙な記事ばっかりで更新が途切れております。
 ストックというか、未消化というか、何というか…。

 とはいえ、タイミングを逃すと意味が全くなくなる記事もあるので、今回は無理矢理投稿です。


 なんせ、対象が今日(17日)深夜から明日(18日)午前中の話ですので。
 「AT-X」を視聴可能な「響け!ユーフォニアム」シリーズがお好きな方は、要注意ということで!

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 やー、まだ記事を上げてませんが「ARIA The BENEDIZIONE」、良いですねえ。半泣きで鑑賞しております。
 週1で見に行っているので、上映終了まであと2回は見に行くつもりです。
 
 
 ところで、「ワンランク上のアニメ専門チャンネル」こと「AT-X」では、今月(12月)は同作の総監督である佐藤順一監督の作品を集中放送してるんですねえ。
 「ARIA」シリーズはもとより、「たまゆら」シリーズもまとめて放送してくれるようです。「カレイドスター」もまとめて放送してくれるようですが、あれは少し前に毎日1話ずつ放送していましたねえ。
 本当は「おジャ魔女」シリーズ、「魔女見習いをさがして」もやって欲しいところですが。そこまで大盤振る舞いはしないか…(東映作品って、そもそもAT-Xではあんまりやらないし)



 ということで、週末の録画予約に備えて12月17〜18日の分の放送スケジュールを見ていたら、何気なく「リズと青い鳥」と「響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ」も放送してくれることを知りました。しかも、同日に2回です。





 ①「リズ~」  12月18日01時00分から
 ②「ユーフォ~」12月18日02時35分から
 ③「リズ~」  12月18日09時00分から
 ④「ユーフォ~」12月18日10時35分から

 ええ? 同日、それも午前中の内に2回も放送するの?
 一瞬「誤記載?」とも思ったのですが。

 まあ、複数回やってくれるのは、バックアップ確保のためにはありがたいことです。
 そういえば、11月から12月にかけて「ユーフォ」のテレビシリーズの1期・2期を全話放送してたしなあ…。
 これは、手元にある録画データで、年末の休みは、数年前のシネマシティに倣って「年越しユーフォ鑑賞」かな。


 そうそう、肝心の佐藤順一監督特集では今春の「ARIA The CREPUSCOLO」もいち早く放送してくれるそうで、アテナ先輩とアリスちゃんの二重唱も楽しめるのですねえ。
 いや、まあ、手持ちのBlu-ray見ればいいんですけどね。

 アテナ先輩とアリスちゃんの二重唱と言えば、「ARIA The BENEDIZIONE」のサントラに収録されているんですね。先日出かけたシネコンのショップで、陳列されているCDの「帯」を見た時にそのことを知りました。「おお、これは入手しなくっちゃ」と思い、帰宅後に即発注。うーん、到着後、聴くのが楽しみですねえ。

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 大きさが不揃いの画像で、見づらくてすみません。
 家の「Foltia ANIME LOCKER」にリモートでアクセスして番組表をスクショしたものなので細かい編集が出来ませんで…。
 今夜はいつものシネコンで「ARIA The BENEDIZIONE」→「フラ・フラダンス」の2連続鑑賞で帰宅が遅くなるので、その後の更新では内容的に間に合わないですからねえ。


 ということで、取り留めのない話題でございました。
 そろそろ、最近見た映画の感想の記事を上げたいんですけどねえ。
 年末のお休み期間まで、本業多忙の為ダメな見込みです。

2021年10月14日木曜日

着荷と「金ロー」と…


 嬉しい気分もするけれど、今日はグチグチしています。
 季節はずれの暑さが続いているので、ちょっとお疲れモードということで…。



 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のBlu-rayが着荷しましたよ。
 到着が早かったのは、Amazonと楽天ブックス。どちらもフラゲになる10月12日の到着でした。
 京アニショップは、本来の発売日に合わせたのか、10月13日到着。
 無事に4セット手元に揃いました。


一応、アパーチャーモードで三方背の顔にピント合わせたんですけどね…。
京アニショップの特典の「目」が「八方睨み」ぽくなっちゃって……。
ピント合ってないはずなのに視線がそこに持ってかれちゃう………。


 まあ、買ったからといって、すぐに鑑賞するかと言えば、そうでもなく、機材が整ってからになると思いますが。
 これまでにも何度か書いていますが、なんといいますか、映画館のスクリーンで見た時のサイズ感と比べると、家庭での視聴は同じにはならないんですよね(そりゃそうだ)。
 なので、自分が得心いく機材が揃うまでは、当分お預けになると思います。
 ……いつになるんですかねえ?


 まあ、見なくても、ほとんどの印象的なシーンは脳内で思い出せるし。
 あえて確認したいとすれば、ホッジンズ社長と共にエカルテ島へ少佐を訪ねる出発の場面の、ヴァイオレットのセリフくらいでしょうか。
 36回見てますけど、あそこは未だにセリフを覚えられてません。畳み掛けるようなシーンだからなあ。


それはそうと、Amazonの梱包が割と雑で…。
止めてるテープが結構粘着力の強いヤツで、粗相しないかドキドキでした。
外包みもプチプチ一体型の灰色ビニール袋。
せめて、ダンボール箱に入れて欲しいなあ。

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 10月29日・11月5日の日テレ系「金曜ロードショー」で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の連続放映があるのですね。
 29日はテレビシリーズからの抜粋の特別編を、5日は2019年公開の「外伝」を、それぞれ放映するのだそうで。

 否定的見解で申し訳ないのですが、現時点では、「うーん」って感じです。

 昨年の「劇場版」公開当初の時点でテレビシリーズを全く見ていなかった当方が言うのも説得力に欠けるのですが、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズって、ちゃんとテレビシリーズを見ていないと「得られる感動の総量」が減ってしまうと思うんですよね。
 私自身、途中で全話分の録画データを見るまでは、話がとらえ切れていなかったですから。

 少なくとも第1話、第3話、第5話、第7話、第9話、第10話は全て見ていないと。
 特に第10話は「劇場版」に直接繋がるので、劇場版の大枠となる「デイジーがヴァイオレットの後半生を辿る理由と、その結果・結末」がピンとこないですよね。
 だから、「劇場版」公開後に「冒頭10分間の映像公開」ってやってましたが、あれを見て「面白そう。見に行こう」っていう集客に結びついたかというと、少々疑問なのです。

 もっとも、今回の特別版は監督他のスタッフによる編集だそうですから、抜かりはないと思いますけれど。


 今回の「金曜ロードショー」での放映には、日テレさんもある程度力を入れているようで、局アナやらタレントやらの作品へのコメントを広報したりしてるんですけれど、あれも少々疑問なのです。
 「泣ける」「泣ける」言われても、「そういうものか?」と思ってしまいませんか?
 鑑賞者自身が物語を十分に見終わった結果として泣くのであって、自動的に泣くようになっている訳じゃない。期待値(閾値)に届かなかったら、泣かないかもしれませんよ?


 局の思う「視聴率獲得」と、製作者の「新規視聴者(顧客)獲得」は、必ずしも同じ成功にはならないかもしれません。

 テレビ朝日系で「君の名は。」「天気の子」を放送した時の視聴率のデータが無いので検証出来ないのですが、そもそも、テレビ(特に民放)で映画を放送する価値はもはや無いのではないかと思うのです。
 積極的に見たいと思っている人は、劇場なり配信なりで見ている訳だし、「そういえば、話題になってたやつか」程度の人しか見ないのではないかと思うんです。

 局は、見てもらえさえすれば数字になるので「よし」として、製作者側は何らかの売り上げにならないと意味が薄いですよね。
 あ、まあ、放映料としての収入にはなるか。
 あわよくば、「出たばかりの『劇場版』のレンタルなり販売なりに結び付けばそれでよい」という程度の広報ですかね。


 どんなヒット作であっても、世間一般からすれば多数の作品の内の「one of them」にしか過ぎない訳で、ずーっと付き合ってくれるのは一握りの人達。
 大体、一回見ればそれで終わりですもんね。
 そう考えると、ヒット作なんていうのも、ある種虚しいものですねえ。


 あ、民放テレビ局で「映画」を放映する事に否定的なのは、これも繰り返しになるのですが、「CMでぶつ切りになるから」です。

 今回の「外伝」は「本編ノーカット」だそうですから、最初から最後まで見れば内容そのものは伝わるとは思うのですが、CMが挟まることで集中が切れるのは避けられません。
 となると「見た」というだけで、込められた意味の伝達具合は何割かは下がってしまう。下がっても有意に伝わっていればいいのですけれど…。

 録画してCMカットすると、編集点探す時にあらすじは理解できちゃうから、初見のワクワクは無くなるし。うーん、素直に、レンタルで借りてきますよねー。

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 等と考えてるのは、世間様とはズレているフィフテイのオタオヤジだけですよね。きっと。


 ま、何にせよ、「劇場版」のメディアが無事に発売されてよかったです。
 少しでも、世間様にヴァイオレットちゃんの物語が広まりますように。


追記:
 10月14日05時00分時点で金曜ロードショーのサイトの「見たい」の数を見てみると、「特別編集版」は25046、「外伝」は14664でした。対象が全国とした場合に25046人がどういう価値を持つのかは判断し難いのですが、結構注目は集めているみたいですね。
 「外伝」の数字については、「特別編集版」を見て興味を持つ人が出ればもっと伸びるかな。
 でも、「外伝」はちょっと悲しいお話だと思うので…。



2021年9月23日木曜日

面白すぎるんですけど! 「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章」


 爽やかな秋晴れの秋分の日ですねえ。
 ちょっと暑いけど。


 お天気関係なしで、朝からいつものシネコンに来ています。

 今日は楽しみにしていた「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章」の封切りの日なものですから。

いつものシネコンは、「公開中」はお外に掛かるんです。
そうすると蛍光灯とかの灯りが邪魔なのです。
なので、「COMING SOON」の時の写真を貼っておきます


 詳しくは書けませんが、第2章で大きく話が動き始めるんですね。
 うーん、これは次が楽しみです!
 「『プリンセス・プリンシパル』って、こんなに面白かったっけ?」と失礼ながら思ってしまった程です。ホント、尻上がりに面白くなるなあ。


 これは、今回の「第2章」も3回くらい見に来ることになりそう…。
 お仕事? 忙しいけど、まあ、適当でいいや(投げやり)。プリ・プリ優先だわさ。

 ただね、特別興業なので、余っている「次回鑑賞時割引クーポン」が使えないのが、地味に痛いっす。
 お金の多寡ではなく、「期限切れで余る」というのがオジサンにはもったいないのよねー。


 グッズは少ないけど、パンフレットは潤沢そうで一安心。
 ちなみに、第1章の時のも売ってました。もう、1部買っておくかな。
 そういえば、レジのおばさまが「プリ・プリ、第2章を2部ですね?」と略しておられました。まあ、呼びにくいですもんねえ。(^^;


 

2021年9月19日日曜日

観てきました。「極上音響上映」を。


 公開するのが辛い記事を書いてしまうと、ついつい更新が滞るのはいかんともし難いですねえ。
 「サイダーのように言葉が湧き上がる」と「劇場版 きんいろモザイク Thank you!!」の2本はどうしたものかと、少し保留している内に1か月が過ぎました。


 さて、立川のシネマシティで「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観てきました。ええ、「極上音響上映」ですよ。

ちょっと見難い写真ですが…。

 本当は7月24日からの時に行きたかったのですが、残念ながら対新型コロナウイルスワクチンの接種が未だ出来ていなかったことと、お仕事の都合で抜けられず涙を流して諦めたのでした。
 あの時は、何度も「席を指定して、取り消し」を繰り返しましたね。そもそも、予約殺到でしたから選ぶ余地はあまりなかったのですけれど。

 お気に入りのa studioで見たかったんですけどねえ…。


 「1週間限定でリバイバル上映」の今回は、2回目の接種が終わっていること、それにお仕事についても「今なら何とかなる」という、「今しかない」タイミングだったので決行です。

1週間限定リバイバルのオーラス回です。

 久しぶりなので、「シティズン先行」の期間をすっかり忘れていて、c studioでの、いつものお気に入りの席は取れませんでしたが、すぐ近くの席を取ることが出来、ポジション的には満足出来る鑑賞でした。

何だかんだ言っても、c studioでたくさん見てますねえ…。


 映画の内容そのものは、もう、かれこれ26回目なので、何も言うことはありません。
 今回も、良かったです…。

c studioの前での一枚です。


 「極上音響上映」については、「中・低音域を厚めにして、少しウォームめにした」のかなという感じ。「何かは確実に違うけれど、言葉で説明するのは難しい」ところです。

 これまでに通常版・Dolby Cinema版を見ている訳ですが、Dolby Cinema版は「効果音の音量バランスも取った上で、やや広めの音場感。あと、Dolby Cinema版は劇場内の室内音響環境含めたパッケージなので、ややデッド(=残業が少ない)めで締まった聞こえ方」だったように思うのですが、極上音響上映版は「残響を殺し切らないシネマシティの特徴を活かした、色彩濃いめの聞こえ方」かなと思いました。
 「極上爆音上映」対応の設備を活用した、迫力ある戦場での音もシネマシティらしさかなと。シーンそのものは「少佐が撃たれ、ヴァイオレットが両腕を失う」ところと、少佐の家での「君は私のことを恨んでいないか」の回想のとこなので、辛い場面ですけれど…。


 記事公開はしていないのですが、昨秋(2020年)見た映画に「ようこそ映画音響の世界へ」というのがあります。
 タイトルの通り、映画を支える「音響」「音響技術」について焦点を当てた作品です。

 あれを見ると実感するのですが、現代の映画音響は、高度なデジタル編集環境で作り込まれたものです。多数のトラックに「音」を割り振って、効果・タイミング・定位・音量を細かく設定し、「映像での表現を支える」ようにされています。

 それを考えると、「極上音響上映」「極上爆音上映」で出来る「調整」というのは、「シアターの特性に合わせて聞こえやすくすること」と「それに併せて特定の音域を出し入れすること」くらいだとは思うのですが、その効き目は結構大きいんですよね。

 「君の名は。」も、このc studioで極上音響上映版を見たのですが、オフィシャルが「音響にも手を入れた」といっていたIMAX版よりも、音が良かった記憶があります。


 新型コロナウイルス感染症が一段落したら、また京アニさんの作品の特集上映とかやってもらいたいと、切に希望しております。
 年越し企画の「ユーフォ」の一括上映は既にやってるので、個人的には「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズの一括上映(テレビシリーズ+外伝+劇場版)とかだと嬉しいな。実現した暁には、死ぬ気でチケット争奪戦、頑張りますよ~。


 7月上映の時点で、昨年(2020年)の封切りから9か月遅れているし、今回は限定リバイバルだし、ということでパンフレットの取り扱いはありませんでした。

「フリー・ガイ」は、ちょっと気になってたんですが未見です

 まあ、必要としている人は既に何らかの方法で手に入れているのでしょうから、致し方ないですかね。
 ウチはオタの定法通り3冊あるので、大丈夫です。(^_^;


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 「シネマ2」と言えば、一階のピッツェリア(Cinema Cafe PIZZERIA BAR NAPOLI)でしたが、昨年2月末で閉店したんですよね。メールマガジンでお知らせが届いた時には「あー」と思いました。残念。

 ガラーンとしちゃってますね。

 1人ではなかなか入りづらくて、結局一度も利用したことはありませんでしたが、1階から2階にかけて漂うガーリックの香りを嗅ぐと「シネマ2に居るんだなあ」と思ったものでした。

うーん、ガラーンとしてますなあ。(´・_・`)

 あのざわめきが懐かしいです。
 いろいろ厳しいとは思うのですが、また何か賑わいを感じさせてくれるような展開をしてくれるといいな。
 今年もシネマシティズンの更新もしましたし、ささやかではありますが応援しております。


 さて、次に来るのはいつになることやら。
 お仕事頑張って、出来る限りは来させていただきます。


2021年8月9日月曜日

彼女たちの青春は、傑作だ。「サマーフィルムにのって」


 ということで、「サマーフィルムにのって」。
 封切り日の初回ということで、頑張って来ました。

 他の用事でWebを見ている内に偶然引っ掛かったのですが、見終わった今では大好きな映画になりました。

 どんな映画かと言われると、「映画作りに夢中になった高校最後の夏。恋×友情×SF×青春映画の新星」というポスターの惹句が全て。

 だから、「サマーフィルムにのって」来るのは何かというと、やっぱりポスターの惹句であって、

 「恋はサマーフィルムにのって」

 「友情はサマーフィルムにのって」

 「青春はサマーフィルムにのって」

 ということなのでしょうね。

 ネタバレになってしまうので詳しくは書けません。

 是非、 公式ページ をご覧くださいませ。予告編もありますよ!

 あと、見終わった方はYoutubeの「 特別映像『サマーフィルムにのって』〜もうひとつの青春の1ページ〜 を見逃さないでくださいね。公式ページからも行けます。


 映画が始まってしばらくの間は、なんだかごちゃごちゃで、「約1時間40分の中に詰め込み過ぎじゃない?」って思うのですが、でも、1本通してみると「映画作り×恋×友情×ライバル×SF」の全部が上手く処理されていることが分かります。


 タイムトリップ系SFのお約束として、「最後まで時間旅行者であることは隠す」みたいなのがあるのですが、本作では中盤であっさりと登場人物たちに明かされてしまいます。

 そこで過剰に反応せずに、それまでと変わらずに仲間として接していく登場人物たちの様子に、なんだか「今」を感じました。
 「何読んでるの?」と主人公「ハダシ」に聞かれて、「ハインライン」と答えた主人公の親友「ビート板」。その時に読んでいる文庫本がSF「夏への扉(※)」なのですが、その辺がこの後に起こるタイムトラベラーの登場の示唆なんですね。

 SF好きのビート板のおかげで、タイムトリップ系SFの「条件」とかも手際よく解説され、ハダシの初監督作品が残らないことにも破綻が出ない流れになっています。
 そして、それが最後のシーンの激闘に繋がっていくのですね。


 上映会会場での「ライブなラストシーン」のところ。
 それまでハダシのライバルだった映画部の「花鈴(かりん)」も含めて、取り巻くみんながハダシと凛太郎のことに見入っているのは、温かみを感じました。本当に「最高のラストシーン」でした。

 一旦は「相手のことが好きだから、互いに傷つけない終わり方」を是としたハダシですが、最後は「好きだからこそ相手を倒す」に変化したのは、「うやむやのままで終わらせるのではなく、傷ついてもいいから、関係性を刻みつけたい」と思ったからですよね。これでお別れになり2度と会えなくなる凛太郎のこと(※2)を、自分の心に刻みつけるために、映画「武士の青春」のラストをああしたのでしょう。


 私、乃木坂46に全く興味がないのでヒロインの伊藤万理華を知らなかったのですが、なかなか良いですねえ。
 「もう少し落ち着くといいのに」と思わなくもない所もあるのですが、「それも高校生らしさの演出かな」って見れば、納得出来ます。この子、時代劇マニアの陰キャというのにはかわい過ぎですよねー。
 ヒロインのハダシは勝新演じる「座頭市」シリーズに心酔していて、最後の殺陣のシーンもその再現なのですが、激しい動きもバシッと決まっていて、伊藤万理華の演技はお見事でした。

 天文部所属のSF好き「ビート板」役の河合優美、ラブコメ大好きを隠した剣道少女「ブルーハワイ」役の祷キララの二人も、それぞれの「大好き」を大切にしつつ、ハダシを支える親友らしさが感じられる堅実な演技だったと思います。
 ただ、録音の関係もあるのかもしれませんが、ブルーハワイの声が低めで、ちょっと聞き取りづらいところがあったかな。そこがスポーツ系少女らしさといえば、そうなのかもしれませんが。

 「凛太郎」役の金子大地もカッコよかったんですけど、個人的には「ダディボーイ」役の板橋駿谷が味があって良かったなあ。
 突然巻き込まれた時代劇映画の主人公のライバル役に、戸惑いつつも全力で取り組んでいく体育会系の良い人がぴったりでした。「ここは俺じゃないだろ」ってハダシに箒を投げ渡すところは、ジーンと来ました。


 前日(8月5日)、前から楽しみにしていた「サイダーのように言葉が湧き上がる」を見て「うんうん。良かったー」と思っていたのですが、その感想が一瞬で色褪せるくらいのインパクトが本作にはありました。
 予定調和で終わることが分かっている「サイダーのように〜」に対して、本作は「結末がどうなるかわからないハラハラ感」があって、見終わった後の充実感が高かったのですね。


 「サイダーのように〜」は本来ならば昨年(2020年)に公開されているはずだった作品であり、比べるべきではないのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で上映時期が後ろ倒しになってしまってタイミングが重なってしまったんですよね。

 「もう1回見る?」と聞かれたら、「サイダーのように〜」は「スケジュールと合えば」と答えますが、本作は「絶対に見たい。なんとかスケジュール調整する」と答えます。

 そう。
 それくらいに「彼女たちの青春は、傑作」なのです。


ー ー ー ー ー ー ー ー

 上映、午前10時40分からなんですよねー。だから、終わるのが12時25分過ぎ。
 午前振替休暇+1時間休暇として「14時には戻ってきます」と職場には言ってあったのですが、見終わったら「うわー、職場に戻りたくねえ!!!」と猛烈に思いました。
 夏の真っ盛りに、「爽やかな夏の青春映画」を見たら、そりゃ、澱んだ職場になんか帰りたくないわさ。

 でも、出社しましたけどね………。

 お仕事なので。(>_<)


※:

 タイムトリップSF(冷凍催眠で未来へ行く系)の名作ですね。
 長いし、個人的には出てくる言葉(単語)が読みづらいので、あまり再読する気にはなれないのですが…。(^^;
 最近映画化もされましたが、現代の日本に置き換えるのは無理があると思うので、未見です。

※2:

 もっとも、「来ちゃった」と軽くタイムトラベルしてきた凛太郎の友人「ドク」の姿を見ていると、「また来るんじゃね?」と思ってしまいますが。(笑)



2021年8月8日日曜日

今日は別のシネコンへ

 前評判が良かったので、封切り日の本日(8月6日)「サマーフィルムにのって」を見にきました。

 名古屋でこの作品を上映するのは、「普段全く縁のない系列の館」と「普段ちょくちょく見に行っている館の兄弟館」。
 ポイント会員の観点からすれば、後者一択。
 ついでに貯まったポイント使って、特典で無料でと相成りました。わーい。(^^)v


 つまり「ミッドランドシネマ 名古屋空港」ということになります。
 ここ、昔の「名古屋空港 国際線ターミナル」の跡地付近にあるんですよ。


 国際線ターミナルビル自体は改修してショッピングモール「エアポートウォーク名古屋」になり、隣接した新築の建物に「ミッドランドシネマ 名古屋空港」が入ったんです。

 「ミッドランド~」は、地元の「中日本興業株式会社」が運営しているシネマコンプレックスです。ですので、ちょくちょく見に行ってる名古屋駅前の「ミッドランドスクエア シネマ(1・2)」とポイント会員も同じという訳。



 上記のように元々の国際線ターミナル内にあるので、自称「(ロビーから)滑走路の見える映画館」と言うことになってます。


 まあ、見えたからといってそれが映画鑑賞に何か影響を与えるかと言うと、べつだん関係無いのでしょうけれど。

 ロビーから見ると滑走路の向こうに「小牧山」が見えますね。


 「小牧山」には、かつて織田信長の築いた「小牧山城」がありました。


 見えてるあれは、その時の天守閣…ではなくて、篤志家が寄贈した天守閣風建物で「歴史資料館」になってます。 

 あれを見ると思い出します。
 ここから何度飛行機に乗って旅に出たことか…。良い思い出も、嫌な記憶も沢山残ってます。懐かしいなあ。


 「滑走路側駐車場」からショッピングモールへ行くための階段~通路は、ターミナルビル時代の原形をよく留めてます。


 今日は都合があって上りませんが、今度来た時は一度通ってみようかな。


 それにしても。
 見れば見るほど、ここは昔ならば徒歩では近寄れない「エプロン」であることが分かりますね。


 今は、旧国内線ターミナルビルを使って「県営名古屋空港」としてFDA(フジドリームエアラインズ)が国内線を運航しています。
 このところ「青森県へ行きたくて堪らない病」を発症しているのですが、名古屋から青森へ行く最短の手段がFDAの青森便。
 未だエンブラエルの機体に乗ったことが無いし、楽だし、新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、久しぶりにここから飛行機で旅に出るのも悪くはないですねえ。
 ま、そうは言いつつも、結局、車で自走すると思いますけれど…。


 さてと。
 それじゃ、そろそろ映画を見るとしましょうか。「サマーフィルムにのって」楽しみだな。



2021年7月29日木曜日

2曲目が好きかも - 水瀬いのり「HELLO HORIZON」


 最近、あんまりCD買いません。
 かといって、配信も使ってないけれど。

 そんな中、定期的にシングルの新譜を買っている数少ない歌い手さんの内の1人が「水瀬いのり」。
 最近「HELLO HORIZON」が発売され、当方も買いました。気がつけばもう10枚目のシングルなんですね。

 声優として出演するアニメの主題歌とのタイアップが多く、今回も「現実主義勇者の王国再建記」というアニメのテーマ曲なんだとか(←見てないので、よくは知らない)。
 「そのアニメ作品自体のイメージ」もあるし、「売れ筋・流行りの音楽」というのもあるので、必ず表題作(曲)が自分の好みに合うとは限らない訳ですが、どうやら今回もそんな感じかなあ…。

音楽プレーヤーアプリで再生中の画面のスクショを加工しました。
こだわりの写真らしいので、白黒加工前の物を見てください。
Amazonとかネットショップで検索すれば、すぐ見られますよ。

 ジャケットのきりっとした写真とか、素敵なんですけれど。
 いのりんも、今年26歳になるから、いつまでもかわいらしい少女のイメージのままじゃないよね。


 でも、当方の好みは2曲目或いは3曲目。
 いや、もっと言うのなら、7枚目のシングルだった「Wonder Caravan!」の1曲目「Wonder Caravan!」かなあ…って オイオイ(´д`)。
 あれは、曲も歌詞もPVも、どれも独立しつつも、それでいてエンディングテーマ曲だったアニメ「えんどろ~!」自体と合ってたからなあ。


 ん? 「HELLO HORIZON」全否定みたいに思えてきたけれど、まあ、聞いていく内に慣れるというのもあるからねえ。

 実は、最近一番聞いているのは前作「Starlight Museum」だったりしますけれど…。(^^;
 確か発売日前に届いていたのですが、店頭受け取りで受領して車に積んでおいたら、箱ごと行方不明になりました。「HELLO HORIZON」と一緒の発注で結局2枚目を買って、やっとデータ化し聞き込んでいるところです。

同じく再生中のスクショです。激しく加工してます。
この曲、実はYouTubeでMVが視聴できます
(というか、いのりんの場合、ほとんどのシングルのMVが見られます)

 この曲の4:09からラストまで、畳み掛けてくる歌声は、こんな御時世だからこそ胸に響くものがあります。
 未視聴の方、騙されたと思って聞いてみてくださいね。お勧めです。


2021年7月21日水曜日

君との永遠の1日 - 「1秒先の彼女」


 久しぶりに遅い終了時刻の上映を見てきました。

この時間に終わると、帰宅して眠るのは早くても午前0時半です…

 本当はもっと前に見ておきたかったのですが、諸事情あって上映終了の前日にしか見に来られなかった「一秒先の彼女」。台湾の映画です。

邦題のセンス、良いですねえ。原題よりも良いと思います。


 「君と○○の××」というのは、定番中の定番の一文ですね。今回のタイトルに使った「君と永遠の……」なんてのも、もう、とても陳腐な表現です。
 でも、今回の映画には「永遠の1日」という一言を使わざるを得ないと思うのです。

 時の流れの不思議さに絡められた、タイムストップ系のSFロマン -いや、ラブロマンスかも- ですね。ガチンコなSFではなく、「少し不思議」系に属するSF作品になるかなと思うのですが。うん?「少しファンタジー」のSFかな。


 ヒロインの冴えない郵便局員・シャオチーは、小さな頃から「生きる速度(?)」が周囲よりも少しだけ早くって、1.1倍速位の早送り再生のように日々を送っています。
 そのせいもあってか、年頃の彼女には浮いた話もなく、貧乏アパートの一室でほんの少しの空想癖も含めて地味に暮らしてます。
 そんな彼女が、ふと手に入れた出会いからお話は動き出します。
 勤め帰りに通りかかった公園で知り合った濃い目な好男子とのせっかちな交際の途中で、「1日を無くす(失う)」という奇妙な大事件が起こり、驚きの展開へと進んでいきます。


 それにしても、いろんな所に散りばめられていた微かなヒント(伏線)が一気に明らかになり繋がった「その先の物語」が、なんと観る者の心を揺り動かすことか! 
 別々に思えていた物語が一つに繋がり、時の歯車がかみ合ったように思えてからは、「こうなるんだ…」「そうなんだ…」「ああっ」「うわー」などと、心の中で呟きが止まりませんでした。


 映画終盤、スクリーンに映る風景と物語の内容からは「儚さと一体の美しさ」が溢れてきます。
 物語中盤まで賑やかだったりごちゃごちゃしたりしていた分だけ、終盤の静けさがガツンと心に響いてきます。
 細かく書けないけれど、もう1人の主人公であるしがないバスの運転手「アタイ」が「君を僕の秘密基地に連れて行くよ」と、シャオチーを嘉義県の海辺に連れて行くあの1日こそが「僕だけの、『君との永遠の1日』」なんですよね。


 最後、あの再会のシーンは、ズルいくらいに泣かせに来てますよね。ヒロインの「泣き」に耐えられなかったですもの。
 私、普段だと、目頭が熱くなる位でいなせるのですが、今回は涙流しちゃいましたから。

 他のお客さん達も、すすり泣き多数でした。
 あれは、我慢出来ないよなあ。

 巧みな構成と脚本。
 美しい風景と、対照的な賑やかで雑多な都市の光景。それら2つを上手に取りこんだ画面の作り。
 物語のスパイスとしてとても利いている遊び心のある数々のギミック。

 見終わって、「まだまだ、こんな映画が創れるんだ」と、思わずにはいられなかった佳作でした。


 もう少し見たいとは思うのですが、映画館で観るのは、スケジュール的にちょっと厳しいかな。「こんなことならば、もっと早くに観ておけばよかったなー」と少し後悔しています。
 実は6月25日の映画3連発鑑賞の日が本作の封切り日で、気力と上映時間のタイミングが合っていれば、あの日に見ていたはずだったのです。そうすれば、リピート鑑賞してたと思います。
 でも、あの日は他にも充実してたから、鑑賞疲れで、ここまで感激しなかったのかもしれません。そう考えれば、今日みることの方が良かったのかな。
 本作のBlu-rayが出たら、必ず買います。DVDではなく、Blu-rayで手元に置いておきたい、そんな作品です。

 いつもの郊外のシネコンでは上映は終わってしまいますが、これから掛かる所もあるし、追加上映の所もあるようです。
 せっかくならば、大きなスクリーンで見ておくことをお勧めしておきます。



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 最後に、ネタバレを含む、私的なメモです。

 新竹でのやりとりの時のヒロインの母のセリフからすると、ヒロインの父もアタイのように「カメ」なのかもしれませんね。だからこそ、止まった時の中を動けたのかも。

 も一つヒロインの父の話。
 嘉義から台北へ戻るバスが永安漁港の近くに来た時に、「あそこでいいよ」とバスを停めて降りていくのですが、そこへ迎えに来たのはスクーターに乗った僧形のおじさん。それから考えると、もしかすると、お父さんは亡くなった(もしくは、近い将来亡くなる)のかも。あのバスに乗り合わせたのは、娘との最後のお別れだったのかな。

 ヒロインが使っているスマホはiPhoneやGalaxyではなくってご当地台湾のASUSの機種っぽく、勤めている郵便局の机の上のパソコンのディスプレイはacer製っぽかったです。ウチも同メーカーの製品をそこそこ使っているので、なんとなく親近感を覚えました。うんうん。

 もう1人の主人公である「カメ」「変人」ことアタイの使っているCanonのフィルムカメラが、とても味わいがありました。
 コンパクトレンジファインダーカメラの「キヤノネットG-III(G-3)17」と断定しましたが、デジカメではなく、アナログなフィルムカメラだからこそ、写真屋さんの店頭に飾られていたシァォチーのポートレートの大延ばし写真に意味が出てくる。それが「謎解き」に繋がったと思います。良い写真でした。
 私も、子供の頃あのカメラが欲しかったんだよなあ…。


 ここまで書いてきて、なんだけど、「カメ」ことバス運転手の「アタイ」の正しい日本語は何なんだろう?
 本作のWikipediaでの記事の繁体字版には「劉冠廷飾阿泰,公車司機」と書いてある。日本語の漢字発音でいけば「アタイ」としかならない。伸びて「アータイ」かもしれない。
 英語版を見ても「Liu Kuan-ting as A Tai, a bus driver」とあり、「アタイ」っぽい。
 この記事では英語版に従って「アタイ」と書いてきたけれど、日本語の予告編や国内版の公式サイトを見てると「グアタイ」になってる。うーん。


 

2021年7月19日月曜日

そりゃ、AT-Xの方でしょ。


 放送されているアニメに塗れている日々です。
 録画ファイルが溜まり続ける毎日は終わりません。


 無料BS放送でアニメと言うと「BS11」で、今期も新旧様々な作品を放送しておりますね。好みの作品の多さでいくと、その次にBS-TBS・BS日テレが続くような感じです。
 最近は「BS12 トゥエルビ」も、それなりにアニメの放送が多くなってきているように思います。割と古めの作品や好みではない作品も多いので、録画の対象とはならないことも多いのですが…。

 そんな中、何を血迷ったのか、7月18日(日)〜7月23日(金)の6日間は「BS12 アニメの夏っ!」として劇場用アニメを連日放送するんだそうです。
 「夏にちなんだ新旧アニメ作品」なのだそうですが、ラインナップを見る限り、「『季節が夏であること』が重要な意味を持っている」という訳でもなく、「作中の季節が夏」っぽいだけのような気もしないでもないのですけれど…。
 あ、1本は間違いなく「ひと夏の思い出」か。


 まあ、批判的な話はそこまでにして、なぜわざわざ「BS12 アニメの夏っ!」を取り上げたかというと、放送する6本の内、3本が好みの作品というヒット率の高さからです。

 ①7月19日(月)「きみの声をとどけたい

 ②7月20日(火)「ペンギン・ハイウェイ

 ③7月21日(水)「リズと青い鳥

 このラインナップ、個人的には「いいねー」と思いましてね。

 ②は2018年12月11日の
  Blu-rayで見直します「ペンギン・ハイウェイ」観覧記

 ③は2018年10月27日の
  「リズと青い鳥」を観に立川へ

 でそれぞれ取り上げていますが、どちらもお気に入りの作品です。

 ①は記事にはしていませんでしたが、2017年夏に3回見に行った、これもお気に入りの作品です。「映画館で見る、アニメ映画っていいな」っとあらためて思わせてくれた、1本です。おすすめです!


 せっかくの機会なので、この3本、是非是非ご覧になるとよいと思います。
 きっと、心に何かが残りますよ。


 どれも、19時00分からの放送です。

 リアルタイムで視聴するのが難しい場合は、録画しておいて後日視聴でもよいですね。ウチもそうするつもりです。


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 記事中でリンクを張った「BS12 トゥエルビ」の特集ページと各作品の詳細ページ、紹介画像からあらすじ・キャスト・スタッフ紹介まで、結構ちゃんと作ってます。

 こういうふうに、今後もやってくれるといいなあ。

 ところで、③「リズと青い鳥」は、AT-Xでも同じタイミングで放送されるんですよ!(※) 「嫌がらせかしら…」と思ってしまいますよねー。

 だって、「BS12 トゥエルビ」だと、CMありですが、AT-XならCMなしです。

 そこで、タイトル回収で「そりゃ、AT-Xの方でしょ」となる訳です。


 まあ、「これまでに見たことがない」という方ならば、手頃な「BS12 トゥエルビ」での放送ですけれど、「ちゃんと見てみたい」というのならばAT-Xでの放送です。本気で見たいのならば、DVDなりBlu-rayですけれど。


 ※:7月24日16:00 ~ 17:35。

  本年1月に初放送してますので、2回目かな。


2021年7月6日火曜日

「フルービー」って便利よね


☆彡 本日の記事の画像は、公開時の映画館での掲示を自分で撮影したもの以外は、いずれもショップ公式サイトのスクリーンショットからの加工引用です。その旨を御承知おきいただき、取り扱いには御注意下さいますように。★彡

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 知っている人は知っているショップなのですが「
フルービー(Froovie)」というネットショップがありまして、松竹直営で映画関連のグッズの通販とかをやってます。

サイトのスクショから、ショップロゴの部分のみ切り出してます

 「上映終了後に相当の時間が経っていて更に品切れ状態」の物はどうにもなりませんが、「現在上映中」とか、「この前まで上映していた」というような作品ならば、結構品物が残っていて、買い逃した物を手に入れることも出来ます。

重要な描き下ろしマンガが収録されているので、品切れに出来ないのかも

 昨日の記事の最後の方で「自分は買えたけれど、パンフレットが売り切れで品切れ」と書いていた「ARIA the CREPSECORO」のパンフレットも、まだ入手出来るようです。

 一瞬「買うか!」と思ったのですが、まあ、ウチには既に2冊あるので、思い止まりました。ふう。


 本題はここからなのですが、「ARIA the CREPSECORO」のBlu-ray&DVDが来たる8月18日に発売されるので、「いい加減手配しなくては」と思い、改めて作品の公式サイトを見てました。

 店舗特典の観点から、当方の選択は「楽天ブックス」と「フルービー」になりました。
 楽天ブックスは「アクリルスタンド」が先着で付属するのと貯まっているポイントもあることが決め手。

この絵をアクリルスタンドにしたみたいですね

 絶対に卓上等に飾らない自信がありますが、パンフ・ポスター・公式サイト等で目にした「キーイメージ」がアクリルスタンドになっているのは良いですねえ。

 「フルービー」は「絵コンテ集が付く」と言うのが決定的です。
 「作り手がどう考えて、『あの絵(シーン)』になったのか」を考える時には、絵コンテは欠かせませんものね。
 遅れて来たファンですが、これからもこの作品は何度も観ることでしょうから、参考資料は手に入れておきたいと思いまして。

あああああ。決済……。

 「まあ、少ないけど夏ボーナスも出たしねえ。ほら、予備も押さえておかないと!」ということで、半泣きで2つ買っておきました。
 この「予備」という発想がお財布には良くない訳ですが、半分「職業病」なもので…。


 ということで、「松竹が配給した作品ならば公式通販の『フルービー』は便利だよ」というお話でした。



P.S. 
 松竹が配給しているので、劇場版の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズの商品も若干あります。
 「『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』のパンフレット、増刷してもらえませんかね」と切に希望していますが、それは、京アニさんに要望することか…。
 テレビシリーズもしくは外伝の周年記念の時にでも、是非!