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2024年12月31日火曜日

今年も終わりですね


 毎年同じようなタイトルを書く。
 毎年同じような内容の記事を書く。
 良くも悪くも区切りの日なので、この先、正気でいる限り繰り返すはずだ。


 今年は、長年勤めた会社を夏で辞めたという大きなイベントの年になった。

 家人たちの状況も大きな理由だけれど、「もう、いいかな」と思ったのが最大の理由だ。
 定年退職が見えてきて、絶対安定の会社だから我慢しているという選択肢も無いではなかったけれど、勤め始めた約30年前からは想像も出来なかったような職場の変化もあって、正直なところ「疲れ果てた」感じだった。
 そんな訳でワガママを通し切って、夏に退職した。

 次の仕事のあてがある訳でもないので、「どうしよっかな〜」と思いながら毎日ポケーっと過ごしているところ。
 年が明けて、春になれば、今春患った五十肩も良くなっているだろうし、次のことはその頃になって考えれば良いかなと。

 ヴェルヌの「二年間の休暇」とまではいかないけれど、ま、「1年間の休暇」ということで。


 今年撮った写真の中から気に入っている1枚を。

幼いながらに真剣な眼差しが可愛らしい!

 ひょんなことから存在を知り、以降は時々出掛けている「さいたま市岩槻人形博物館」。
 2024年1月27日〜3月24日に開催された企画展「にんぱくの雛祭り −商家に伝わるお雛さま−」を見に行った時に写したものから編集してみた。

 これは人形作家の平田郷陽(ひらた ごうよう)作の「独楽(こま)」という作品。
 同じ展示室にたくさん人形が並んでいる中で、この子から目が離せなかった。

 解説パネルには「郷陽は子供の遊びを主題とした作品を多数残しているが、本作もそのうちの一つ。独楽を放つ際に邪魔にならないよう、左手で右腕の着物の袂を押さえ、独楽を放った直後に右腕を引いた瞬間を捉えている。足の踏み込みもリアルである。顔は生人形の技術を身に着けた郷陽ならではのもので、きゅっと口を結んだ顔がかわいらしく印象的」とある。

 そう、「きゅっと口を結んだ顔がかわいらしい」のよね。4〜5歳位なのだろうかと思うのだけれど、小さな子供なりに真剣に独楽を回そうとしている姿が生き生きと伝わってくる。

 無心に好きなことをしようとしている姿を見ていると、「今、あんな風に何かに熱中出来るのかなあ」と我が身を省みる。
 歳をとると、新鮮さが薄れるけれど、来年はどうにかしたいものよ、と思う。


 辛気臭い話になってしまったけれど、皆様、良いお年をお迎えください。


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 少しだけ補足。

 一般的には「十五少年漂流記」で知られるけれど、原題は「二年間の休暇」。漂流して島で暮らしていた期間を「休暇」と捉えるあたり、ヴェルヌのセンスは素敵ですね。
 本で読むのなら、福音館書店の福音館古典童話シリーズ版の「二年間の休暇」がおすすめ。文庫では味わえない満足感がある。


 さいたま市岩槻人形博物館では、毎年初春の企画展はお雛様にまつわる内容で開催している。2025年も「開館5周年記念 雛の名品~おひなさまづくし~」として、2025年1月25日~3月23日に開催されるそう。
 結構、人博のお雛様は見ている気がするけれど、まだまだ名品があるんですね。来年もぷらっと見物に出掛ける予定です。今度こそ「豆腐ラーメン」を食べるぞ!、っと。

 

 

2024年10月29日火曜日

お土産購入ツアーと、愚行へ一直線。


 20時30分函館発の青森行き。
 青函フェリーだと、海峡横断には4時間かかるので、青森には翌日の0時30分過ぎに到着。

 下船したら、とっとと当夜の宿泊地である「道の駅  浅虫温泉」へ移動。
 良さげな位置に車を停めたら、椅子を倒して、くつろぎ体制に入る。記事を投稿したら、トイレを済ませて即仮眠に。
 いやー、北海道よりは暖かい気がする。


 3時間位眠ったら、スッキリ目覚めた。フェリーの中でもぐっすり眠ったので、割とコンディションは良かった。
 トイレを済ませたら、即出発。長年来たいと思いつつ実現できていなかった夏泊半島へ移動し、現地視察。
 ツーリングマップルには「半島一周はおすすめ」とはあるけれど、あまり道路が良くなく、朝一から精神的に疲れた。
 夏泊半島に関しては、語ると長いので、いずれ別途記事にする予定。

 夏泊半島を軽く一周したら、国道4号線を南下して三戸まで移動。三戸から国道104号線で田子町の中心部を目指す。

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 お土産には、「ここに来たらコレを買って帰る」という定番がある。
 弘前だと、なにがしかのリンゴ関連のお菓子。
 ここ最近は「ラグノオ」のアップルパイ系が多い。
 ラグノオの、お菓子高いんだよね。渡した相手が価値わかってくれてるといいんだけどねえ。どうなんだろうか。
 

 広い意味で「青森」ということだと、「にんにく」関連もある。
 向かっている田子町は、国産ニンニクのブランド産地。ほら、「や○やの健康ニンニク」とかのCMでも出てくるでしょ。
 この町が戦後、国内有数のニンニク産地となるまでの物語はなかなか奥深い。先見と守勢ですな。
街灯毎に「四季の行事に興ずる王子のイラスト」の小旗が出てます。
それが実に可愛らしくて良いです。

 そんなニンニクガチンコの田子町なので、「ガーリックセンター」という施設がある。
「ガーリックセンター」を名乗る割に、ショップとレストランしかない。
もう少しニンニクそのものに関する解説・展示があると良いのでは?
商品には調味料系も多いので、それらの試食も欲しいですな。
 
 まあ、実際は町が関係しているニンニク製品の販売とニンニク関連のレストランなのだけれど。

 過去にここで買った「ニンニクジャム」がなかなか好評だったので、また買いに来たというわけ。通販だと○円だけど、ここで買うと相当にお値打ちなのね。 
 両者には結構差があるので、ここにはお値段は書けませんが。


 その後、田子町から十和田湖までは近いので、十和田湖をチラ見しに行った。恥ずかしながら、当方、未だに十和田湖を見たことがない。
 田子町からの国道104号線で外輪山を登って最寄りの発荷峠に行ってみたのだが、折からの紅葉シーズンの日曜なので、きっと第1駐車場は大混雑なのだろう。これまで走って来た国道104号線とは、走る車の台数が違う。
 その手前の第2駐車場はガラガラだったけれど、そこからはどう頑張っても十和田湖は見られそうもない気配。
 「んじゃ、やっぱこの先の第1でしょ。十和田湖を眺めて、そこからUターンして戻り、小坂・鹿角方面へ降りていこう」と思っていたのだが、紅葉シーズンはそんなお手軽なルート選択を許してはくれなかった。
 中央真ん中下に見えるのが十和田湖の水面。
前走のアクアの前、道路に後部はみ出させたバスが見える。
そこが発荷峠第1駐車場の入口。


 第1駐車場は、観光バスに自家用車で大混乱のカオス。とても、中に入ってUターンなんて出来そうもない。致し方なく流れに流されるまま壁を下り、湖畔の「道の駅 十和田湖」まで来てしまった。
 出来ればここでUターンして国道104号線と秋田県道2号線の分岐まで行きたいと思ったのだけれど、出来たばかり道の駅は、駐車場が満車で道路にも入場待ちの車が溢れてる。なので、ここでもルートに選択の余地は無く、そのまま国道454号線で滝ノ沢峠へと進んでしまった。
 あーあ。鹿角の「ユニバース 毛馬内店」に寄って、「ねぷた」シリーズのリンゴジュースを探し、有るようならば箱買いして帰りたかったのだが…。

 仕方なく、そのまま国道102号線で青森県黒石市まで行き、「ユニバース 黒石駅前店」へ。

売り場の造りは、過去に訪れた弘前の南大町店と同じっぽい。

 結果的には、欲しい物はみんなあって、リンゴジュースもラグノオの「気になるリンゴ」も、全てがこの店で揃った。災い転じて福となす。うん、便利だ。
 駐車場も広いし、これからは黒石駅前店でお土産は調達だな。弘前からはやや離れているのが不便だけど。
 もしかして、イオンタウン弘前樋ノ口店でも全部揃うのかもしれん…。来年の桜祭りで行けたら、調べてみよう。


 今回の行程では、結局弘前には寄らなかった。なんとなく疲れていたのか、南下する方を優先してしまった。
 今日は車の中でパンを食べただけで、空腹だったのもあって、それなりに満足出来る晩ごはんを食べたかったし。

 先日石狩市の「町の蕎麦食堂 蕎麦町 石狩花川南店」で蕎麦を食べたのだけれど、「この食べ心地、どこかで経験したことあるなあ」と思いながら麺を咀嚼した。
つい「メガ」を注文。届いたの見て「あ、やっちゃった?」と思いましたよ。
でも、割と楽勝で、追加のとり天丼を「通常サイズ」にすればよかったなと…。

 その後、車を走らせていて、思い付いた。「あの店と同じだ」と。
 山形県東根市にある「かつMI さくらんぼ東根神町北店」で食べた「肉そば」の麺だと。
 ということで、「よし、今日の晩ごはんは『かつMI』で肉そばだな」と決めた。なので、ルートは、かつMIに向けて最短のコースにした。あと、疲れているので国道282号線の坂梨峠は走りたくないし、 国道7号→秋田自動車道で大館・鷹巣へ。鷹巣からは国道105号線で、阿仁・角館経由で横手・湯沢へ抜けて、その後山形県内を縦断し東根市へ。

 食べログの「蕎麦町 石狩花川南店」のクチコミに「あれ? 蕎麦の食感が」という書き込みがあるのだけれど、蕎麦町ではあるタイミングで使っている蕎麦の麺を切り替えたということのようだ。自家製麺の蕎麦屋でない限り、製麺屋の麺を使っているのだろうけれど、今回の2店は同じ様な麺を導入しているということなのだろうな。

とんかつの定食系も捨てがたいのですが…。

 かつMIさんの方は、元々とんかつ等の揚げ物が主力。蕎麦については、「山形の肉そば」という地域の名物食があり、副次的に扱うことで店舗の競争力を上げるために導入しているのだろうから、本来得意なものではないだろう。そうなると、食品取り扱い店の売っている生麺を使っているのかもしれない。

 かつMIさんは、揚げ物メニューも値打ちなので、カツ丼+肉そばとかだと値打ちで満足感がある。
 なので、今回も「ダブルロースカツ丼 並盛」+「冷たいおろし肉そば 特盛」という飽食の組み合わせ。というか、鱈腹・満腹の域を超えて、食い過ぎの領域だわな。
 でも、次にここで食べるのがいつになるのか分からないのなら、心残りなく食べたいじゃないですか…。

人間の体の仕組みとして、「咀嚼すると満腹感が発動される」がありますな。
すすり込むだけの麺類(特に冷たい蕎麦)は、大食いに有利なのかも。
だから、わんこそばなんじゃないですかね?

 食後、以前にも立ち寄ったコンビニでアイスコーヒーを買い、駐車場でこの後のルートをどうするか検討していたら、お腹に違和感が…。
 ヤバい、お腹壊したか…。でも、原因の心当たりが浮かばない。やっぱ、あれかねえ、半額の握り寿司を2パックむさぼり食ったのが良くなかったのかねえ。でも、割引き対象の生モノなんてしょっちゅう食べてるから、あんなパック寿司位で影響があるとは思えないけど。疲れかしらん。
 我慢しながら「道の駅 天童温泉」へダッシュして、トイレに入る。
 切羽詰まっていたので選択の余地はないけれど、ここは個室がウォシュレットじゃないのね。少し残念。今やウォシュレット当たり前なので、もう少し整備して欲しいなあ。

 スッキリしたその後は、とりあえず喜多方を目指して南下。
 国道121号沿いの「道の駅 田沢」でヨーグルト系のドリンクを買ってチビチビ飲みながら、濃霧の中「道の駅 会津柳津」まで。真っ暗けっけのトイレで放尿したら、シートを倒して崩れるように就寝。本当はもう一つ先の「道の駅 尾瀬街道みしま宿」まで行きたかったけれど、残り10kmが運転できなかった。


 お土産を買い廻って、その後は身体に良くなさそうな過食へ一直線。そうして疲労を押しての長距離走行。

 そんな本州復帰2日目のドライブでありました。
 ま、ある意味平常運転ですが…。


 

2024年10月26日土曜日

帰るとなれば、そそくさと。

 しばらくの間続けてきた、「北海道旅」は唐突に終わる。記事は、帰宅してから上げ直す予定ではある。スマホからは出来ない処理もあるので。
 旅自体は、もう少し続く。

今年2回目の仮眠中です。

 今は、青森県の「道の駅 浅虫温泉『ゆ〜ざ浅虫』」にいる。


 道南の秘境(?)に、松前郡福島町岩部〜上磯郡知内町小谷石間の海岸地帯がある。まあ、勝手に「秘境」と呼んでいるだけなので、地元の方からすれば「何を言ってやがる!」と怒られるかもしれないけれど。

 津軽海峡沿いに、福島町からの「北海道道532号岩部渡島福島停車場線」と知内町からの「北海道道531号小谷石渡島知内停車場線」という2つの道路があって、番号といい、並び方といい、繋がりたそうな感じが伝わって来る。2つの町(集落)を繋ぐ、海岸沿いの道としていい感じだ。
 でも、実際には繋がってないし、今後も繋がらない。というか、工事すること自体が非常に困難だ。

 管見の限りでは地形名が分からなかったが、福島町と知内町の間には、池ノ岱山〜岩部岳〜無名峰〜丸山〜尖山と連なる小山脈による山塊があり、山塊の末端がそのまま津軽海峡に落ちていて、道路を通したい海岸線沿いにそれだけの土地が無い。
 岩部集落も小谷石集落も規模は小さく、仮に土木技術を徹底的に投入して道路を作り、両集落を結んだとしても、コスパが悪過ぎる。管理も、難しそうな難所に道路を作らなくても、若干遠回りになるかもしれないけれど、内陸側に立派な国道228号があるのだから、そちらを通ればいい。

 ということで、この2つの道道は繋がらず、両集落共に道の果て、行き止まりの秘境のままである。

 かなり昔、「両集落はどうなっているのだろうか」と思って、見に行ったことがある。
 福島町側の岩部集落は、最近は険しさと引き換えに風光明媚である海岸線を遊覧するクルーズもあるようだけれど、その頃はそんなものはなく、行き止まりの狭い集落があるだけだった。
 道端で、おばあさんが何かしていて、他県ナンバーの見かけない車が侵入してきたことに対して、なかなか厳しい表情を向けられてビビった記憶がある。すぐにUターンして逃げだした。

 知内町側の小谷石集落は、小さな集落ながら漁港があり、海鮮料理を供する宿もあるなど、岩部集落よりは開けて豊かそうだった。

 そもそも、ほとんど渓流のまま海に下る岩部川の周りにわずかに平地があるだけの岩部集落と、もう少し規模の大きな上ノ沢・中ノ沢川による平地がある小谷石集落とでは、集落の規模がかなり異なる。

 そんな小谷石集落の入口の道道沿いに「イカリカイ駐車公園」というのがあって、「ツーリングマップル」にも「北海道キャンプ場ガイド」にも、「小綺麗で、トイレもある、バーベキュー出来る所」というような紹介で掲載されている。
 以前、小谷石集落を見に行った時から気になっていて、「いつか車中泊してみよう」と思っていた。

 今回の長い北海道旅の締めくくりは、そこでの車中泊だなと決め、知内のさっぽろCOOPで半額のお寿司・おにぎりと飲み物を買い込んで意気揚々と「イカリカイ駐車公園」へと向かった。

 まあ、ピークである夏は過ぎたし、秋ももう終わって冬の気配を感じる今時分、週末金曜日だと言ってもそんなに人はおらんだろうと思って車を走らせた。
 「確かに、人はいなかった。照明の具合も、駐車する位置を調整すれば我慢できそう。案外、夜空には星も見える一夜の宿には悪くない」のだが、なんか違和感がある。

街灯にかかっている白いのは、結露した湿気です。
あと、窓が汚れてる。

 トイレに黄色い板のような物が立て掛けられているようなのだ。似たようなのは、これまで、道東・道北の道端の駐車場公園で散々見たような記憶がある。嫌な予感。

やべえ、切羽詰まったら立小便するしかないのか?
お腹痛くなったら、どうすればいいの?

 近寄って見てみると「冬季閉鎖 10月下旬から4月中旬まで」と張り紙がしてあった。
 なんてことだ。加齢と、やたらお茶やらなんやらを飲んでいるせいで、このところ夜中に何度かトイレに行くのに、肝心のトイレが閉鎖で使えないとは!!

 その瞬間、「ここは、今夜は無いな」と。
 「そろそろ帰るか」と心が決まった。

 昼食を抜いていてお腹が空いていたので、とりあえず買ってきた半額の寿司とおにぎりは食べた。車を降りて、何枚か写真は撮った。

 そうして、一路、函館港のフェリーターミナルに向かって走り出した。
 乗れるようならば、今夜の便で本州へと帰るために。
実際に下船したのは0時35分過ぎでした。

 10月13日に上陸してから12日間滞在した過去最長の北海道旅は、こうして終わったのだった。

 東北で何日か過ごしたら、帰宅する予定である。
 とりあえず、今日は夏泊半島一周してから、田子町へ買い物に行き、十和田湖を眺めてから、弘前で温泉につかって、深浦あたりまでと考えている。

 ちなみに、小谷石集落には海鮮料理の充実した宿があったりするので、機会があれば泊まりに行きたいとも思うのだけれども。


2024年10月23日水曜日

10月23日の午後3時と午後4時に。旭川で。


 良くわからんタイトルで、すみませぬ。

 「水曜の朝、午前3時」っぽくしてみたかったのですが…。力量不足です。

 さて、前回「23日の午後に、旭川に居たい」と書いたのですが、その理由の話。


 話せば長くなるのですが、私、信仰上の理由で「ツァイスのプラネタリウムこそ至高」な人なんですが、ここ「旭川市科学館サイパル」のプラネタリウムはツァイスなのです。

 昔、旭橋の袂の常磐公園にあった頃(←「旭川市青少年科学館」の頃ですね)からちょくちょく寄らせていただいているのですが、このところ来られてなかったんですよね。
 直近だと、6年前の11月末かな。

 あの時はタイに行った帰りに、特典航空券のルートの関係からバンコク→羽田→新千歳→中部として、札幌市青少年科学館から旭川市科学館とハシゴしてプラネタリウムの投影を見たんでした。
 前日からの雪が結構降り積もってて、旭川駅からの行きこそタクシーに乗れたものの、帰りは、雪の日に科学館の周りなんて流しているタクシーは見当たらず、半泣きで旭川駅まで足元をぐしょぐしょにしながら歩いた記憶があります。
 札幌までの高速バスの時刻に結構ギリギリで、雪を踏み踏み歩くのはしんどかった。新雪だったのが救いでしたが…。

 その後、仕事の都合や新型コロナウイルス感染症の流行とかもあって全然来られなかったんですな。


 本当は、今回の旅程ではもう少し早く来たかったのですが、あいにく投影機のメンテナンス作業による投影中止があったのです。

プラネタリウムのロビーにこんな掲示が残っていました。
この問題に対する緊急メンテだったのかな?

 「久しぶりに、ツァイスの星空を観に行くか」と思ったのですが、スケジュール調べたのが18日の夕方で、翌日19日から22日までがメンテナンスによる休止。
 さすがに4日間も旭川近郊をウロウロするのはアホらしく、最初は「日程合わせるのもなあ…」と思っていたのですが、なんとなくダラダラと、歌登でボーッとしてたり、北海道横断おかわり等をしている内に、23日の再開に合わせられそうになり、せっかくの機会ということで、今日の訪問となったわけです。 

 午後3時10分からの「ドームシアター『~星と海に抱かれて~ アジアンヒーリング 』」と、午後4時10分からの「一般番組 『月と衛星のお話し』」の2回の投影を見てきました。

 前者は、ほぼデシタル投影のみ。
 ボケボケの星空で、一瞬「え、メンテナンス出来てないの?」と思ったのですが、ある意味、全てがパッケージになったコニカミノルタプラネタリウム製作の動画(ソフト)なので、ツァイスの星空ではなかったのですね。敢えて言うのならば「ミノルタの星空」でした。

 後者は、サイパルの企画製作したオリジナルのプログラムで、こちらはツァイスの投影機を使う本来の内容です。
 日が沈み、一番星が見えた瞬間に、「あ。ツァイスの星空だ」と納得する美しい星空を見ることが出来ました。やっぱり、ツァイスの投影機しか勝たん!

現在、サイパルのプラネタリウムの主役を務める、ZMP型投影機。
小さいけれど、とても高性能な子です。カッコいい。

 独自の番組を作っておられるだけでも素晴らしいことではあるのですが、惜しいことに投影時間が40分とやや短く、季節の星空の解説も、特集の内容も、どちらもやや中途半端なんですよね。もう、10分延ばしてもいいと思うんですけどねえ。

 あと、「今回の投影は○○が、担当します」と掲示されているのですが、あんまり「解説者の個性」を感じないんですよね。まるでテープ音源のような、感情の籠もらない解説。
 当方、「昭和の時代に育った古い世代のプラネタリウム者」故、解説者各々の特有のスタイルがある方が親しみやすさを感じるんです。平日は1日1回しかやらないサイパルオリジナルのプログラムなのですから、もう少し伸び伸びやってもいいんじゃないでしょうか?


 チケットを買う時に「2回ご覧になるのなら、年間パスポートを入手された方が有利です」と窓口の方が教えてくれたので、名古屋からは遥かに離れた旭川市科学館サイパルの年間パスポートを作りました。
 更新の為もあるし、10月は自分の誕生月でもあるので、年に最低1回位は来ることにしましょうかね。
 コロナ前は中部⇔旭川の定期便があったので、旭川へは楽に来られたのですが、今は復活したんですかね? でも、中部⇔新千歳として、JRの旭川直行の列車で移動すれば、手間は変わらないのかもしれません。LCCも飛んでるし、お値打ちに旭川に行けるかも。
 ん? そもそも、年間パスポートは年度毎では? となると、4月に来て新しいヤツを作るのが本筋かも。帰宅したら、ちゃんと調べてみようかな。


 そんなこんなで、今日は久しぶりにサイパルで「ツァイスの星空」を堪能することが出来た楽しい1日でした。

平成17年まで使われていた投影機である、ZKP-1型。懐かしいです。
この投影機には、個人的に深い思い出があります。

昔は、恒星投影ユニット毎に機械(重錘=重り)式のシャッターが付いてました。
シャッターは、地平線の下の星が投影されないようにする為にあります。
今はコンピュータ制御です。


 明日からは、いよいよ名古屋に向けて南下開始です。とっとと寝ますかね。

2024年10月22日火曜日

おかしい人の走行ルート


 ここは増毛の町外れ。
 以前にも利用したことのある「大別苅(おおべつかり)防災ステーション」で仮眠した。

 以前は暑い真夏の夜で何台かトラックとかも停まっていたが、時季的なものか、今回は自分の車以外は朝まで現れなかったようであった。

 昨夜は、事務所の方はちょっと残業してたみたいですね。ご苦労さまです。

 一応は北海道建設局の出先事務所を兼ねているからか、治安的に荒れておらず、小綺麗で良い。
 それでも「トイレットペーパー持ち出し禁止」の張り紙があって、「なんだかなぁ~」と思う。
 自宅以外の、他所の公衆トイレにあったトイレットペーパーだなんて、なんかばっちい気がして持ち出す気にならんけど。平気なのかしらねえ?


 さて、「南下する」とか言ってたが、あれは嘘だ。
 気が付いたら、今朝は再び釧路市にいる。

 大別苅防災ステーションを出て、石狩市の大盛りの蕎麦屋に行くまでは、そのまま素直に積丹半島を回って松前方面に向かうつもりでいたのだけれど、たまたまコンビニで「原田治展、釧路でやってまっせ。巡回展の最終ですぜ」という告知を見てしまい、「あ。行かなきゃ」と思って、釧路方面に進路を取ったのだった。
 走り難い札幌市街の縁をかすめてから、国道274号で北広島→夕張と進み、日勝峠を越えて再び十勝平野に戻って来た(この旅で3度目)。

 久しぶりに日勝峠越えたけど、東行きは楽でいい。西行きだと、十勝清水から先はいきなり急な登りだけど、東行きは日高市街からゆるゆると高度を上げての峠だからな。非力な軽自動車乗りにとっては、西行きよりも東行きが良い。

 帯広市内の、何回か利用したことのある日帰り温泉で入浴する。住宅街のど真ん中にある、不思議な温泉である。
 それにしても、相変わらずウェーイ系の客の多い、陰キャにはツラい公衆浴場だ。モール系の茶色いお湯は心地良いのだけれど、浴槽でザッパザッパ波立てて荒ぶる客を見てると、なんか落ち着かん。

 「道の駅おとふけ なつぞらのふる里」に立ち寄る。
 トイレは綺麗だった。でも、「トイレ利用のマナーについてのポスター」を見ると、いわゆる「車中泊」の人達の質の悪さが目立つな。
 歯磨きは微妙だけど、洗髪・食器洗い、ましてや糞便の処理をトイレの洗面台でやるのは問題外だわな。嫌われても仕方がないな。駐車場にはヘッドライト点けっ放し・アイドリングしっ放しのSUVが何台もいる等、カオスである。ここはダメな道の駅だなと思いつつ出発。

 その後、怪しげな道を淡々と走って「道の駅 しらぬか恋問」に午前2時30分頃に到着。


 仮眠して朝起きたら、外はなかなかに荒れた波が打ち寄せていた。

海塩粒子をドバドバ浴びております。鉄が錆びる〜。

 どんよりとした曇りくらいで、そんなに天気は崩れてなさそうなのにねえ。
 先日、ここの横を通った時とは全然違うねえ。やっぱり、19日の夜に一荒れしてから、冬のお天気に入れ替わったということかねえ。
 夜、車中で仮眠してても寒くなったし。

 その後、朝ごはん代わりのドリトスを食べて、釧路市立美術館へ。

立派な建物ですね。幣舞橋渡って丘の上にあるのね

 ここは「生涯学習センター」のビルにいろんな施設が入居してるのね。最初は、美術館がどこにあるのか分からくてウロウロした。

「美術館は3階です」

 遥々走って来た「原田治展」だけれど、規模的にはミニ展覧会程度で、約1時間位で見終わった。

一応、念の為に写り込んでたスタッフの方は消しゴムマジックで消しました。

 労力に見合わない気もしないでもないけれど、まあ、展覧会はこんなもんでしょう。
 展示の内容自体は図録を読めば把握できるけれど、「現物を自分の目で見る」ことに価値があるということで。


 ということで、さて、どうしようか。
 23日の午後に旭川に居たいのだけれど。

 温根湯温泉にある「山の水族館」に行きたい気もするけれど、再訪だし、わざわざまた北見の方へ行くのもなあ。
 それに、そこから旭川までのルートが…。石北峠は、三国峠を降るために既に越えたし、遠軽から白滝を抜けて上川→旭川も数日前に走ってる。

 今回、道央の真ん中の富良野・美瑛には未だ進入していないので、それならば釧路市→帯広→新得→富良野→美瑛→旭川というのが、無理がなさそうで良い。

 ということで今日の午後のルートは、それに決めた。富良野の手前まで進んでおこう。

 なるべく同じ道は走らないようにしているけれど、浦幌町で国道38号から道道1038号に入って、海岸沿いを走るのは致し方ないな。海岸線ギリギリを走る景観の良さは、何度走っても飽きないものがある。

 先日はパスした「昆布刈石展望台」にも寄ってみた。

西側からの方が、高低差も少ないし、安心ですな。

 東側から登る道は崖に面していて、「落ちたら死ぬ」と思うと、滑りやすい砂利敷きの道はちょっと恐ろしい。

これは西向きに進む帰り道の様子。こっちは崖に面してないので、心理的にはマシ。

 調子に乗って走ってたら、ズルっとして、思わずカウンター当ててました。

 それにしても、スケールの大きな絶景ですな。
 外海である太平洋に直に面してるんですよね。対岸は北米大陸になるんだよねえ。

 アブのような虫が飛び回っていたので車から外には出なかったのだけれど、もう少し寒くなって、そういう虫類が絶えた後ならば、昼の景色も、夜に星見るのも絶好の場所じゃないかしら。その時期だと、晴天のタイミング狙うのが難しそうだけれど。


 ゆるゆると帯広近郊まで帰ってきた。
 朝6時にドリトス食べただけなのでお腹が空いた。
 いろいろ考えたけれど、すっかり気に入ってしまった「インデアン」のカレーを食べることにした。で、夜は、名残りの豚丼のつもり。

 ということで、数日前にも来たインデアン音更店を再訪。

 前回は「インデアンルー/辛さは普通/大盛り/カツをトッピング」だったのだけれど、食べログのクチコミを見てたら「チキンにチーズをトッピングしたら、最高だった」とのことで、気になっていたので「チキン/辛さは中辛/大盛り/チーズをトッピング」にしてみた。
普段食べ慣れてるココイチのシャビシャビなルーとは違う。

 なるほど、濃厚な牛肉の風味を強く感じた「インデアンルー」と違い、「ベーシックルー」はそこまで牛肉の風味の主張が強くなく、これは食べやすい。
チーズはどこに居るのかね?

 ホロっと解れる大き目なチキンも美味しい。チーズは、溶け込み過ぎていて存在がよくわからんかった。まあ、でも、美味いカレーだった。

 ところで、器の形状のせいか「大盛り」というほど大盛りでもない気がするんだよね。まだ、もう少し食べられそう。簡単に来られる店でもないから、せっかくだし、もう一つ食べよう。

 ということで、「インデアン/辛さは中辛/大盛り/エビをトッピング」を追加注文。前回来た時に「エビエビの辛さ普通」という他のお客さんの注文が気になったんだよね。
 素直に「エビ」にするべきなのかもしれないけれど、「エビ」は「ベーシックルー」だから今食べてる「チキン」とカレールーは変わらない。「インデアンルー」との違いが知りたかったので、あえて「インデアンにエビをトッピング」としてみた。

「スプーン、替えますか?」「いえ。わざわざ洗い物増やすまでもないですし。」

 おお。エビたっぷりだ。
 食べてみると、なるほど、牛肉の風味強め。
 エビが割と淡白なので、牛肉の風味の強さに負けてしまっている感じ。

芸の無い写真ですみません…。

 食感的にも、それ程弾力感が強くない「むきエビ(小さめな芝海老?)」なので、エビの主張が弱いな。ここは、やっぱり車海老系の、強いエビが欲しい所かな。ルーがマイルドな「ベーシックルー」なら、コレでもまったく問題はないんだろうけれど。

 やっぱり「適材適所」は何にでもあるもので、ルーの味そのものを楽しむのなら「インデアンルー」、併せた食材の風味も楽しむのなら「ベーシックルー」ということなのだろう。
 「インデアンルー」は、ルー自体に負けないようなトッピングじゃないと、トータルで楽しめない気がする。
 ルーにはもう1種類「野菜ルー」というのがあるのだけれど、野菜好きじゃないし、敢えて選ぶ必要はないかな。
 いつになるかはわからないけど、今度来たら「エビ/辛さ普通/大盛り/エビをトッピング」を食べてみようと心に刻んで、店をあとにした。

 さすがにお腹一杯になったので、晩ごはんは抜くことに。
 豚丼は、なんなら自宅で拵えてもいいからねえ。
 しばらくの間複合店舗の駐車場の隅っこで腹ごなしの昼寝と洒落込む。こういう気楽さが車で旅することの良さであるな。食べてすぐ寝ると牛になるけどな。


 気持ちよく昼寝をしていたら、午後6時を過ぎていた。慌てる必要は無いのだけれど、そろそろ動こうか。
 複合店舗の向かい側のガソリンスタンドで燃料を満タンにして「道の駅 南ふらの」へ。

 そうして、午後8時半に到着し、今、記事を投稿するところ。
 昨日〜今日の走行距離は350km程。距離はたいしたことないけれど、今回の旅の序盤で一度訪れた帯広・釧路方面にまたまた舞い戻るというのは、おかしい人の行動だと我ながら思う。合理的じゃないわな。


 さて、投稿したら、眠ることにしよう。
 あまり冷え込まないといいんだけどねえ。
 おやすみなさい。



2024年10月20日日曜日

今日は歌登でボーっとしてた


 天気予報の通り、昨夜遅くからしばらくの間雪が降った。

 名寄で溜まった洗濯物をどうにかしようとコインランドリーに入った。
 洗濯機で洗濯している間は、車の中の整理整頓をしていた。
 洗濯が終わり、洗濯物を乾燥機に移し替えて10分間乾燥させ、取り出した物をざっくり畳んで着替えを入れている収納袋に収めて、さて、「車に乗って出発やね」と店の外に出てびっくり。この20分位の間に外は雪になっていた。


 名古屋はまだ秋真っ只中なので、当然雪なんてこの時期には降りはしない。なので、これが今シーズン初めての雪になる。
 降り始めから間も無いせいか、路面は濡れているだけで走行には支障はない。
 せっかくなので、もう少し北の方へ進むことにして、結局、「道の駅 おといねっぷ」で仮眠。

 明け方、寒くて目が覚める。
 「環境と燃費に良くない」とは思いつつも、足元の寒さに耐えられず、しばらくの間エンジンを掛けて暖房してからもう一度眠った。

 午前6時頃に、再び寒さで目覚めた。
 もう、外は明るくなっていたので、昨晩買っておいたパンを食べ、トイレを済ませたら走り出すことにする。
 積雪して、路面がヤバそうなら引き返すつもりで、国道275号で天北峠・敏音知岳方面へ向かう。


 「もしかして、雪、かなり積もっているのかな」と恐る恐る走っていったのだが、路面にはまったく雪が無い。それでも、凍結とかしていると怖いので、慎重に進んでいく。

 薄っすら雪化粧した敏音知岳を眺めながら、進む。
 「道の駅 ピンネシリ」の駐車場には1台も車は停まっていなかった。

 さて、これからどうしようか。
 このまま浜頓別まで行ってしまうと、一昨日走った国道238号をもう一度走るしかなくなる。それはさすがにアホらしい。ではどうするか。中頓別から道道120号で、南東へ向かって進み、どこかで一休みして、その後は決めよう。

 そうして、歌登の一角にある駐車公園に辿り着き、一休みしたら、居心地の良さについつい長居してしまったと言う訳だ。

 シートを倒してのんびりと本を読んだり、昼寝をしたり。セイコマでお昼ご飯買って食べ、また昼寝したり…。

 さすがに「このままではイカン」と思って日が傾いた15時過ぎに、今日の残りの行程を決めた。
 朱鞠内湖へ出て、その後北竜町から増毛町へ。そろそろ道北にも飽きてきたので、月末頃の帰宅を視野に入れて南下し始めようというところ。

 そうして、今は増毛の町外れで一休み中。
 寒くて起きてしまったら、そのまま国道231号を石狩方面へ進むことにしよう。燃料の残りの具合もあるので、暖房の為にアイドリングするくらいならば、いっそ走ってしまった方が良いだろうから。
 ここから札幌まで120km程。これから走り出しても、2時間半あればたどり着けるのかと思うと、停まって一休みするか、走るのかが悩ましいところである。
 都会の札幌まで行けば、夜中でもどこかの飲食店は営業していて、「何か温かい物が食べられる」のに心惹かれる……。
 うーん、小腹が空いているんだよねえ。

2024年10月19日土曜日

ユニクロおじさんの誕生@上湧別


 先日誕生日を迎え、また1つ歳をとった。
 まあ、まだ「アラフィフ」側なので、安心だけれど。
 これまでは、当たり前のように「歳をとるというのは『成長』だ」と思っていたのだけれど、五十代にもなると、成長などではなく劣化・老化なのだなと思う。
 これまで大丈夫だったことがダメになり、出来ていたことが出来なくなる。毎日、新たなる自分の劣化を味わい始めたところである。


 さて、もともと、服には興味も関心もあまりなかった。裸では生きられないから服を着ているだけで、なので、デザインとかよりも、「吸湿速乾」とか「保温性能が高い」「風を通しにくい」等々、機能・性能を重視している。
 そんなタイプの人間にとって、UNIQLOは案外興味深い製品が多く、気になる存在だ。
 エアリズムやヒートテック等、インナーはこれまでもちょこちょこ買って着ていたし、フリースのジャケットも、高価な他のメーカー・ブランドのものよりも気を使わなくて済む分、長年愛用している、

 それに、旅先で手軽に「いつもの衣料」が買えるというのも良いところだ。そこそこの規模の町には、UNIQLOの店舗があることが多く、いつも着ているインナーと同じ物が買えるのは便利でいい。
 
 今、北海道周遊の車中泊旅の真っ只中なのだけれど、自宅付近ではスケジュール的に間に合わなかったので、通販した品物を途中のお店で受け取りしたし、別途、足らなくなったTシャツを買ったりもした。
 
 足らなくなって困ったと言えば、下着とズボンだ。
 慌てて出発したこともあって、下着とズボンが着替え1回分と最低限度しかなく、「どうしたもんか」と。
 店舗受け取りした時に、イオンモール盛岡南店の店内で見かけたら安くなっていたので「エアリズムメッシュシームレスボクサーブリーフ/前閉じ」を何枚か買った。
 不摂生な生活をしてきたので、当方、樽体型のため、普通のサイズの既製品ズボンはフィットせず、選べなかった。しかし、最近は加齢と伴にサイズが小さくなってきており、伸縮性のあるタイプのズボンならば履けなくもない気がして、一般店にある最大のサイズの物を買ってみた。「サイズが合わなくて失敗したとしても、まあ、さらに年取って痩せてから履けばいいか」と思えたし。
 ということで、期間限定で安くなっていた「ウルトラストレッチドライEXジョガーパンツ」のXLを、通りかかったフレスポ中標津店で買った。


 さて、その後道内をふらふらし、すっかり髭も延びたので、髭を剃ってさっぱりすべく、風呂に入ろうと道内ではお気に入りダントツ1位の「道の駅 かみゆうべつ温泉チューリップの湯(「北の道の駅」の紹介ページ)」にやって来た。

昨夜の内に撮影しておいたものです。写っているのはレストランの部分。

 着替えを手提げ袋に入れて、車を降りる。
 「大人一回650円はちとお高い。500円だと嬉しいな」とは思うけれど、慈善事業でやっているのではなく、施設を維持し人を雇用するための利益を出さなければならないのだから、まぁこんなものなのだろう。おかげで、開業以来結構年月が経っているのに、手入れが行き届いていて綺麗だし、スタッフも親切だ。納得、納得。
 
 いざ、入浴。
 
 難しいことは分からんけれど、ここのお湯は浴槽につかると肌がなんとなくぬるぬるする。
 他にも同じような性質の温泉はあるのだろうけれど、個人的にはここのお湯が1番好きだ。天然由来の温泉の場合、「全く同じ」ものは無く、そもそも、他で「この湯」には入れないけれど。
 
 営業開始から早々の時刻ということもあって、洗い場もガラガラ。のんびりと心ゆくまで髭を剃り、洗髪をする。
 ここは、洗い場周りのまとめ方(鏡の位置、棚の高さ・幅、床から1段上に洗面器を置ける棚がある、排水溝も適切・仕切り板もちゃんとしている。カランもシンプルで扱いやすい。床の水勾配がちょっと緩いのだけが、やや気になるくらい)が上手く、何をするのも楽ちんでいい。
 すっきりしたあとは、数日間の運転の疲れを癒すべく、いつもより長めに湯舟に浸かる。
 肌のぬるぬる感を楽しみながら、ゆるゆると。
 滅多に来られる所でもないしねえ。
 心なしか、ここ半年以上悩まされている五十肩も楽な気がしないでもない。

 ほかほかに温まって、脱衣室に戻る。
 ロッカーの扉を開け、体の隅々まで乾いたタオルで拭きながら、着替えを取り出して順番に服を着ていく。
 パンツはUNIQLO。インナーシャツはUNIQLO。その上のロングTシャツもUNIQLO。ズボンは買ったばかりのUNIQLO。
 靴下はUNIQLOのものではないけれど、それ以外はUNIQLOの衣料を身に付けている。
 ドライヤーで髪を乾かそうと洗面台の鏡を見たら、上から下まで全部UNIQLOでまとまったおじさんが写っていた。
 うん、なるほど。「ユニクロおじさん」爆誕だ。
 そういえば最後に羽織るウィンドブレーカーもUNIQLOだな。完璧だ。

 
 まぁ、いい年になったのだから、そろそろそれなりの服を着たほうがいいのかもしれないけれど、怪しいおじさんには、こういうのでも十分である。

 天気予報によると、今夜の北海道は大荒れなのだとか。道央以北では初雪になるかもしれないそうだ。
 今夜、どこで寝るかはまだ決めていないけれど、愛用のUNIQLOのフリースに、UNIQLOのウィンドブレーカーを着込んで、暖かくして眠ることにしよう。
 足元の寒さ対策は、使い捨てカイロとブランケットかねえ。


〈余談〉
 昨日の夕方、チューリップの湯について、晩ごはんを食べようとして、駐車場にクルマを止めてレストランへ向かって歩いていたら、どこかで聞いたような大声が聞こえてきた。

 この道の駅には隣接して鉄道資料館と旧中湧別駅の遺構の一部があり、ちょっとした施設になっている。

 それを見て「おいおいおいおい、聞いてないよ、こんな施設があるなんて。ちょっとちょっとすごいじゃないの〜」等と話しているようだ。直接顔を見た訳ではないのだけれど、「あれだ、こりゃあの人だわ」と脳内に答えを得た。タレントの石原良純氏だ。横にいるのはマネージャーさんなのかな。それにしても、氏は結構背が高くてがっちりしてるのね。
 建物の入口で一緒になり、私はロビーでチラシやパンフレットを集めていたのだけれど、彼らは入浴施設の受付のところで「おー、温泉かあ。良いねえ。でもなあ、これから講演会なのに、一風呂って訳にもいかないし…。明日は10時からやってるの? じゃ、明日、帰る前にでも来るか」等と話していた。

 レストランの17時からの営業開始には少し早かったので、駐車場の車へ戻って調べてみたら、なるほど「令和6年度第48回湧別町民大学」の第3回目の講師として石原氏が招かれており、「石原良純流人生の楽しみ方 」という演題で講演するのだそうだ。
 本人さんを知っている訳ではないけれど、この人は屈託のなさそうな所に好感が持てて、嫌いではない。
 講演会には町外の人でも参加できるそうなのだけれど、事前の申し込みが必要とのこと。空きさえあれば飛び入りでも見させてもらえそうだけれど、どうだったんだろうか。どんな楽しいお話が聞けたのか、ちょっと気になるところである。

 知ってたら、絶対に申し込みしたんだけどなあ。いつ、どこに立ち寄るか決めてない、気まぐれ車中泊旅行ではどうしょうもないやね。

2024年9月13日金曜日

1年寝かせた「瑠璃の宝石」の話


 わ~い、5巻が出たぞっと。

 ということで、「瑠璃の宝石」待望の5巻配信記念に、昨年の今頃、4巻が出た際に下書きしていた内容をサルベージ。

瑠璃ちゃんの表情にピントを合わせてます。加工ですけど…。

 明日からの三連休。
 まだまだ残暑が厳しいので、お外に出かける気はさらさら無い。まあ、毎日が日曜日だしね。

 エアコン効かせた部屋で、のんびりと5巻を堪能することにします。
 きっと、5巻を読んだら遡って最初から読み返したくなるはずだから、いっそのこと、1巻から通して読むとしましょうか。

 5巻を読んだ感想は、また今度。

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 やっと4巻が配信された。
 連載が遅い作品だと、単行本の刊行ペースが遅いのは致し方ない。
 本作「瑠璃の宝石」も、概ね1年に1冊ペース。

 第1巻2020年10月
 第2巻2021年8月
 第3巻2022年10月
 第4巻2023年8月

 まあ、練りこまれた内容もそうだし、描き込み密度が高いので致し方ないか。

 第1巻のKindle版を買ったのが2020年11月23日。
 わりと発売日から時間を経ずに買っている。
 きっと直前に買った何かからのサジェストだったのだろうけれど、具体的には思い出せない。


コレクションビューでまとめて表示しております。

 その後は各巻配信日前に予約購入しているくらいにお気に入りのシリーズとなったので、今となっては「この本はいかが?」という提案は有り難かったことになる。
 まあ、それもAmazonの商売だけれども…。


 既刊の単行本版に収められているのを、あまりネタバレせずに書くのは難しいけれど、だいたい以下のような感じだ。

 1巻は、「自力で宝石を手に入れれば良いんじゃね?」と思い至った主人公・瑠璃(るり)の暴走から始まり、良き先達である大学院生・凪(なぎ)に導かれて少しずつ鉱物採集に惹かれていく過程を描く。

 2巻では「サファイアの産地を自分で見つけたい」という瑠璃の願望実現のための、「地味な活動」が丁寧に描かれていく。
 この巻では、もう一人の先達である大学生・伊万里(いまり)が登場し、学究としてかなり先を行く凪と、多少鉱物に興味を持つものの普通の女子高生である瑠璃との間を補う役割を担う。

 3巻では、「シーグラス(ガラスが海の波などの影響で変化したもの)」を希少な宝石と勘違いした瑠璃の一騒ぎから、以降でライバル(というよりは同好の士)的存在となる同級生・瀬戸が登場。
 後半では2巻で探求したサファイアの産地の「過去」をめぐる物語が展開する。

 現時点で最新の4巻は、3巻の最後で予告されていた、瑠璃・凪・伊万里・瀬戸たちの夏休みの鉱物採集旅行が語られる。
 「石の研究者になる」という確固たる希望を持つ瀬戸に対して、そこまではっきりとは考えていなかった瑠璃だけれど、瀬戸が「凪・伊万里(=研究者達)の世界」に属するイメージを浮かべた時に胸中に現れたモヤッとした想いから、そしてトパーズ採取の現場で知らないおじさんからかけられた一言から、瑠璃のこれからの進路について薄っすらと示される。


 「綺麗なものが好き」という感情が根本にある瑠璃は、理屈ではなく感情・行動が優先するタイプ。なので、瑠璃は「感覚」で綺麗なものを求めていく。
 1巻では欲望に忠実で、時には禁止されていることをもしようとするのだけれど、凪の導きで知らず知らずの内に「科学的なものの見方」を身に着けていき、「感覚」+「理屈」で動き始める。

 私的には、2巻での「サファイアの産地探求」の過程が丁寧にロジカルに描かれていて、だから結果に納得できてとても気に入っている。
 地味な調査(多少なりとも効率化しつつ)を積み重ねて足元を固め、現地ではこれまでに得た知識とデータから狙いを定めて成果を追求していく。 
 科学研究の真髄・醍醐味をわかりやすく伝えてくれる、佳編だと思う。
 単行本における各話の扉絵が、その回の内容を踏まえたジオラマ風のものになっているのも芸が細かくって楽しい。

 「サファイアの産地探求編」の総まとめとなる3巻収録の第18話「サファイアのゆりかご」は、「綺麗なものが好き」の、「その先」を導く物語。
 「このサファイアは、どうしてココにあるのか」を知りたくなった瑠璃が、凪不在の中、伊万里・瀬戸と共に現場での調査と想像力を基にして、長い時間をかけて繰り広げられてきた地球のダイナミックな活動の一端を垣間見る。 
 2巻(190〜192P.)で「ナギさんはなんでちょっと見ただけですぐにわかるのかなぁ」と思っていたのに、とうとう同じような境地にたどり着いたのだ(感覚としてだけれど)。
 「ずっと見ていたからだよ」という凪の言葉通りで、単にサファイアを見つけて終わりではなく、心のどこかに「どうして?」を持ちながら鉱物を見続けて来たからだろう。

 繰り返しになるが、この「サファイア探求編」は本当によくまとまっていると思う。産地の地元の伝承とも絡められていて、完璧だ。
 私も、いささかながら地学を愛好するものなのだけれど、他の図書等ではなかなか実感しづらかった地中でのマグマの挙動等が、漫画だからこそ出来るイメージ化の力で、「そういうことか」と感じることが出来た。
 漫画と地学・地理学ってきっと相性がいいんだろうな。本作以外にも、この分野の作品が続くことを願いたい。難しいけど…。


 Amazonのレビューでも散見するのだけれど、最初の頃にちょくちょくあったサービスシーンは、本当は不要だろう。
 瑠璃のそういうシーンを見て興奮するのは、何か筋が違う気がする。

 せっかくの好内容なのだから、そういった所を整えて動画工房あたりの製作でアニメ化したりしないもんですかね。「放課後ていぼう日誌」のように。
 「宙のまにまに」とか「恋する小惑星」のような、ライト寄りな感じではなく、ガチな科学系女子高生ものとして。
 まあ、でも、きらら系の1作である「恋する小惑星」も営業成績的にはパッとしないから、ガチな科学系女子高生ものでは爆発なのでしょうけれど。


 連載誌「ハルタ」は構成が複雑。
 毎号載るのと、年6回載るグループとに分かれ、後者は更に2つに分かれる。
 「瑠璃の宝石」は年6回載るグループということもあってか、単行本はおよそ1年に1冊ペース。
 今回、4巻を読めたのは嬉しいことだけれど、次の5巻は、また約1年後なのよね。
 瑠璃が高校のどの学年なのかは明確には明かされないけれど、進路のことに関連して、今後、瀬戸と勉強会をする話から考えれば2年生っぽい。子供っぽい思考を考慮すると1年生と思えなくもないけれど、1年ではそれほど進路のことが身に迫って来ないだろうし。
 そう考えると、瑠璃の進学が多分作品の区切りとなるのだろう。
 瑠璃・瀬戸共に前芝大学に合格して、凪(博士課程か、大学の講師やってるかも)・伊万里(修士を終える頃?)たちと笑ってるくらいで終わるのかしらん。
 となると、あと1〜2年のお付き合いかな。
 長いような短いような…。
 単行本が2冊出て、「全6巻完結」かなあ。

 個人的に好みの作品は1年1冊ペースのものが多く、「ふらいんぐ・うぃっち」も「ハクメイとミコチ」も、単行本のお楽しみは概ね1年おき。
 週間誌掲載の作品の単行本がガンガン刊行されるのを追いかけるのも辛いけれど、1年待たされるのも辛いものがある。なかなか、難しいねえ。
 「ふらいんぐ・ういっち」なんて、物語の進み具合考えると、あと20年くらい必要な気もするけど、20年経つと私は古希超えてるもんね…。(^_^;

 さて、そろそろ最新刊を期待したいのは同じく「ハルタ」で連載の「山を渡る -三多摩大岳部録-」かな。
 前巻の刊行からそろそろ1年。単行本で「夏休み北アルプス大遠征」編が読みたいところである。

2024年9月6日金曜日

じわじわ来る 「きみの色」


 台風一過の本日(9月2日)、予定通り2回目を鑑賞。

 上映開始時刻の配置が今一つなので、朝一の回で見たのだけれど、観客数は10名位。まあ、月曜日の朝から映画見に来るような客は限られますからね…。
 今週金曜日から観客数が見込めそうな作品が掛かるので、シネコンで2番目に大きいシアターを使えるのも、この木曜日(9月5日)までかな。
 それもあるので、今日、観に来たのですけれど。

この絵を反転したのがコミカライズの表紙。同じにはしたくなかったということ?

 いつも書いているように、「映画は2回目が1番鑑賞しやすい」です。本作もそうでした。
 1回目では拾えなかったこととかを含めて、腑に落ちました。


 今回はストーリーに関わる記載があるので、映画未見の方はご覧にならないことをおすすめしておきます。
 ま、たいした話ではないとは思いますが。
 所詮は、私個人の妄言と戯言ですし。

 あと、記事長いです…。

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 主人公3人の中でもメインである「日暮トツ子」は、「共感覚」と呼ばれる感覚能力を持っているのでしょう。「音」に色を感じる延長線で、「人」に対しても色を感じると。

 冒頭、寮の食堂での朝食のシーンで、自分以外の人達に「色」を感じることを示すところがあるのですが、その際には1人の人に対して複数の色が着いている様に捉えています。
 「人の色」について、トツ子が「綺麗」と感じるのは複数の色が混じった「混色」ではなく、特定の色だけの「純色」に近いもののようです。
 多くの色を含んでいる人にはちょっと近寄りがたさを感じているのかな。
 そういえば、寮で同室の3人−森の三姉妹−は、トツ子に対してフラットに接してくれているからか仲が良くてトツ子からの評価も高いのですが、湛えている色の数が少なめな気がします。

 「色数」の多寡以外にも、どうやら「人柄」と「色の寒・暖」は対応しているようで、主人公3人の内の1人で、最初に綺麗と感じて惹かれた同級生「作永きみ」は「青」と捉えてます。ピュアで潔癖・クールなところを「青」と感じたのかな。
 もう1人の「影平ルイ」に対しては「緑」。これは、控えめで、周囲に対して気配り出来つつ、芯の強さも併せ持つ人柄を「緑」と感じたのでしょうか。

 物語の最終盤まで自分自身の色は「分からないの」と語っていたトツ子。
 最後に、ついに「赤」と捉えます。
 ここまで物語を見てきて、「トツ子の取った行動で、人を結び付け、悩んでいた状態に対して心温めて、知らず知らずの内に次に向けて心の持ちようを変えていった」ことから「温もり」「励まし」「熱」に繋がる「赤」なのかなと思いました。
 ボンヤリしているように見えて、実は1番的確に「人」を捉え、自分にも他人にも真摯に接するのがトツ子なんだと思います。あと、純粋に綺麗なものが好きなんだろうな。本当に良い子。
 でも、「他人とは何かが違う」「他の人には出来ることが、自分は上手く出来ない」ということ、そして自分の色が分からないことも含めて、何処かに悩みを抱えています。その悩みは、自分自身でしか解決出来ないのが、ちょっと辛いかな。

 主人公3人の内の2人目は「作永きみ」。
 外部・他人からの評価は高く、いわゆる「よい子」なのですが、自分自身としては「そうじゃない」という想いを強く持っている子。
 兄と2人で実の親ではなく祖母に育てられているということから、何か家庭事情的に背負っているものがあり、それもあって、「よい子」を演じてきたことに、悩んでいるのでしょうか。
 そんな思いもあって、逃げ出すように学校を辞めてしまうのですが、同じ女子校に通っていた祖母の悲しみを思うとなかなか「学校を辞めてしまったこと」を祖母に告げられず、苦しんでもいます。
 「動きたくても動けない」「何をしたらいいのだろう」「どうしたらいいのだろう」―闇とまではいかないにしても、薄暗闇の中で、ちょっと途方に暮れている―そんな風に感じます。
 エレキギターはなんとなく、心の隙間を埋め、悩みを絞り出すように始めたのでしょうか。 
 そして彼女がバイトしていた古書店「しろねこ堂」で主人公3人が出会った時から、物語が大きく動き出します。

 主人公3人の最後の1人は「影平ルイ」。
 唯一の男の子。作中、チラッと映る家族の写真からすると、母子家庭で、兄がいるようですが、その兄は家業の医院を継がず不在のようです。
 結果的に親の期待、また地域社会からの期待を背負わされてしまっている状況で、だけど、それをよく理解して、期待に応えるように努力をしている子です。学業の成績も良いようで、秀才タイプですね。
 そんな頑張っているルイ君の精神的な支えは「音楽」で、演奏も作・編曲もこなすという凄い子です。
 ただ作中で「友達が出来たんだ」というセリフがあること、また、他人との距離の取り方や接し方に、やや違和感があることからすると、人間関係的にはナイーブなところがあるようです。
 そこの所が、個人的には少し嫌に感じてしまい、ちょっとだけ「ルイくん、ちょっと気持ち悪いような…」と思ってしまいましたが。
 「自分の本当にやりたいこと」「周囲から望まれ期待されていること」との板挟み。流されるままではなく、自分の意志を示さないと状況は変わらないけれど、誰も傷付けず、上手くやるにはどうしたらいいんだろう。


 3人が、それぞれ抱えている、自分自身でどうにかしなければならない、でも、ちょっと踏み出せずにいる「悩み」「重荷」「負担感」から解放してくれたのが「音楽」ということになるのでしょう。

 3人だけではなく、いろんな人が持っている「抱えている想い」が音楽の力によって、緩和されるということを、3人のライブの時の体育館のシーンで描いているのかな。
 抑圧する側のシスター達や校長までもが、「水金地火木土天アーメン」のフレーズに乗って楽しげに踊っているところは、そんな感じがします。
 日吉子先生までもが、普段は秘めている熱い感情を外に出しますからね。

 そうして、主人公3人は、まだ漠然としてはいる感じもしますが、何かを決めて、何かを掴んで、これからの「明る目な方向」へと進み始めることが出来たように思います。

 妄想するのならば、きみちゃんと類くんは将来結ばれて島の医院を継ぐ。作中、2人の色が混ざり合うイメージが出てくるし、本編ラストの「また、すぐ会えるでしょ」というきみちゃんのセリフからもそんな気がします。
 トツ子ちゃんは、日吉子先生のように学園のシスターかな。日吉子先生の「色」に近いトツ子ちゃんの「色」から考えると、「人の心を温める」そんなお仕事になるのかなと。


 今時の子達を描いたにしては綺麗すぎる気もしますが、まあ、こういう作品も有っても良いのかなと思います。
 響く人にはすぐに響くし、じっくりと観ている内に「ああ」と思う人も多いと思います。そういう意味で、「じわじわ来る」映画ですかね。
 刺激の少ない「淡い映画」なので、合わない人には合わないでしょうけれど。

 私も、初見時は正直想像していた内容とは異なったので「? なんかイマイチ?」と思ったのですが、再見して改めて考えてみると、腑に落ちる良い作品だと思いました。


 ただ、やはり気になるのは興行かな。「ガツンと来る」映画は、その分かりやすさから成績は良いんですよね。
 山田監督の映画をこの先もっともっと観たいので、本作の興行成績が振るうことを切に願うところですね。
 まあ、名古屋は市場規模も小さいし、関東ならば客の入りも大丈夫なのでしょうけれど。きっと。
 東宝系だとかなりの数の映画館で掛かってるし。
 いつものシネコンは松竹系だから。


【投稿前に追記】
 週が変わった今日(9月6日)から、想像どおりシアターが変更になりました。332席→124席。折り込み済みなのでしょうが、ちょっとさみしいところです。

 あと、9月4日付で公開されたアニメイトタイムズの記事(『きみの色』で伝えたい、山田尚子監督が描いたメッセージ【インタビュー】)で、山田監督に単刀直入にインタビューしてるものがありますね。
 「作品を観た者の思ったこと」と、「監督の考えていたこと」との、ある種の突き合わせが出来ます。
 作品への理解・解釈は各々の心の中の問題なので、何が正解という訳ではありませんが。
 参考に読んでみるのもよいと思います。

 インタビューって、インタビュアーの知識や能力に依拠していて、引き出されるものの質がそこで決まってしまいます。そこには、要注意ですが。
 このインタビューは、なかなか良いところを突いてると思います。

 「言葉」の話、「文字の重みの変化」「ライフスタイルの変化」とか、なるほどと思える内容でした。

 公式サイトに抜粋が出てる「企画書」の内容も参考になります。
 そういえば、同じ東宝配給の「すずめの戸締まり」の来場者特典の「新海本」には、もう少し多めに抜粋されていた企画書が収録されていましたね。本当は内緒の資料なのでしょうが、作品の根幹に関わるので読むと興味深いです。どこかの出版社が、「ヒット作の企画書を読み解く」とかって出してくれないかしら。

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 重箱の隅をつつきます。

 大切な役どころの日吉子先生を、新垣結衣が演じています。概ね、上手いとは思うのですが、もうちょっとだけ、感情を声に込められるともっと良いのにと。もったいない。
 生徒と接触するシスターという役割上、抑制するのは大切なのですが、ちょっとフラットすぎる気がしないでもないです。
 まあ、だからこそ、「聖バレンタイン祭」のライブの途中で、体育館からそっと抜け出して踊る姿が映えるのかもしれませんが。
 そういえば、色だけじゃなく、踊りという点でも、トツ子と日吉子は似ているかな。
 そもそも、日吉子が使っていた寮のベッドを後輩のトツ子が使っているというところも、宿命を感じます。

 
 所々で挿入される「鳥のカット」。
 山田監督らしさを感じました。
 羽数であったり、仕草であったりが、その場面に対応したものになっていて、興味深いです。Blu-ray出たら、もう少し細かく見てみたいと思ってます。


 トツ子ときみちゃんが、初めてルイ君の住む島に向かうシーンの冒頭。
 まるで緑色の鳥が画面右から左に横切るようにすーっと線が描かれ、それが島の稜線の形になるところ。
 「ほーっ「」と思いました。
 ここも、山田監督らしさでしょうか。


 メリハリのある、パキッとしたキャラ絵が好みといえば好みなので(だから「ぼっち・ざ・ろっく!」は絵的にも好き)、ちょっと本作のキャラクター達は馴染めなかった。特に日吉子先生の目の周りは、最後までゾワッとしました。
 ちょっとふんわり・ぼんやりしたキャラ絵の方が、「アニメ・アニメ」せず、本作のテーマには合うのでしょうけれど…。
 「平家物語」は、まあ、しゃあない。ああいうお話だから。それに、「犬王」との関連もあるのだろうし。


 雪のために島から帰れなくなった2人が旧教会で「合宿」しているところで、付き添うルイ君が「ラジカセ」を弄くって気象情報を聞こうとするのですが、「ラジカセのロッドアンテナをあれこれ捻くっている内に、どこかのラジオ局にチューニングが合う(←バレエ「ジゼル」が聞こえてくるとこ)」というのは、ダメだと思います。そんな馬鹿な。チューニングダイヤルを回そうよ。
 あれは、今は亡き三洋電機(SANYO)のテレコ(※)である「U4」シリーズをモチーフにしたと思われるのですが、カセットテープを入れる部分に「MP3」らしき記載が見えるし、AMラジオの周波数表記が「5.3」等となっているようなので、もしかしたらオマージュ商品(例えば「SANSUI Bluetooth搭載ラジカセ【USB/SDカードMP3再生対応】 SCR-B2」)を使っているのかもしれません。SANSUIのロゴマークの潰れ方が、イメージに近いし。
 古さを出すにしても、現役高校3年生のルイ君が1980年代の当時物を使っているのは、ちと考えづらいですからね。
 「それにしても、ちゃんとチューニングダイヤルを回そうよ」と、80年代に家電少年だったオッサンは思うのです。


 記事をまとめてて、さっき公式サイトのキャラクター紹介を見ていたら、トツ子ちゃんのとこに「全寮制の学校に通う」とあったのですが、あれ? きみちゃんは自宅から通ってますよね? それに、路面電車の中でもチラホラと同校の制服を着た子を見ますね。ま、後者は寮⇔学校の行き帰りかもしれませんが。


 公式サイトを見ていて、「うーん…」と思ったのは「かぎ括弧の使い分け」。
 どうやら映画以外の何らかの作品を表す時に「かぎ括弧(=「」)」を使い、映画作品を表す時に「二重かぎ括弧(=『』)」を使っているようなのですが、サイト内の文章においていろんなところで「かぎ括弧」は使われていて、何が何やら分かりづらい気がします。
 単純に「何らかの作品を示す時は『』で括る。それ以外は「」を使う」としちゃえばいいのに。
 あ、これは映画そのものについてではありませんでした。


 あと、再見しないと確言できませんが、ルイ君ちの医院、の名前、どうだったんだろう? ちゃんと「影平医院」なってたのかな?


※:
 「カセットテープレコーダー」を略して「テレコ」と呼びましたねえ。若い人には分からないかも。「ラジカセ」はなんとなく通じるのかな。

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 とりあえず、本作は映画館での鑑賞は2回かなと。
 後は、Blu-rayを待つことにします。
 ノベライズ・コミカライズを読んで思うところがあれば、あるいは…。

 IMAX上映に興味が無い訳ではないけれど、例えば「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のDolby Cinema上映の時のように、何か対応措置が取られているのなら間違いなく行くのですが。

 コミカライズは鈴木小波さんが担当しておられるのですね。Kindleで買う時に初めて知りました。
 鈴木小波さんといえば、「ホクサイと飯」。
 個人的には一番最初のヤツがお気に入りです。つい、家を出る前に読み返してしまいました。新シリーズ(話としては前日譚だけど)は、どうにも馴染めず、途中で脱落してしまったんですよね…。
 コミカライズの表紙を見る限り、絵は映画に寄せてるんですかねえ。目は鈴木さんの目っぽいですが。

 コミカライズは、担当する漫画家さんと編集者の段階で、既に話の取捨選択とイメージ化がなされている為、ある意味フィルターが掛かっていると思うので、読む順番としては、その程度の低いノベライズからだろうとは思うのですが。

「映画を鑑賞して、何を思ったか」だから、自分の考えがまとまるまでは読めん。
記事まとめたから、封印していたヤツ、やっと読める。ささやかな自己満

 Amazonのノベライズの評価に、熱いのがありました。面白かった。ノベライズ読むのが、なんとなく楽しみになりました。


 パソコンで何かしてる時、BGM代わりにYouTube流してると、このところ、過去に見た動画が妙にお勧めされるのです。
 そんな中に、名作「色づく世界の明日から」のオープニング動画がありました。
 そういえば、「きみの色」も「色づく世界の明日から」も舞台は長崎。
 長崎に、奇しくも「色」がつく作品が集まりましたねえ。


2024年9月5日木曜日

こんなにハマるとは思ってなかった 「ぼっち・ざ・ろっく!」


 ということで、遅れに遅れてたどり着いたオッサンの戯言です。
 内容・ストーリーについては今更語ることも無いので、サラッとした内容に終始しております。


【プロローグ あるいは 私がハマるまで】

 アニメ化は2022 年の秋。

 気にはなったけど、いつものように「録画はするけど、見ない」のでスルーしてた。

 消費する時間と手間から「アニメを見る気にはならない」けれど、「コミックスならば読む気になる」ので、コミックスは2023年のお正月に一気読みした。

普段使っているFire HD 10のスクショではありませぬが…。7巻も予約済みです。

 就寝前に、煌々と照らすブルーライトを浴びながらKindle端末のタブレットで読んだ。体に悪いな。

 コミックスは、とても面白かった。
 それでも、頑なにアニメは見なかった。面倒だから。
 あの頃は、お仕事的にも忙しかったしね。


 それが、劇場総集編をやるということで急に気になり、その後、自宅作業の合間にYouTubeでもまとめ動画とかをちょこちょこ見たりして、関心が更に高まった。

 折よくアマプラでの配信もあるし、時間も出来たことだし見てみるかと。

え?「宅録したヤツで観ろよ!」って? いや~面倒なので…。

 そうして、遂にアニメを観た。


 アニメも、面白かった。
 ストーリーはコミックスを読み込んでいるから今更だけど、アニメはとても練り込まれていて、トピックの取捨選択と再構成が上手く、テンポが良い。
 だから、単に「面白かった」ではなく、「とても面白かった」が、正しい評価。
 
 「声と音が付くとこんなに面白くなるんだ」という、アニメ化の醍醐味を久しぶりに味わった気がする。
 何度か、全話を通しで見たし、気に入ったトピックだけつまみ食いみたいに見たりもした。今でも観てることが多い。
 CloverWorksって、作品のクオリティが高いんだなと改めて思う。


【少なめな感想】

 さて、そんな状態で、件の劇場総集編を2作共に観た。

あっ、あっ、写ってはイケナイものが写ってるので、ボカシ入れてます…

 前編について、元職場の知人の奥さんは「総集編という名の追い剥ぎ(?)」と評しておられたけれど、いやいや、そんなことはない。
 手際よく、要所を押さえた編集で、配信で全話を見た後の自分でも、結構新鮮な気がした。
 そして、少しだけ放送・配信版(あるいは円盤)とは変えられている部分があって、見たかった「バリエーション」として、とても良く出来ていた。

ううう。これも写ってはイケナイものが写っているので、ボカシ入れてます……。

 そんな具合に前編(「Re:」)は見応えがあったのだけれど、後編(「Re:Re:」)は、ちょっと削り過ぎな気もしないでもない。9話「江ノ島エスカー」のところは、もう少し残してもよかったような気がする。
 まあ、秀華祭のステージを大画面かつ映画館の音響で味わえただけでも十分なのだけれど。


【劇場販売グッズやらなんやら】

 パンフレットを買うのは must なので、今回も買った。

前編のパンフは宅内で行方不明なので、見つけたら追加します。たぶん。

 ちゃんと後編の分もパンフレットが販売されていて、感心した。勿論、買った。

 後編を観に行ったのが3週目の終わり頃。
 だから「劇場での物販は残ってないかな」と思ったら、そこそこあったので、あれこれと買ってしまった。

虹夏ちゃん推しなので。前編の時も虹夏ちゃんアクリルスタンド買ってます。

 本編のエンディングアニメーションと映画上映前のマナー映像を担当された「スズキハルカ」さんの絵がとても可愛らしくて気に入っているので、ついついそれ系のを買ってしまったのだけれど、翌日の「きみの色」の時にも再度購入した分と合わせると結構な額に。
 うーん。最近は、手元不如意なのに…。恐ろしい。
 それに、こういうグッズ、買い込んでも使ったことが無い……。うーむ。勿体なくって。
 部屋片付けたら、クリップ入れは机の上に置いておきたいけど。どうなるかしら。

 スズキハルカさんのマナー映像といえば、後編の場合、1回目は虹夏ちゃんとリョウ先輩のペアで、2回目はぼっちと喜多ちゃんのペア。
 個人的には虹夏ちゃんファンだから前者を推すべきなのだろうけど、面白さでいけば喜多ちゃんの愛と圧が強い後者かな。

 来場者特典。
 前編の2回分は未開封なので不明。
 後編のは、1回目は未開封なので分からんけど、2回目に観に行った第4週目の「STARRYのドリンクチケット(ピック風のヤツ)」は気に入ったので、まだ配布がありそうなら至急見に行くかも。

正式名称は「クリアピック風チャーム」だそうです。

 でもなー、その為に半日使うのもなぁ…
 9月6日からは1日1回上映で、19時始まり近いのよね。帰宅すると22時かあ。


【CDとかなんやらかんやら】

 5月上旬に出掛けた東北への旅の序盤、立ち寄ったCD屋さんで1stフルアルバム「結束バンド」をたまたま手に入れた。今となっては品切れ中のCD+Blu-ray版だった。

新品が無いのなら、中古買うのも悪くはないけどねえ…。どうしよう。

 なんとなく開梱するのが惜しい気もして、まだ聴いていない。いつもは都度YouTubeで聴いていて、「もう1枚、普段使い用に買おうかな」と悩んでいるところ。
 もっとも、普段はCDなんて聴かないから、リッピングしたら収納して終わりになるのだけれど。

割と楽天ブックスでも買います。特典有りで値引きもありなので、お値打ちです。

 あ、今回の劇場総集編の曲を含む最新のミニアルバムも入手してある。まだ聴いてないけど。

 最近、時間が出来たので、「楽器でも始めるか」と思い、ある楽器を買った。ニッチな楽器(製品)なので新品は世の中にほぼ存在しいから、中古だけど。
 だからという訳ではないけれど、結束バンドの曲の楽譜も買ってしまった。

自力で耳コピはほぼ不可能なので、バンドスコアはあった方がよいですな。

 そもそも、買った楽器はギターではないので、どうなるものでもないけれど、こういう話題になった曲・バンドの楽譜とかって、後になると手に入らなくなることも多いんですよね。なので。
 今、「SQUAREの楽譜」をポチポチと探して買ってるけど、当時の物は高いのよ。復刻版、もっと出して欲しいところです。
 おっと、「ぼざろ」の話からそれてしまった。

 最近は熱が薄れ気味であまりBlu-ray買ってないけど、愛蔵版ということで「ぼっち・ざ・ろっく!」のは買っておこうと思ってます。
 貯めてるポイントの関係で、1回あたり1・2枚ずつ買っていく予定。
 アマプラの配信が終わるまでは、引き続きアマプラでみて、それ以降は宅録のヤツを見るので、ただのコレクションですけれど。


【余談】

 「アニメの2期を」という声が出るのも分かるけれど、本作に関しては、個人的には「無い方が良いかなあ」と思う。
 こういう作品の2期で成功しているのって、なかなか思い浮かばない。敢えて言うのなら、系統的にも出自的にも先輩にあたる「けいおん!」シリーズくらいか。あ、ジャンルは違うけど「ゆるキャン△(※)」も?

 原作の連載を追いかけつつ、「1期」をループすれば、それで良いんじゃないかなあと。
 もう、キャストの声で台詞の脳内再生も完璧に出来るしねえ。あ、でも、青山吉能さんの怪演の結晶である「ぼっちの奇声」は難しいか…。

 同じきらら系の先達「まちカドまぞく」は、頑張って2期作ったのに、燃え尽きちゃったもんねえ。
 なので、「御無理なさらずに」と思います。

 「2期で、どこまでやるのか」「いつやれるのか」を詰め切って、機が熟したら、「満を持しての2期」かな。


※:
 「2期と劇場版までは」ですが。
 いろんなことが微妙に変わった3期はイマイチな気がします。見てないけど(←オイ)